育鵬社公民教科書見本本を、全ての教科書センターから完全撤去させることを求める要望書を大阪府内の市町村教委に送付しました。
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育鵬社公民教科書見本本を、全ての教科書センターから完全撤去させることを求める要望書
2020年11月24日
子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会
新型コロナ感染症の終焉の見通しが立たない中で、子どもたちの健やかな成長のために力を尽くしておられることと拝察いたします。
私たちはすでに複数回、情報提供し要望もしておりますが、育鵬社公民教科書には少なくとも2か所で個人を特定できる写真資料が当事者の了解を得ることなく掲載されています。さらにその写真資料と一体になった文章では、「ひとり親」、「子ども食堂」、「無料学習塾」と「貧困」とを直接的に結びつけるなど、人権侵害の内容となっています。
その育鵬社公民教科書の展示について私たちは、大阪府教育委員会に照会して以下のような回答を得ております。
1. 育鵬社から8月28日付で、見本本を回収する、または当該箇所にシールを貼るのいずれかの方法をとりたい、対応については後日連絡するとの連絡があった。
2. 育鵬社からの連絡を9月3日付けで各市町村教委に伝え、一般の人々が閲覧できないよう別保管するなどの対応を依頼した。
3. 見本本は現在、各市町村教委のバックヤードで保管されていると認識している。
今回の件は、教科書発行者としての最低限の努力も怠った育鵬社の編集姿勢に原因があり、善後策は全て育鵬社の責任において講じられなければならないと考えます。ところが育鵬社は、8月28日付けの大阪府教育委員会宛の文書でも明らかなように、「シールを貼っていただくなどの方法により対応させていただければ」などと、自らの不始末の尻拭いを各教育委員会の公務員にさせようとしており、断じて認めることはできません。
以下、理由を添えて2点の要望をおこないますので、貴教育委員会の見解をご回答くださいますようにお願いいたします。
(1)育鵬社の「シールを貼ってほしい」という要請には応じないでください。
シールは場合によっては剥がされてしまう可能性があります。シールが貼ってあれば、かえって興味をもってシールを剥がす閲覧者がいるかもしれませんし、SNSなどで拡散させる閲覧者もいるかもしれません。
そもそも育鵬社の2枚の無断掲載写真のうち157ページの写真は、地名が間違っているという杜撰なものでした。このような単純なミスを検定で見逃した文部科学省の責任が厳しく問われるべきですが、それだけではなく2枚の写真の解説自体が、「子ども食堂」や「無料学習塾」に行っている子どもを傷つけ、教員を困惑させ、かかわっている市民たちの努力を水の泡にする人権侵害の内容です。差別や偏見を助長させ、いじめや不登校の原因を作る可能性のある記述です。そのような深刻な問題のある写真と記述に貼られたシールが、剥がされたり拡散されたら、その責任は誰がとるのでしょうか。
教科書の見本本は教科書センターに少なくとも4年間は展示され続けます。教科書センターが図書館の場合には、一般書として取り扱われるため、もっと長期に置かれ閲覧されるので、被害はいっそう甚大になります。
また「シールを貼る」といいますが、誰がその作業をするのでしょうか。育鵬社によれば「当該写真部分にシールを貼っていただく」となっており、自治体職員にやらせることが前提になっています。職員は公務員であり、私企業である育鵬社のミスをフォローすることが公務といえるでしょうか。そんなことを公務員にやらせて、市民の理解を得ることができるでしょうか。
かつてある教科書会社は、見本本の記述を変更した際、見本本を印刷し直して送付し差し換えました。どうしても展示してほしいなら、発行者の責任においてそうするのが当然ではないでしょうか。
(2)育鵬社公民教科書の見本本は育鵬社に回収させてください。ないしは着払いで育鵬社に返送してください。
育鵬社公民教科書の見本本は展示に値しません。育鵬社が責任をもって回収すべきです。本来なら育鵬社が全国を回って回収すべきですが、それがどうしてもできない場合には、育鵬社に着払いで返送してください。送料を税金で負担するなどありえないからです。
職員がシールを貼ったり、自治体が送料を負担することは、住民監査の対象になりますので、くれぐれも慎重な対応をお願いいたします。
以上、2点について貴教育委員会の見解を12月末日までに、下記に文書でご回答願います。お忙しいとは存じますが、よろしくお願いいたします。
