吐露と旅する

きっと明日はいい天気♪

なんちゃらをもう一度

2016-01-11 20:01:05 | 日記
昨日、いまひとつ納得が行かなかった「なんちゃら」を、今朝は配合を変えてもう一度作ってみました。

焼く前の生地の状態といい、食べたときの食感といい、昨日よりいい感じの仕上がりです。

昨日は韮の入っていない韮饅頭みたいだったけど、今日はもちもちしたパンケーキみたい。
でも、こちらは私の好きなイーストの香りがするので、私はこっちの方が好きかな。

この料理の名前も、材料の正確な分量も、相変わらず分かりませんが
(わざわざ調べる気もない)

中力粉 200g
お塩 小さじ 1/2杯
お砂糖 大さじ 3杯
ドライイースト 小さじ2杯
大さじ1/2杯
温めた牛乳 300g

これを混ぜて、ラップなどで蓋をして、40分ほど発酵させて焼くだけ。
なにか具材を混ぜても美味しそうなので、気が向いたらそのうちやるかもしれない。


去年の秋に読んだ本の中で、小津安二郎と笠智衆と原節子を取り上げたものがあり
なんだか妙にそそられて、週に2~3本の小津安二郎作品
又は、原節子の出演している映画のDVDを借りてきて観ていますが

女優さんたちの美しさと品のよさ、綺麗な言葉遣いに毎回うっとりしています。
今の女優さんたちは、ビークを過ぎるとバナナのようなスピードで劣化してしまう方々が多いような気がしますが
昔の女優さんたちは、熟してもなお美しい。
故原節子さんは早くに引退されてしまいましたが
有馬稲子さん、久我美子さん、岸恵子さんなどは、いまでも美しさと品のよさは健在です。

女優さんたちの素晴らしさもさることながら、映画のなかに出てくる、日常の風景がたまらない。

お台所に普通にお釜やおひつがあったり、お買い物には買い物かごを肘からぶら下げていたり
お父さんがお仕事から帰って背広を脱ぐと、白いステテコをはいていたり
お父さんのルームウェアは基本浴衣だったり。

私が生まれる以前の年代の映画なのですが、不思議と懐かしく、温かな気持ちになるのです。

内容は、今の時代には全くそぐわないものが多く
年頃の娘に、親や会社の上司がよってたかって
「結婚しないの?」
「誰かいい人はいないの?」
と、日常の挨拶のように繰り返し、
「私は結婚なんてしないの
今のままでいいの」
と、きっぱり言い切っているにも関わらず
それでも、周りはしつこく「ケッコン」「ケッコン」と言い続け
あろうことか、「適当に」まとめてしまう作品もいくつかあったりします。

実際、この頃の時代というのは、そういうものだったのでしょう。

セクハラというか、モラハラというか、年頃の女性たちの受難の時代です。

気の毒に。

小津安二郎の映画ではないのですが、原節子主演の『新しき土』という映画が
当時の、「女は結婚すべき」という、恐るべき呪縛に洗脳された女性の例として
たいへん興味深いものがあります。

親が決めた婚約者の輝雄が留学先のから帰ってくることになり
いよいよ結婚だわ~♪と、ウキウキしていた若い娘、光子(原節子)
しかし、輝雄は、若く美しいドイツ人の女性を連れて、光子の前に現れ
許嫁のような古い慣習を否定し、婚約を解消しようと言い出します。

ここまでは、まあ、輝雄さんてひどい方!で、済むところなのですが
ここからが、スゴい。

結婚出来ないなら死んでやる!
と、光子は婚礼のために用意した婚礼衣装を風呂敷に包み
ぐつぐつ煮え立つ浅間山に、着物と草履という、有り得ない軽装で登り始めるのです。
熱々に焼けた岩、所々に立ち上る煙、多分辺りには硫黄の匂いが立ち込めているはず。

あんた、いくらなんでもそんな無茶な...。

そして、光子の行動に気付き、後を追って浅間山に向かう輝雄。
車で後を追うも、途中でパンクしたため、後は自力。
しかし、光子が着物と草履でさくさくと山を登ったというのに
輝雄は、あちち、あちちと、足をぴょこぴょこ、手をふりふり
えらい苦労をして山を登ります。
登山ルートが違うとか、そういう問題ではありません。
最終的な目的他は山頂ですし。

製作者の中で、誰か、1人でも
「あの、ちょっとおかしいのではねーでしょうか」
と、いう人はいなかったのか。

今の時代なら、誰もが「ヘン!」思う筈ですが
なにせ、情報量の少ない時代の、しかも娯楽映画の超クライマックス。

こうして、力技で物語はラストへと進みます。

吐露を見て、「『新しき土』を借りてみよう!」なんて思う人はいないだろうと思うので、書いてしまいますが

最終的に、ギリギリのところで輝雄は光子に追い付き、今まさに噴火口に飛び込もうとする光子を引き留め
(そんな簡単に噴火口に近付けるんかい!)
更に、まさかのお姫様抱っこで、山頂から下山するのです!!
物凄い非常識な危険きわまりない行為であるはずなのに、何故か画面から漂うハッピーエンド感。

なにこれ。

さっきまでの、あちち、あちちはどうした、輝雄!?

こうして二人はめでたく夫婦となり、子供にも恵まれて、幸せに暮らしましたとさ。

と、いう内容。

なんか、スッキリしないわー。

ちなみに、光子を演じたとき、原節子は16才だったそうです。