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田中利典師曰く「常に自分を奮い立たせていないと、仕事は成せない」

2023年05月09日 | 田中利典師曰く
今日は田中利典師の「山人のあるがままに」から、「随所に縁がある」(2010.5.27付)を紹介する。今回も、早出し(金峯山時報「蔵王清風」の原稿を掲載前に紹介)である。松下幸之助述『リーダーになる人に知ってほしいこと』(PHP出版刊)からの抜粋である。経典からの引用ならともかく、実業家の書物からの引用とは、師には珍しい。
※トップ写真は、吉野山に咲いていたボケの花(2023.3.28 撮影)

〈読んでいて泣きそうになった。私がここにいう、リーダーかどうかは知らない。しかし私にはいつも、大げさに言うなら、「日本をなんとかしたい」という志がある〉。利典師が金峯山寺に入られたとき、五條順教猊下(げいか)は「志の大きな僧侶になりなさい」とおっしゃったそうである。その教えを長年、忠実に守り「青雲の志」を持ち続けられたということには、頭が下がる。以下に全文を紹介する。青字は師の文章、紫は幸之助翁の言葉である。

「随所に縁がある」
今月の早出し…。金沢に行く電車の中で書きました。ご笑覧あれ。

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「随所に縁がある」
最近、凹んでいて、なかなか抜け出せないでいるのだが、久しぶりに自分を奮い立たせてくれる言葉に出会った。少々長くなるが、是非読んでもらいたい。


随所に縁がある。縁を求めていけば、全部君につらなるわけや。傍らで応援してくれる人というものは、何とでもできる。ひとりぼっちでやったらええやないか。「きょうからやろう」と思ってやっていって、3日たてば、後継者が1人できる、10日たてば2人できる。そうしていつの間にか雲霞(うんか)のごとく後継者ができてくるというようにならないといかんな。僥倖(ぎょうこう)を待っていたらあかんで。

「千里の道も一歩から」やからな。そのくらいの気持ちやないと、千里も遠いところへはなかなか行かれへんやろう。そやけど、一歩ずつ足を出していったら、ついには行けるわけや。志しさえ変えなかったら必ずできる。ちっとも心配いらんと思う。君が心配していたら、みんなが心配する。

もう自分は心配しない、自分は日本のためになるんだ、自分を応援しない人は損な人やと思わなあかんで。君が何か与えられるものがなかったらあかんわけや。今は与えるものがないとしても、将来、日本をこういうふうによくするというものがあれば、無限のものをもっていることになる。自分はたくさんのものをもっているのやということを知らせたらいい。

だから君な、ひとりだと思うなよ。日本全部自分の友だちにできるんや。もっていき方だけの問題や。あとは自分のもっていき方次第でみんな味方になる。味方にならんということはないはずや。そのくらいの信念をもってやらんとあかん。


まるで私に直接話しかけてくれているようなこの文章は、PHP出版『リーダーになる人に知ってほしいこと』(松下幸之助述)の一文である。読んでいて泣きそうになった。私がここにいう、リーダーかどうかは知らない。しかし私にはいつも、大げさに言うなら、「日本をなんとかしたい」という志がある。

「あほなことをいうて」と家人や周りの人に笑われているかもしれないけれど、実際にはなんにもできないのかもしれないけれど、志だけは失わずにいたいと、これを読んで思い直したのだった。ともかく、松下幸之助さんに笑われんよう、しっかりしていたいものである。

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まあ、いろいろ思い煩うのが人間。でも常に自分を奮い立たせてないと仕事はなせないのでしょうね。
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