寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第2930話) 1年4組の逆上がり

2020年03月18日 | 出来事

 “逆上がりがクラス全員できるようになりました。小学校入学後間もなく練習を始め、最後の子は冬休みにできました。一年生のクラス全員というのはなかなかありません。なぜできたのか考えてみました。まず、一人一人が努力したことです。少しの努力でできた子もいれば、何カ月も練習した子もいますが、とにかく、皆諦めずにできるまで頑張りました。
 この「頑張ったからできた」という経験は、子どもにはとても大切です。人生は頑張れば何でもできるというような単純なものではありません。でも、小さいうちは「頑張れ頑張れ」と励ましたいと思っています。もう一つは、できた子ができない子を応援したことです。子どもたち同士でよく一緒に練習したり、教えあったりしていました。体育の時間に、誰かが初めて逆上がりができると、「わあ、○○ちゃん、できた」と、見ている子たちからいつも、歓声が上がりました。
 こういう友達の優しさに支えられて、最後の一人まで頑張ることができたのは、間違いありません。みんな、本当によく頑張ったね。これからも逆上がりのように、いろいろなことにチャレンジして、大きく成長していってほしいと思います。”(2月23日付け中日新聞)

 三重県川越市の小学校教諭・藤井さん(女・56)の投稿文です。子どもたち同士で一緒に練習したり、教えあったりして、クラス全員が逆上がりができるようになったという話、これもまたいい話です。この体験は一生の思い出になり、何かの時にきっと役立つと思います。協力し合う、誰が助けてくれる、崩れそうになったとき、この思い出は生きてきます。特に小さいときの体験は心に残ります。藤井さんの努力、気遣いも大きかったと思います。
 今の時代、何事も個が中心になりがちです。そして、競争、競争です。こういう協力し合うと言う体験が少ないのではないでしょうか。昔のことをよかったとは言いませんが、少なくとも今よりは競争、競争とは言わなかったし、生活は貧しくても気持ちに余裕があった気がします。


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