“名古屋市の職場からの帰途、大慌てで電車に乗った2月末のことだ。車内は満員。立っている私の前の席に座る40代ぐらいの女性が「コートのボタンが転がりました」と。なるほど黒いコートの首元の赤いボタンがない。ボタンのことを考えながら十数分揺られた。この女性の向かいの席が空き、私は腰かけた。左隣の20代らしき女性が私たちの会話を聞いていて「ボタン、あっちに転がりましたよ」と教えてくれた。その方角で目を凝らしても見当たらず、「もう少し先まで乗るので、また捜します」と返した。さらに左隣の30代ほどの女性がついにボタンを見つけてくれた。
若い親切な女性3人に何度も礼を言って私は降車した。季節は変わったが、感謝の念は増すばかりだ。”(4月5日付け中日新聞)
愛知県常滑市の社会福祉士・新渡戸さん(女・68)の投稿文です。こう言うと失礼かもしれないが、何か笑い話のような、漫画のような話に聞こえる。満員電車の中でボタン一つのことで、女性3人が関わった。いや、もっと多くの人が気にしていたろう。この光景を見た人は、その日1日いろいろなところで話題にしたのではなかろうか。たわいもない話だけに話題にしやすい。新渡戸さんには申し訳ないが、皆さんに潤いを与えた気がする。こうした出来事は日々いくらもあろう。受け止め方だけである。物事は好意的に受け取りたいものである。
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