政治と税金

ここ数日の間、高収益のクライアントへの訪問予定で立て込んでおりました。

内科のドクター先生のお客様はさすがの収益水準。

２００８年厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」における年収が高い職業ランキングとして、
１位のパイロット、２位の大学教授に次いで、医師は３位。

医療はやはり不況抵抗力がありますね。

その他、製造業の顧問先も右肩上がり。

製造業の大半が売上ダウンの傾向にある中で、売上を伸ばし続けているのは価値があります。

製造業は建設業・不動産業と並び、不況業種と称されますが、中には成長し続ける会社も
あります。



ただこのようなクライアントの共通の悩みはやはり税金の問題。

高収益ビジネスの宿命として、目の前に立ちはだかるのが税金の壁ですね。

「会社が成長する限り問題はなくならない」と言われるのもうなずけます。


特に私たち会計事務所業界は確定申告という超繁忙シーズンに突入しておりますので、
改めて税金について考えさせられます。


今朝の日経新聞にもこんな記事が出ていました。

★首相、内部留保へ課税「検討」

大企業の内部留保への課税、所得税の最高税率の引き上げ、証券優遇税制の見直しなどを
今後の税制改正で検討する意向を鳩山総理が表明したとのこと。

共産党との会談の中で、共産党側から「大企業の過度な内部留保を雇用拡大に振り向けたり、
中小企業に還元すべきだ」と提起されたことに応じたものだという内容でした。


この記事を熟読すると、こうした構想の実現は現実味は乏しいようですが、
わが国がどのような方向に向かおうとしているのかが読み取れます。


税理士として、クライアントに対し健全な納税意識を持って頂きながら、お金をどう残すべきか
について知恵を絞るうえで、もはや税法の研究のみでは対応できない時代が到来しているような
気がします。

政治と税制は密接に関連しています。

特に今日のような激動期といわれる中では、わが国の将来の方向性を踏まえたうえで、
どのような対応が最もかしこいお金の残し方なのかについて強く意識する必要があります。



わが国の政治について良いとか悪いとか批評するのではなく、私たち日本人が日本国でビジネス
をしていく以上、わが国の環境に合わせて冷静に粛々と税金と向き合うことが求められています。



「社長業＝環境変化適応業」

この言葉はお金を稼ぐシナリオを考える際も重要ですし、お金を残すうえでも大切な考え方
ですね。