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市長の私的アドレスは公文書のブラックボックスか!

2019-08-05 09:29:51 | 吉村私的メール問題
子どもをテストで追いつめるな!市民の会からです。

市長の私的アドレスは公文書のブラックボックスか!
吉村市長(当時)と大森特別顧問は、公文書管理から逃れる私的メールで政策を立案!


 2018年8月、吉村市長(当時)が大阪市の全国学力テストが政令市の中で最下位であったことを大々的に取り上げ、学力テストの結果で校長・教員評価を行う新たな人事評価制度の構築を提案しました。それを受けて、2018年9月14日の総合教育会議で大森特別顧問が構想を提案し大阪市教委に具体案作成を任せました。2019年1月29日の総合教育会議で大阪市教委が具体化した「大阪市教委提案」を行いました。
 表向きは市教委に具体案作成が任されていましたが、吉村市長と大森特別顧問は頻繁にメール交換し原案作成を主導していました。両者のメールには、意思決定過程に関する内容が多く含まれていましたが、大阪市政策企画室秘書部は情報公開請求に対して「不存在」決定を行いました。私たちは、吉村・大森メールが公文書であるにもかかわらず、「不存在」となったことに疑問を持ち、大阪市との話し合いを要求しました。8月1日には、大阪市(参加者:ICT戦略室、政策企画室秘書部、教育委員会教育政策課、教育委員会総務)と話し合いの場を持つことができました。

大阪市は、吉村市長の私的メールにあった「意志決定に関わる内容」を公文書として管理せず

 今回、吉村・大森メールが「不存在」となったのは、吉村市長が私的PCの私的アドレスから送受信していたからでした。吉村市長には、市長として大阪市の公用PCが与えられており、それを活用すれば公文書に該当するメールは公用フォルダに保存することができました。しかし、吉村市長はあえて公用PCを使用せず、私的PCでやりとりをしていたのです。その結果、吉村市長メールの中で公文書として保管されているものは3件だけでした。なぜ、吉村市長が公用PCをほとんど使わなかったのか。故意に公文書情報を隠匿する目的があったのではないかと疑わざるを得ません。
 大阪市職員は、公務には公用PCを活用し、メールのやりとりは公用フォルダに保管することになっています。さらには大阪市担当部署が定期的に照会をし、保管し忘れがないかチェックをしています。もし、きちんと保管されていなければ指導の対象となります。しかし、同様のことは市長にも適用されて良いはずですが、市長は指摘PCアドレスで送受信したメールを公用フォルダに残していませんでした。大阪市もそのことを市長に指摘せず、見逃していたのです。
 吉村市長の私的PCから送受信されたメールには、大阪市の「意志決定に関わる内容」があったことは明らかとなっています。吉村私的メールが公用フォルダに残されていないのであれば、メールの中のどの部分が公文書情報に当たるかを判断できるのは市長自身のみです。市長は私的PC・アドレスを使用することで、公文書情報の管理を怠っていたと言えます。
 大阪市もまた、吉村市長が私的PC・アドレスで送受信したメールの中にある公文書情報を一切把握・管理しようとしていませんでした。大阪市秘書課は、吉村市長の私的アドレスなのだから公文書情報を管理できていなくても「やむをえない」としました。
 大阪市公文書管理条例第3条4には「本市の機関は、審議又は検討の内容その他の意志決定の過程に関する事項であって意志決定に直接関わるものについては、事案が軽微である場合を除き、公文書を作成しなければならない。」とあり、2011年4月の本条例改定に伴い公文書作成が義務規定となりました。吉村市長と大阪市秘書課の対応は、明らかに大阪市公文書管理条例に違反する重大な問題です。

吉村私的メールに公文書が含まれていたことは、森特別顧問がメールを大阪市教委に転送したことで発覚

 闇の中にあった吉村私的メールの存在が明らかとなったのは、大森特別顧問が、その内容の一部を大阪市教委に転送したからでした。大阪市教委は、このときに初めて、吉村私的メールで「意志決定に関する内容」がやりとりされていることを知り、公文書として管理しました。しかし、大森特別顧問が市教委に転送した内容が、吉村私的メールの全てかどうか、全く把握していませんでした。大森特別顧問から転送さ
れて初めて公文書として確認するというのは、公文書管理のあり方として極めて杜撰だと言わざるを得ません。
 大阪市教委に大森特別顧問から転送されたメールを公文書公開請求したところ、大阪市教委は「審議、検討又は協議に関する情報」だとして、「公にすることにより市民等の間に混乱を生じさせるおそれがある」「事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある」との理由で「非公開」としました。市民にはすぐに公開できないような重要な「意志決定に関わる内容」を、大森特別顧問に転送されるまで公文書として管理していなかったことは重大な問題です。
 
市長は、大阪市の情報セキュリティー管理基準の適用を受けない!?

 大阪市ICT戦略室は、市長の私的PCの私的アドレスからのメールは、大阪市の情報セキュリティー管理基準の適用を受けないと述べました。大阪市情報セキュリティー管理基準は一般職員が対象であって、特別職の市長は対象ではないからだとしました。しかし、なぜ、市長が対象にならないのか、その理由を聞いても明確に答えることができませんでした。
 大阪市公用PCにくらべ、市長の私的PCのセキュリティーレベルは格段に低いものであることは容易に想像できます。私たちは、市長の私的PCからの情報の漏洩、紛失等の危険性について指摘しても、問題なしの態度でした。これらは、大阪市情報セキュリティー管理基準の重大な欠陥です。 

大阪市は市長私的アドレスからのメールを公文書として管理するルールをつくること

 ここ数年、公文書の隠蔽や改ざんが大きく取り上げられ、行政の公文書の扱いに厳しい目が向けられてきました。しかし大阪市では、市長が私的PCの私的アドレスで「意志決定に関わる内容」のやりとりをしていても、現状ではその内容が公文書として管理されないままです。市長は、後日、行政の意思決定過程が検証されたり、市長の教育行政への介入について追及されたりすることから逃れることができます。これは公文書の隠匿そのものです。
 私たちは、大阪市に対して、この間の市長の私的メールアドレスに含まれる公文書に該当する内容を管理してこなかったことについて見解を求め、今後どのように対処していくのか明らかにするように明確な回答を求めました。

■資料
情報公開で出てきた吉村・大森メール
https://www.data-box.jp/pdir/6a825e3713674c11800f6f153a228a04
https://www.data-box.jp/pdir/e61aa7cbfad747b4b4cbdaa0ae9c652a

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