寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第2427話) 読み語り

2017年04月10日 | 活動

 “万が一の時にはよろしく頼む、と手術入院の前日、部屋に書類を並べた。連絡をする人の名前と用件を記し、渡す品物も用意した。その中に、分厚いファイルがある。2001年4月から始めた小学校の図書ボランティアの記録だ。
 いろんな歴史をへて、いまは月1回、昼休みに1年から6年までのクラスに入り、15分絵本を読む。年3回の読書週間には、全学年のクラスごとに図書室で45分読み語りをする。学校の担当が代わっても今日まで続けてきた。幸い、図書ボランティアの数も何とか確保できている。
 私はその絵本の選書を引き受けている。65歳から始めていつの間にか80歳を過ぎた。そろそろ後任に手渡していく時だ。これまでのプログラムと、絵本別の実践記録。この二つがそろっていれば残ったメンバーで続けられる。そう思って急いで完成させた。それを見て、我ながらよくやってきたなあと思った。
 学校以外でも別のメンバーと読み語りの活動をしている。高齢者の施設に行くこともある。入所者の年齢と近い私。でももう少しボランティアをする側でいたい。負けてたまるか。術後の一歩に思いを込めた。”(3月21日付け朝日新聞)

 東京都足立区の内藤さん(80)の投稿文です。読み語りを65歳から始め、80歳になった今も続けている、本当に世の中感心する人は多い。そして病気入院を機会に後のことまで考える。自分が動けなくなったとき、後の人が困らないように対処する。
 世の中、趣味の会やボランティアの団体は多い。しかし引き継ぎがうまく行かないのである。創設時は意欲のある人によって成り立っている。代表もそうであるし、支える人も意欲がある。そして年月がたちその人達が十分に活動できなくなったとき、うまく引き継がれるか。後継者が育っているか、これが難しい。多くの会で苦労されているのではなかろうか。さてボクの一宮友歩会はどうなのだろう。今、会の企画運営はボクに8割方かかっている。ボクはまだまだ大丈夫だと思っているが、それでも70歳を超えた。数年前から意識をし始め、若い役員をだいぶ増やした。ボクの代で終わってもいいが、誰もそう思っていないと思う。ここまで評価されるような会をうまく引き継ぎをし、1年でも長く存続する会にするのもボクの役割の気がしている。



コメントを投稿