tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

だし茶漬けのルーツ

2006年08月20日 | 日々是雑感
一昨日(8/18)、「未来創造堂」(日本テレビ系・毎週金曜日23:00~23:30)では、「お茶づけ海苔」の誕生秘話を再現ドラマで紹介していた。
※番組ホームページ(スポンサーのサイト)
http://www.honda.co.jp/on-air/sozodo/

老舗茶舗・永谷園の十代目(つぶやきシロー)が、居酒屋で食べたお茶漬けをヒントに、お茶づけ海苔を考案するという話だ。九代目が作っていた即席お吸い物に「あられ」を加えることで食感が増し、湿気も防ぐというアイデア商品だった。

このお茶づけ海苔、今では19種類もあり、昨年はサントリーと共同開発した「冷やし烏龍茶づけ」が大ヒットしたことは、記憶に新しい。
※永谷園・お茶づけ海苔のサイト
http://www.nagatanien.co.jp/products/list.php?MCODE=a

さて、ご覧の写真は「だし茶漬け」だ。私は学生時代に初めて東京で「ダシ汁」のかかったお茶漬けを食べ、大変驚いた。「関西人は食べないだろうなぁ」と思っていたら、永谷園のお茶づけ海苔で「だし茶漬け」が発売(01年6月)されるし、最近は奈良にも専門店「おちゃづけ&ピアホール 風神」ができた。

写真の「お茶漬けランチ」は800円だった。ご飯とダシはおかわり自由、具が2種類(日替り・この日は梅干しと海苔の佃煮)あってドリンク付き(コーヒー、紅茶、ジュースなど)だ。風神へ行ったのは先週土曜日のランチタイム。夏休み中とあって、しばらく並んだ。写真中央上にある薬味の刻みワサビがやたら美味しくて、お茶漬けはいくらでもお代わりできそうだった(が、健康上の理由から2杯で我慢した)。

店員さんに聞いてみると、やはり「お店を出す前には、関東方面へリサーチに行った」そうだ。「具に使う素材(明太子など)も、本場へ行って研究した」とか。
※風神(ふうじん)の紹介サイト
http://www.digi-pa.com/kanji/fuujin/index.html

お店の中は若い女性が多く、見ていると、ジュース類を飲みながら長々とダペり、締めにお茶漬けをパクついている。われわれ中年が、ビールを飲んで締めにお茶漬けを食べる感覚に似ていて、面白い。

このだし茶漬け、ルーツは江戸時代・東京で供されていた「汁かけ飯」だった、という事実を、やっと先日解明した。
※ついに解明!お茶漬けの謎(JanJan)
http://www.janjan.jp/area/0608/0608028931/1.php

名古屋が発祥の「ひつまぶし」が全国で人気を集めるなど、地方の味が全国区で受け入れられる時代になった。奈良の郷土料理も全国に広めたいものだ。
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なら燈花会に70万2千人

2006年08月18日 | 観光にまつわるエトセトラ
今朝(8/18)の奈良新聞によれば、今年の燈花会には70万2千人が訪れた。1日当たりだと7万8千人(会期=9日間)で、これは過去最高記録だそうだ。

過去8回で総入場者数では、一昨年の70万4千人が最高だそうだが、この時は会期が11日間あった(1日当たり6万4千人)。今年は台風7号の影響で8/8が中止となったため、9日間の開催となったのだ。
※奈良新聞の記事
http://www.nara-np.co.jp/n_all/060818/all060818b.shtml

もし会期が一昨年並の11日間あれば、総入場者数は85万8千人という計算になる(7万8千人×11日)。これはすごい数字だ。

最終日・8/15の入場者は20万人(1日あたりの最高)、私が訪れた8/14は12万人だったそうだ。確かに例年に比べ、かなり人が多かった。

なら燈花会の会は「広範囲にわたる事前広報や、今年で8回目となることなどから、燈花会が定着しつつある」と分析している。

相当のの経済波及効果も見込めるだろう。いよいよ次はバサラ祭りだ(8/16・27の両日 奈良市内)。
※バサラ祭り実行委員会のサイト
http://www.basaramatsuri.com/

奈良公園ではサルスベリも満開だ。全国の皆さん、どうぞ夏の奈良へお越し下さい。
※写真は浅茅ヶ原会場(8/14)。
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『ライブドア監査人の告白』を読む

