寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第2657話) 美容院の絆

2018年08月12日 | 出来事

 “美容院でパーマをかけていたら、他のお客さんから予約の電話がかかってきここ。美容師は「○○時にお迎えに伺います」と言って電話を終え、私のところに戻ってきた。「送迎もしているのですか」と聞くと、「開業したときから長年来てくれるお客さまが高齢となり、車で来られず困っているので少しお手伝いができればと思って」と。
 地域住民とのコミュニケーションを図るための素晴らしいサービスだと思った。人と人との絆を考えてのことだそうで、私はとても感動した。「タクシーを呼べばいい」と思う人もいるだろうが、高齢者をいくつになっても喜ばせてくれる美容師だけに、家庭的な雰囲気の店をいつまでも続けてくれることを願うばかりだ。”(7月24日付け中日新聞)

 滋賀県守山市の主婦・西出さん(69)の投稿文です。高齢で来られなくなった常連客を車で迎えに行く、これが地域に根付いた店であろう。昔は多かれ少なかれ、店は地域に溶け込んでいた。個人自営業が成り立っていくには全く難しい時代になった。そんな店は閉じられ、大型店やチェーン店ばかりになっていく。やむを得ない流れだろうが、しかしそれらがいけないのは地域に溶け込む意思がない事である。ボクの家の回りは田畑だっただけに、今はその田畑に工場や店が建つ。静かな環境が騒々しくなっただけでなく、他の環境も悪くなっている。今年5月からボクの家の目の前にコンビニができた。自分の敷地内はきれいにするが、目の前の道路は汚れたままである。近くの工場も同じである。地元の人は自分の敷地の前の側溝はきれいにしているが、その工場の前だけは草ぼうぼうである。気にならないのだろうか。
 そう言った点、地域に根付いた店はいい。西出さんのこの話のように、いろいろな気遣いがある。妻は半アルバイト的に開いている美容院に長いことお世話になっている。妻の帰ってきて話すことを聞いていると、まさにサロンである。いろいろな情報を仕入れてくる。これが嫌な人もあろうが、地域の絆を深めていることは確かである。


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