11/28(日)、会社の先輩・OBが作る「京都食べ歩き同好会」に参加した。1人が欠席し、総勢9人でお邪魔した。今回の訪問先は「京料理 西陣魚新(にしじんうおしん)」だった。店名のとおり西陣にあり(上京区中筋通浄福寺西入)、有職料理(ゆうそくりょうり)の流れをくむ京料理の老舗である。なお有職料理とは、《平安時代の貴族の社交儀礼の中で発達した大饗料理が、公家風の料理形式として残ったもの》(Wikipedia)である。
※参考:前回の食べ歩き同好会「ル サルモンドール」(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/cecdeaeeabda21128e596635461b1fd4
女将の寺田博美さん
京都料理組合のHPには《安政2年から続く西陣の老舗。有職(ゆうそく)式包丁の流れを汲み、御所の大礼にお祝い料理を御用達した由緒ある料亭。敷地内には藤原定家がお茶に使ったといわれる名水井戸や、室町幕府の七松観で知られる松が残り、その長い歴史がうかがえる。庭に面した落ち着いた座敷でいただくのは、旬の京野菜と、海、山、川のものをバランスよく取り入れた会席料理》。
http://www.kyo-ryori.com/shop.php?s=68
《盛り付けや器にも趣向を凝らし、四季を映した料理の数々に心が華やぐ。会席の中に式膳の州浜台盛りを追加することもできるので、伝統的な宮廷料理の味と雅を気軽に味わいたい。お昼の有職西陣弁当も好評》とある。なお《歴史の重みを感じさせる風情のある表構え。この辺りは室町幕府のあった所で、「西陣」の地名は応仁の乱で西軍が陣を置いたことによる》。
蓋の裏をご覧いただきたい
食べ歩き同好会幹事のKさんは、いつもこのようなスゴいお店に案内してくださるので、とても有り難い。こちらのメニュー(すべて要予約)は、ランチタイムの有職西陣弁当が4,226円、今出川御膳が6,037円。京料理は9,660円から、有職京料理は36,225円(いずれも税・サービス料込み)。今回はランチタイムだったが、1万円の京料理をいただいた。それがご覧の写真である。「京の持ち味、浪速の喰い味」というが、素材の持ち味を大切にする薄口のお料理が美味しいのはもちろんだが、器や盛りつけが工夫されているので、目でも楽しめる。
トップ写真の焼杉の薄板を外すと、サワラの西京焼が出てきた
さりげなく廊下にかけられた掛け軸は、大女将と遠縁にあたる与謝野鉄幹・晶子夫妻から贈られた夫婦軸だった。中広間の書「福星開寿域」(ふくせいじゅいきをひらく=幸福を司る星が照らす区域には幸せが訪れる)は富岡鉄斎、私たちが食事をいただいた部屋の書「静観自得」は河野一郎が、それぞれ同店のために書いたものだった。2階ロビーでは、宮中の儀式で用いた器や、下賜された記念品などが展示されていた。
なんと!スッポンの小鍋が出てきた。さすが京都である
『あまから手帖 京都うまい店100選』(00年10月発行の旧版)に、お店の紹介と、七代目ご当主・寺田茂一さんへのインタビューが出ていた。寺田さんは、京都府の「現代の名工」に選ばれている(京都府優秀技能者表彰受賞者)。タイトルは《有職司が伝える、歴史と伝統に培われた京料理の真髄》だ。《「京料理は日本料理の頂点。長い歴史が培ってきた伝統があるからです。その伝統をしっかり守ることが、京料理の基本では」と、寺田さん》。
http://www.kyoto-shokuwaza.jp/meikou_gendai/detail.php?meikou_id=123
《もともと京料理は、宮廷料理から茶事・懐石料理、精進料理へと変形したもので、素材の1つをとっても、謂れや由来があるもの。その1つひとつを研究し、後進へと伝えていくことがご自身の使命だとおっしゃるお顔は、年齢を聞いて驚くほどの若々しさ。坪庭や雰囲気だけでない、歴史に裏打ちされた同店の料理の数々は、価格以上の価値があると、もっぱらの評判だ》。
奈良だと柿の葉寿司だが、こちらは身の厚い鯖寿司
《「料理作りは経験によるもの。素材選び1つとっても、20年も、30年もかかって蓄積していくものです。今は老舗とか、看板とか関係なく、料理人とのつながりでお客さまがいらっしゃる時代。『おいしかった』と言っていただけるように、お客さまお1人おひとりに合ったお料理をお出ししなければ」という謙虚なお言葉も、料理歴50年以上という大御所から発せられると、重みが感じられる。料理は歴史そのものであることを、目で、舌で、実感させられる老舗である》。
こんな立派なお店なのに、ホームページをお持ちでないので、ここで詳しく紹介させていただいた。料理も器も設(しつら)いも素晴らしいが、楚々とした女将さんのおもてなしが、最も印象に残った。ぜひいちど足をお運びいただき、「歴史と伝統に培われた京料理の真髄」を味わっていただきたい。
幹事のKさん、素晴らしいお店にお連れいただき、有難うございました。
※京都市上京区中筋通浄福寺西入中宮町300 TEL 075-441-0753 FAX 075-441-2838
阪急線四条大宮駅から車10分、京阪線出町柳駅から車10分、JR京都駅から車25分
(地下鉄今出川駅から歩いても、2kmほどだった)
最寄りのバス停は今出川浄福寺または千本今出川
今出川通り沿いにある西陣郵便局の裏である
