寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第2467話)シンデレラ?は

2017年07月01日 | 出来事

 “ある日、家に帰ろうと夫婦でJRの電車に乗り、駅におりたときのことである。ドドドドーと、ものすごい勢いでホームの階段を駆けあがってきた若い女性がいた。なんとか彼女は電車に乗れたのだが、ふと見ると、黒いハイヒールの片方がホームの上にコロリンと転がっていた。シンデレラのガラスの靴ではないけれど。
 夫はとっさに目の前のヒールをつかみ、しまりかけた電車のドアの30センチくらいしかないすき間から、ポーンと靴を投げ込んだ。と、ハイヒールは見事に電車の床に着地した。ああ、夫はなんて器用(貧乏)な男。お嬢さん、駆け込み乗車はあかんよぉ。気ぃつけて行きやぁ。私は心のなかで叫んでいた。
 ほかの乗客の目もあり、彼女はさぞ恥ずかしかったことだろう。彼女は車内で泣き笑いみたいな表情を浮かべて、何度も何度も私たちのほうに向かって頭を下げていた。いつもおもしろいことを言う夫だが、靴がうまく入ってよかったとほっとした様子で無言。動き始めた電車に私も手を振った。”(6月15日付け朝日新聞)

 大阪市の主婦・吉田さん(69)の投稿文です。電車に「駆け込まないで下さい」と放送でいつも呼びかけられているのであるが、駆け込む人は度々である。本数が少なければ気持ちも解るが、でも危険なので止めねばならぬことである。このお嬢さんのようなことも生じるのである。吉田さんのご主人は見事な対応であったが、なかなかそうはいかない。片足のないハイヒールでどこまで行くのであろうか。その恥ずかしさを思ったら、もう2度してならぬことである。シンデレラは落としたハイヒールによって幸運が舞い込むが、そんなことは現実社会ではまずあることではない。
 女の人は大変だと思う。ハイヒールでなくても、歩くのに不適な履き物を履いている人が多い。あれで速く歩いたり、階段の上り下りは全く気を使うだろう。失敗も生じるというものだ。もう少し歩きやすいもので歩いたらと思うのは、男の余分な意見であろうか。服装についてもしかりである。


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