tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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ちゃぶ屋

2008年03月19日 | グルメガイド
「フジサンケイ ビジネスアイ」紙に週1回のペースで連載されている「一期一味 超人シェフ列伝」は、いつも楽しみにしている。最終面の2/3ページを割いて、カラーで掲載される人気コーナーだ。
http://www.business-i.jp/news/chef-page/ichigo/index.nwc

シリーズの初回は道場、陳、坂井という「料理の鉄人」たちが順に紹介されていた。その後は(名前を知っていたのは神田川俊郎くらいのものだが)様々なジャンルの「超人シェフ」たちが紙面を飾った。そこには、超人と呼ばれるに至る努力やアイデア、武者修行や失敗談など、人間くさい話がたらふく紹介されていて、それだけで満腹になる。この日曜日(3/16)に登場したのは、「ちゃぶ屋」の森住康二氏だった。
http://www.business-i.jp/news/chef-page/ichigo/200803170013o.nwc

森住氏は15歳で調理師専門学校で料理の勉強を始め、16歳からホテルの食堂でシェフの見習いを開始。その後さまざまな料理店を転々としたが、自分の店を持つには至らず、一旦はサラリーマンに。しかしある時、以前まかないで作ったラーメンが仲間に好評だったことを思い出し、29歳で「柳麺ちゃぶ屋」をオープンした。当初はほとんど売れなかったが、「死ぬ気でラーメンを研究」し、厳選食材で「正油らぁ麺」を開発、2年目から客足が伸び始める。

そのこだわりは、氏の「合成カン水には、リン酸塩が含まれている。肝臓障害、カルシウムの低下などといった害があるといわれている。そんないい加減なものは入れられない」「鶏はネギを食べない。嫌いなんだよね。だから、ウチはスープの臭み消しにネギを使わない。気のせいかもしれないが、そういう気遣いがラーメンをおいしくさせる」という言葉に現れている。鶏の品種も、養鶏業者と組んで作り上げたオリジナル(滋然地鶏)だ。

なお《「ちゃぶや」というのは、料理の世界の隠語で「場末の店」を意味し、転じて「いい加減なこと」を表すそうだ。(中略) フランス料理のシェフになることを夢見ていた当時、先輩の料理人から「ちゃぶや」とからかわれた。「その時の悔しさを一生忘れないでいれば、死ぬまでラーメンを必死で作り続けられる。電話で『ちゃぶ屋です』と言うたびにそう思う」》と語る。
http://www.chabuya.com/

柳麺ちゃぶ屋(ちゃぶ屋本店)は音羽(東京都文京区)だが、そのフランチャイズ店「CHABUTON」(ちゃぶ屋流とんこつの意)は、千葉、横浜、大阪などで10か店を展開している。写真は3/1(土)にヨドバシAKIBA店で撮ったものだが、森住氏こだわりの深い丼に入った「ちゃぶ屋流 とんこつらぁ麺」(680円)は、しみじみと美味しい(左の替え玉は、クーポンで無料だった)。
http://www.chabuton.com/index.html

店内のパンフレットによると「ミシュランL.A.」(ロサンゼルス版)に、ちゃぶ屋ロス店(CHABUYA TOKYO NOODLE BAR)が登場したそうだ。「ラーメン業界にて世界初の快挙!!」とあり、森住氏の写真と「らぁ麺は世界に誇る日本料理。手抜きなんて出来るわけ無い」というセリフが紹介されていた。

「超人シェフ列伝」で、氏は「ラーメンは日本のソウルフード。郷愁の1ページにラーメンが登場する人は多い」と言うが、一杯のラーメンの裏には、そんな森住氏のサクセスストーリーが秘められていたのだ。「素材を自給自足し、屋台を引くようになったら、ラーメンを極めたといえるかも」と語る氏の今後のチャレンジに期待したい。

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