ファイト一発!税理士イワサの社長応援ブログ

税理士の岩佐孝彦が社長に“元気”と“勇気”をお届けするブログです。

身の丈以上の背伸びした借入をしないために知っておくべき数字

2013年01月31日 | 日記
中小企業を取り巻く経済トピックとして最近話題に
挙がっているのが、

▼中小企業金融円滑化法の今年3月の終了

中小企業金融円滑化法とは、資金繰りの苦しい中小企業
に対し、金融機関が元本返済の猶予などリスケジュール
を行う法律。

二度の延長を経て、今年3月末日をもってついに打ち切りと
なっている。



それを受け、世間で言われているのが、4月以降中小企業
の倒産が激増するのではないかということ。

先日お会いした某金融機関の支店長は、

「法律はなくなるけど、精神は残ります。
 よって、法案切れとなったからといってすぐに返済猶予先
 に貸し剥がしをするようなことはしませんよ。」

と言われていたが、銀行から見れば金融円滑法は「悪法」
と捉えているのが本音であろう。



特別な法律によって本来であれば、破綻懸念先に分類される
中小企業でさえ返済猶予の対象になった。

今までは金融庁のお達しでやむなく返済猶予を行ってきたが、
改善見込みがなければ返済猶予の延長は受けられない可能性
もある。



銀行借入過多で返済猶予を受けている中小企業は、

▼究極の「サンク・コスト」の姿

なのか?

「サンク・コスト(Sunk Cost=埋没費用)」とは、

昨日お話したように、

すでにコスト費やしてしまったが、回収が不可能に
なった資金のことをいう。



会社経営はゴーイング・コンサーン(継続企業)を前提に考え
られることが多い。

これが中小企業の銀行借入の“仇”になる。

経営をしていくうで資金繰りを回すために、
銀行融資を受けたりして、お金をつぎ込んでいく…

その結果、返済が苦しくなるほど資金繰りが逼迫。

金融機関にリスケジュールをお願いせざるを得ない。

まさに引くに引けない状態になりながらも延命している…


中小企業金融円滑化法により倒産は激減したが、水面下では
不良債権予備軍が地銀だけで30兆円規模で積みあがったまま、
高止まりしているという。

こんな窮状に陥らないために、経営者は銀行借入の健全ラインは
常に意識しておくべきだ。

参考データを紹介しよう。

▼借入金が総資産に占める割合

 ★優良企業 … 15%
 ★黒字企業 … 37%

▼借入金対月商比率

 ★優良企業 … 1.2ヶ月
 ★黒字企業 … 3.6ヶ月


これはTKC経営指標の22万件のデータである。

この数字を頭に叩き込んでおこう!



上記水準を上回る銀行借入は【身の丈以上の背伸びした借金】。

銀行がお金を貸してくれるのは【信用の証】という考え方も
あるが、調子に乗ってはいけない。

分をわきまえた借金でないと、

▼社長業 = 究極のハイリスク請負業

ましっぐらになる。

会社経営は【サンクコスト】ではない。

経営者の使命は、家族を守り、従業員の物心両面の幸福の追求を
通じ、社会に幸せをもたらすこと。


今日も社長業を楽しみましょう。


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