2006年08月17日 | 日々是雑感
夏休みの読書用にと、本をたくさん買い込んだ。読了1冊目がこの『ライブドア監査人の告白』(田中慎一著 ダイヤモンド社)だ。

読む前は「悪事に加担した見張り役が、自らを反省した本なのかな」と思っていたが、読後の印象は、「真実を知ったときは、手遅れだった。当事者である会計士が、粉飾の経緯とカラクリ、そして監査制度の限界を告白」(BOOKデータベース)という感じに近い。
※同書に関するダイヤモンド社のサイト(立ち読みもできる)
http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=4-478-31221-4

当初、この本全体を要約して紹介しようと思ったのだが、CNETに詳しく出ていたので(著者とのインタビュー・A4 で23ページ分)以下、概要だけを書くことにする。
※監査人が見たライブドア事件の舞台裏(CNET Japan)
http://japan.cnet.com/column/entrepreneur/story/0,2000055910,20137067,00.htm

著者の田中慎一氏(1972年生れ)は公認会計士としてあずさ監査法人、UBS証券などで主にM&A業務に従事した後、04年7月、港陽監査法人に移った。横浜に本拠を置くこの監査法人は、早くからライブドア(当初はオン・ザ・エッジ)の監査を引き受けていた。

というのはライブドアCFOだった宮内亮治氏(税理士・後に逮捕)と、港陽監査法人の創業時メンバー・小林元氏(証取法違反で在宅起訴)が旧知の仲だったからだ。当初は小林氏がライブドアの監査責任者だったが、彼が03年12月に他社(ゼネラル・コンサルティング・ファーム=彼が宮内氏と立ち上げた会社)に移った後は、同監査法人の久野太辰氏(証取法違反で在宅起訴)が引き継いだ。

小林氏と久野氏が担当している間、ライブドアの宮内氏は監査人をいいようにあしらっていた。中小監査法人の大クライアント(しかも税理士で弁も立つ)という立場を利用して、宮内氏は好き放題に会計を操作し、それを小林氏と久野氏に追認させていたのだ。

宮内氏やホリエモンの逮捕・起訴理由は、投資事業組合、株式交換、株式分割という手段などを巧みに利用しつつ、

1.投資事業組合を使った自己株売却益の環流
(風説の流布、偽計取引および粉飾決算=資本取引を損益取引として処理)
2.子会社との間の預金の付け替え
(粉飾決算=架空売上の計上)

を行ったことであるが、これらは小林・久野氏の時代に宮内氏が実行したものだ(ホリエモンはこれら操作の詳細までは知らなかった様子だ。小林・久野氏は、知っていて知らぬふりをしていた)。

小林氏が辞めた穴を埋めるように港陽監査法人に入った田中氏はライブドアと遭遇し、宮内氏の態度や会計操作に疑問を持ったことから、05年4月、ライブドアの監査責任者を自ら買って出る(この時点で、すでに04年9月期決算の虚偽の有価証券報告書が提出済だった)。つまりあえて火中の栗を拾いに行ったのだ。

田中氏が監査責任者になってから、それまでの負の遺産(監査人がライブドアの言いなりになっていた)の処理に手を尽くした。投資事業組合も解散させ、トリッキーな操作が行われる芽を摘んだ。

同書には、田中氏がホリエモンや宮内氏と行った丁々発止のやりとりや、「私の意見が嫌なら、監査人を降りますよ!」とプレッシャーをかけ続けた様子が記されている。上場企業で監査人が交代する(監査法人が変わる)と市場はネガティブに反応し、株価が暴落する可能性があるので、ライブドアはこれを大変恐れていたのだ。

田中氏は書く。「正直、ライブドアの監査には骨が折れた。常に堀江氏、宮内氏の行動には目を光らせていないとならないし、業績数値以外にも彼らがどのような事業計画や予算をブチ上げるのか、といった点についても気にかけなければならなかった。身の丈以上の業績予想を公表したがために、期末になって無理をしてくるというのが宮内氏の“活躍”の構図だからだ」