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育鵬社公民教科書見本本を、全ての教科書センターから完全撤去させることを求める要望書
2020年11月24日
子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会
新型コロナ感染症の終焉の見通しが立たない中で、子どもたちの健やかな成長のために力を尽くしておられることと拝察いたします。
私たちはすでに複数回、情報提供し要望もしておりますが、育鵬社公民教科書には少なくとも2か所で個人を特定できる写真資料が当事者の了解を得ることなく掲載されています。さらにその写真資料と一体になった文章では、「ひとり親」、「子ども食堂」、「無料学習塾」と「貧困」とを直接的に結びつけるなど、人権侵害の内容となっています。
その育鵬社公民教科書の展示について私たちは、大阪府教育委員会に照会して以下のような回答を得ております。
1. 育鵬社から8月28日付で、見本本を回収する、または当該箇所にシールを貼るのいずれかの方法をとりたい、対応については後日連絡するとの連絡があった。
2. 育鵬社からの連絡を9月3日付けで各市町村教委に伝え、一般の人々が閲覧できないよう別保管するなどの対応を依頼した。
3. 見本本は現在、各市町村教委のバックヤードで保管されていると認識している。
今回の件は、教科書発行者としての最低限の努力も怠った育鵬社の編集姿勢に原因があり、善後策は全て育鵬社の責任において講じられなければならないと考えます。ところが育鵬社は、8月28日付けの大阪府教育委員会宛の文書でも明らかなように、「シールを貼っていただくなどの方法により対応させていただければ」などと、自らの不始末の尻拭いを各教育委員会の公務員にさせようとしており、断じて認めることはできません。
以下、理由を添えて2点の要望をおこないますので、貴教育委員会の見解をご回答くださいますようにお願いいたします。
(1)育鵬社の「シールを貼ってほしい」という要請には応じないでください。
シールは場合によっては剥がされてしまう可能性があります。シールが貼ってあれば、かえって興味をもってシールを剥がす閲覧者がいるかもしれませんし、SNSなどで拡散させる閲覧者もいるかもしれません。
そもそも育鵬社の2枚の無断掲載写真のうち157ページの写真は、地名が間違っているという杜撰なものでした。このような単純なミスを検定で見逃した文部科学省の責任が厳しく問われるべきですが、それだけではなく2枚の写真の解説自体が、「子ども食堂」や「無料学習塾」に行っている子どもを傷つけ、教員を困惑させ、かかわっている市民たちの努力を水の泡にする人権侵害の内容です。差別や偏見を助長させ、いじめや不登校の原因を作る可能性のある記述です。そのような深刻な問題のある写真と記述に貼られたシールが、剥がされたり拡散されたら、その責任は誰がとるのでしょうか。
教科書の見本本は教科書センターに少なくとも4年間は展示され続けます。教科書センターが図書館の場合には、一般書として取り扱われるため、もっと長期に置かれ閲覧されるので、被害はいっそう甚大になります。
また「シールを貼る」といいますが、誰がその作業をするのでしょうか。育鵬社によれば「当該写真部分にシールを貼っていただく」となっており、自治体職員にやらせることが前提になっています。職員は公務員であり、私企業である育鵬社のミスをフォローすることが公務といえるでしょうか。そんなことを公務員にやらせて、市民の理解を得ることができるでしょうか。
かつてある教科書会社は、見本本の記述を変更した際、見本本を印刷し直して送付し差し換えました。どうしても展示してほしいなら、発行者の責任においてそうするのが当然ではないでしょうか。
(2)育鵬社公民教科書の見本本は育鵬社に回収させてください。ないしは着払いで育鵬社に返送してください。
育鵬社公民教科書の見本本は展示に値しません。育鵬社が責任をもって回収すべきです。本来なら育鵬社が全国を回って回収すべきですが、それがどうしてもできない場合には、育鵬社に着払いで返送してください。送料を税金で負担するなどありえないからです。
職員がシールを貼ったり、自治体が送料を負担することは、住民監査の対象になりますので、くれぐれも慎重な対応をお願いいたします。
以上、2点について貴教育委員会の見解を12月末日までに、下記に文書でご回答願います。お忙しいとは存じますが、よろしくお願いいたします。