営業時間 11:30~14:00(入店) 17:00~19:30(入店)
無休(12/24~1/4は休み)
http://r.gnavi.co.jp/k000100/
※参考:前回の食べ歩き同好会「ル サルモンドール」(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/cecdeaeeabda21128e596635461b1fd4
女将の寺田博美さん
京都料理組合のHPには《安政2年から続く西陣の老舗。有職(ゆうそく)式包丁の流れを汲み、御所の大礼にお祝い料理を御用達した由緒ある料亭。敷地内には藤原定家がお茶に使ったといわれる名水井戸や、室町幕府の七松観で知られる松が残り、その長い歴史がうかがえる。庭に面した落ち着いた座敷でいただくのは、旬の京野菜と、海、山、川のものをバランスよく取り入れた会席料理》。
http://www.kyo-ryori.com/shop.php?s=68
《盛り付けや器にも趣向を凝らし、四季を映した料理の数々に心が華やぐ。会席の中に式膳の州浜台盛りを追加することもできるので、伝統的な宮廷料理の味と雅を気軽に味わいたい。お昼の有職西陣弁当も好評》とある。なお《歴史の重みを感じさせる風情のある表構え。この辺りは室町幕府のあった所で、「西陣」の地名は応仁の乱で西軍が陣を置いたことによる》。
蓋の裏をご覧いただきたい
食べ歩き同好会幹事のKさんは、いつもこのようなスゴいお店に案内してくださるので、とても有り難い。こちらのメニュー(すべて要予約)は、ランチタイムの有職西陣弁当が4,226円、今出川御膳が6,037円。京料理は9,660円から、有職京料理は36,225円(いずれも税・サービス料込み)。今回はランチタイムだったが、1万円の京料理をいただいた。それがご覧の写真である。「京の持ち味、浪速の喰い味」というが、素材の持ち味を大切にする薄口のお料理が美味しいのはもちろんだが、器や盛りつけが工夫されているので、目でも楽しめる。
トップ写真の焼杉の薄板を外すと、サワラの西京焼が出てきた
さりげなく廊下にかけられた掛け軸は、大女将と遠縁にあたる与謝野鉄幹・晶子夫妻から贈られた夫婦軸だった。中広間の書「福星開寿域」(ふくせいじゅいきをひらく=幸福を司る星が照らす区域には幸せが訪れる)は富岡鉄斎、私たちが食事をいただいた部屋の書「静観自得」は河野一郎が、それぞれ同店のために書いたものだった。2階ロビーでは、宮中の儀式で用いた器や、下賜された記念品などが展示されていた。
なんと!スッポンの小鍋が出てきた。さすが京都である
『あまから手帖 京都うまい店100選』(00年10月発行の旧版)に、お店の紹介と、七代目ご当主・寺田茂一さんへのインタビューが出ていた。寺田さんは、京都府の「現代の名工」に選ばれている(京都府優秀技能者表彰受賞者)。タイトルは《有職司が伝える、歴史と伝統に培われた京料理の真髄》だ。《「京料理は日本料理の頂点。長い歴史が培ってきた伝統があるからです。その伝統をしっかり守ることが、京料理の基本では」と、寺田さん》。
http://www.kyoto-shokuwaza.jp/meikou_gendai/detail.php?meikou_id=123
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《もともと京料理は、宮廷料理から茶事・懐石料理、精進料理へと変形したもので、素材の1つをとっても、謂れや由来があるもの。その1つひとつを研究し、後進へと伝えていくことがご自身の使命だとおっしゃるお顔は、年齢を聞いて驚くほどの若々しさ。坪庭や雰囲気だけでない、歴史に裏打ちされた同店の料理の数々は、価格以上の価値があると、もっぱらの評判だ》。
奈良だと柿の葉寿司だが、こちらは身の厚い鯖寿司
《「料理作りは経験によるもの。素材選び1つとっても、20年も、30年もかかって蓄積していくものです。今は老舗とか、看板とか関係なく、料理人とのつながりでお客さまがいらっしゃる時代。『おいしかった』と言っていただけるように、お客さまお1人おひとりに合ったお料理をお出ししなければ」という謙虚なお言葉も、料理歴50年以上という大御所から発せられると、重みが感じられる。料理は歴史そのものであることを、目で、舌で、実感させられる老舗である》。
こんな立派なお店なのに、ホームページをお持ちでないので、ここで詳しく紹介させていただいた。料理も器も設(しつら)いも素晴らしいが、楚々とした女将さんのおもてなしが、最も印象に残った。ぜひいちど足をお運びいただき、「歴史と伝統に培われた京料理の真髄」を味わっていただきたい。
幹事のKさん、素晴らしいお店にお連れいただき、有難うございました。
※京都市上京区中筋通浄福寺西入中宮町300 TEL 075-441-0753 FAX 075-441-2838
阪急線四条大宮駅から車10分、京阪線出町柳駅から車10分、JR京都駅から車25分
(地下鉄今出川駅から歩いても、2kmほどだった)
最寄りのバス停は今出川浄福寺または千本今出川
今出川通り沿いにある西陣郵便局の裏である
営業時間 11:30~14:00(入店) 17:00~19:30(入店)
無休(12/24~1/4は休み)
http://r.gnavi.co.jp/k000100/