そして田中氏がコーポレートガバナンスや内部統制の整備に着手したところで、ライブドアに強制捜査が入ってしまった(06年1月16日)。

結局、ライブドアの粉飾に関与した港陽の監査人2人は検察に起訴されたが、田中氏は問題の決算期を担当していなかったため訴追を免れた。しかし田中氏は、事件を未然に防げなかった(「架空売上」について何かおかしいと感じていたが、監査責任者の久野氏に引導を渡せなかった)責任を感じ、自主的に公認会計士の資格を返上した。今後も会計関連の職には関わらないという。

担当検事のひと言が田中氏の立場を代弁している。「この事件って、港陽監査法人がライブドアから騙されたというより、田中さんや他のパートナー(監査人)が小林さん、久野さんから騙されていますよね」

田中氏は高校・大学(いずれも慶応)から社会人5年目まで、ラグビーをされていたそうだが、会計士を廃業するとはいかにもスポーツマンらしい潔さだ。田中氏は今年34歳と、まだまだ若い。これからは起業家として再出発されるそうだが、今回の事件を教訓として、たくましく甦っていただきたい。

※写真は東大寺・南大門の仁王さん(金剛力士立像のうち阿形像 運慶・快慶らの作)。8/14に撮影したカラー画像を白黒に補正した。仁王は、お寺を仏敵の侵入から防ぐ「見張り役」である。
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なら燈花会が閉幕

2006年08月15日 | 日々是雑感
奈良の夜を彩る光のページェント「なら燈花会」は、いよいよ今夜で閉幕する。今年の燈花会は8月6日から始まったが、多くの方が会場のある奈良公園周辺に足を運ばれていた。

写真は昨夜(8/14)に撮ったものだ。昼間はギラギラと太陽が照りつける暑い日だったが(最高気温は34.8℃)、夜には気温が下がり、特にこの「浅茅ヶ原(あさぢがはら)会場」では、多くの方が工夫を凝らした竹のオブジェに見とれていた。

日経新聞によると、地元シンクタンクは、燈花会の経済効果を約15億8千万円と試算(04年・南都経済センター調べ)。奈良市が実際に潤った額(生産波及効果)は28億68百万円に及んだ。近鉄の増収分だけでも、34百万円(05年)に上るという。確かに昨日も、帰りの難波行き快速電車は、朝のラッシュなみの混雑だった。
※「世界遺産と景観(2)奈良ライトアップ」(06.8.9付 日経新聞近畿版)
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/34830.html

昨夜、東向商店街(近鉄奈良駅前)を通りかかると、いつもは早い時間帯に閉店する商店も、午後9時を過ぎてもほとんどが営業していて、飲食店などでは行列ができていた。

燈花会の来場者目標は、今年は百万人(昨年は60万人)だそうだが、この人気ぶりからすれば、昨年を大幅に上回るだろう。

私は、奈良のキーワードは「古くて新しい」だと思っている。地元の若者らの企画による燈花会は、春日大社の中元万燈籠(まんとうろう)、東大寺大仏殿の万燈供養会(まんとうくようえ)などの古くからの行事と結びついた「新しい伝統行事」となった。

今日が今夏のラストチャンスだ。今夜は中元万燈籠・万燈供養会に加え、高円山では大文字送り火も点火される。まだ足を運ばれていない方は、ぜひ。
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むかし町・五條市新町通り

2006年08月13日 | 日々是雑感
奈良県五條市の新町通り界隈は、江戸時代の面影を残す「むかし町」である。

新町通りは旧紀州街道として、かつては多くの商家や宿屋が軒を連ねていた。今も、建築年代の分かるものとしては日本最古の民家(1607年建築の栗山邸・重文)など、重厚な木造建築が残る。

近年、街なみ環境整備事業などにより「まちなみ伝承館」「まちや館」等の施設が整い、建物内部の様子も知ることができる。私が伝承館を訪ねたとき(8/11)は、奈良テレビ放送が取材中だった。

写真の「餅商(もちしょう)一ツ橋」(新町通の東端)は大正時代から続くお餅屋さんで、手作りの餡入り饅頭、揚げ饅頭、焼き餅(いずれも1個70円)が今も人気だそうだ。

新町通りの周辺には、歌舞伎で知られる悲恋の主人公・赤根屋半七宅跡や、「天誅組の変」の五條代官所にあった長屋門(史跡公園資料館)などの見どころもあるので、のんびり歩いて江戸情緒をたっぷり味わっていただきたい。
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