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光明真言会(西大寺)/毎年10月3日~5日に厳修

2016年10月03日 | 奈良にこだわる
西大寺(奈良市西大寺芝町1-1-5)の光明真言会(こうみょうしんごんえ=光明真言土砂加持大法会)をご存じだろうか。西大寺一門(真言律宗)最大の法要で、宗内僧侶の総出仕のもと、本堂で光明真言の功徳で土砂を加持し、毎年10月3日~5日に3昼夜続けて総回向の法要が営まれまる。お寺のHPから抜粋すると、
※トップ写真は、西大寺のホームページから拝借

光明真言会は、叡尊上人が文永元年(1264)に一門結束と民衆廻向を二大眼目にして創始した一門の最重要法会であります。真言(マントラ、呪・陀羅尼とも)とは諸仏への祈願句であるとともに、諸仏の悟りの境地を端的に示す呪文であり、密教では真言の念誦経によって行者が本尊と一体となって仏になること(即身成仏)を目指します。叡尊上人の終生の信仰の根本は真言密教であり、中でも特に意を注いだのが光明真言の信仰でした。

「オン・アボキャ・ベイロシャナウ・マカボダラ・マニ・ハンドマ・ジンバラ・ハラバリタヤ・ウン」

この梵字23文字からなる光明真言は、密教の教主・大日如来の秘密心呪で一切諸仏菩薩の総呪とされ、古来最も重視されてきました。直訳すれば、「帰命し奉る、空しからざる遍照尊よ、偉大なる印相よ、摩尼宝珠と蓮華の光明を回らしたまえ」という意味に解されます。

当初9日であった期日は、叡尊入滅後、その忌日8月25日を結願日とする7日間に変更されました。以来連綿とこの日程で修されてきましたが、明治43年以降は旧暦の廃止に伴い10月1~8日に改められ、鎮守八幡宮の秋の祭礼とも連動して、近在の住民からは俗に「こめしご」と訛り称されて、参拝者で大いに賑いました。

ところが昭和17年戦中時局の諸事不如意から10月3~5日の3日間に短縮されて、そのままの日程で今日に及びますが、その精神と法会の形式は伝統を踏みはずすことなく毎年厳修され続けています。


法会は期間中、いつでも拝観できる。境内のお堂の有料拝観は9:00~16:30 (入堂は30分前まで)。詳しくは県ビジターズビューローのHPに紹介されている。西大寺中興の祖・叡尊(忍性の師)が創始した伝統ある法会。これを自由に拝観できるとは、有り難い。皆さん、ぜひいちどご参拝を!

10/6追記 Facebookから、詳しい情報を紹介しておきます。
【増田隆さん】
光明真言土砂加持大法会に関しては、実際は、3日午後2時の開白法会から、5日正午の結願法会までの間であれば、真夜中でも法会そのものの拝観は可能です。

ただし、僧侶様方が総出で営まれる「総番」は、3日の午後7時、4日の午前4時、午後2時、午後7時、5日の午前4時に行なわれ、よく知られる「ちょうちんたたみ」と呼ばれる「綱維問訊」はこの総番の中で行われます。是非とも、この総番を見ていただきたいですね。

総番と総番の間は、僧侶様が交代でたった一人で本堂で法会を務められます。このたった一人のお姿もまた別の意味で心に刻まれるものがあり、時間と体力が許すなら、総番の前後暫く拝観されることをお勧めします。

【石川重元師 海龍王寺のご住職】
10月3日の夕方、西大寺に向けてお寺を出る際、座具を持参するかどうかで迷いましてね。入用になったら西大寺さんのをお借りしようかと思いながらも、やっぱり自分のを持参しなくてはいけないという思いに駆られ、自身の座具を持参いたしましたが「こういうことやったんや」という出来事が待っておりました。

西大寺に着いて、集会の場所に入ったら、宗議会議長と宗務長が「石川はん、待っていたんや」と。何?何?といぶかしげに様子をうかがうと「管長の後、導師を勤めて欲しいのだけれど」と。「勤めて欲しいのだけれど」は「勤めなさい」であることに加え、管長の前後は参拝者の方々が多いことから「そこそこできる人」を選抜いたしますので、指名を受けたことは光栄なことでした。

「お腹が痛くなってきた」などと抵抗したものの、名札を掛けられ、「食べたら治るで」と、夕食の用意までされてしまったので、お受けさせていただくことになりました。

管長が導師を勤める、午後7時の総番の光明真言の行道には参加せず、本堂の縁側で夜風に当たりながら時間を待っておりました。
管長が修法を終えられた時分を見計らい、おもむろに登場。管長の横に「座具」を延べて、投地の三礼を行います。

管長が礼盤を降りられると、一緒に起立して横移動をし、私が礼盤の前に行きます。私の横で管長が投地三礼を行っておられるあいだ、蹲踞の姿勢で終わられるのを待ち、管長が退堂されるのを見届けて登壇いたします。

この交代の作法を大勢の方々の前で行うとともに、管長の退堂を待っている若い僧侶さん方の前で行いますから、幾分かのプレッシャーがかかります(^^;登壇すると、光明真言法の次第に則り、時間一杯の1時間半かけて、拝ませていただきました。

昨夜、参拝されていた方の中で、私の導師姿(坊さんらしい・僧正らしい姿)を初めてご覧になられた方も、おられたと思います。
その方々に申し上げたい!「オッチャンも、ちょっとはこんなこと出来るねんで」と(西大寺菩薩流の血脈は授かっています)。

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