テスラ研究家・新戸雅章の静かなる熱狂の日々

エジソンも好きなテスラ研究家がいろいろ勝手に語っています。

彼女が電気女なら、わたしは電気男?

2007-02-03 20:49:02 | Weblog
 本日午後7時放送の「世界びっくり人間SP」(TBS)というテレビ番組に、「電気女」というパフォーマーが出ていた。
 この電気女。75万ボルトの電気を体内に流して、指先から放電し、ろうそくに火をつけたり、魚を焼いたりする。その驚愕のパフォーマンスにスタジオは騒然……というわけだが、2ちゃんねるの実況板をのぞいたら、案の定インチキだとか、CGだという声があがっていた。

 専門家ならおわかりと思うが、これはインチキでもCGでもない。スタジオでは、高電圧の電流を体内に通しても平気なのは、彼女が特異体質だからと説明していた。これもちがう。
 テスラコイルという高周波高電圧発生装置を使って、うまく条件を整えれば、特異体質者でなくとも可能なパフォーマンスなのである。(装置製作や操作の腕、演出、多少の勇気などは必要だが)。実際、番組でも最初にテスラコイルが映し出されていた。

 わたしも数年前にテスラコイルで発生させた50万ボルトの電流を通して、蛍光灯を点灯したことがある。そのときも別に痛くもかゆくもなかった。彼女が電気女なら、わたしはさしずめ電気男ということになる。(まっ、冬場の静電気男ではあるけどね)
 50万ボルトや75万ボルトの電圧でも安全な理由は、電気の危険性は電圧より電流の役割が大きいこと。高周波の電流を体内に通す場合には、表皮効果が働いて、電流がからだの表面を伝わるということで説明できる。

 とまあ、タネあかしをしてしまうとしらけるが、パフォーマンス自体はよくねられたもので、アメリカ・ショービジネスの奥行きを感じさせるものだった。テスラコイルのパフォーマーといえば、日本では友人の薬試寺美津秀さんがいる。今夜の番組は薬試寺さんのパフォーマンスにも参考になるのではないだろうか。
 薬試寺さん、番組見ていたかな。

 テスラコイルとその発明者ニコラ・テスラについてのお話はこちらから⇒発明超人ニコラ・テスラ