俺様の週末

昨日、ミロンガへ行く前に、札幌駅でお買い物をしようと思い
予定より早めに家を出て、電車に乗りました。

車内は空いていたので、私は２人掛けの席の窓側へ座り
ほんの数分で寝落ちしてしまいました。
駅で電車が停まり、乗り込んできた女性が私の隣に座って降りて
その次に大柄な男性が座ったことに気付いていても
ゆ～ら、ゆ～ら、こっくり、こっくり。

「次は札幌駅ですよ
　降りるんじゃないですか？」

隣に座っている男性の声で、私は目を覚ましました。
気が付くと、電車は札幌駅のひとつ手前の駅を発車したばかり。
男性が声を掛けてくれなければ、うっかり寝過ごしたかもしれません。
隣を見ると、男性は私の方を見ず、顔を真っ直ぐ前にむけていました。
もしかして、私を起こしたわけではなかったのかも？
一瞬そう思いましたが、私たちの傍に、他に人は見当たりません。
「ありがとうございます」
私は、男性の横顔にお礼を言いましたが、なんだか妙な感じでした。
何故男性は、私が札幌駅で降りると思ったのでしょうか。
そんな私の疑問が、顔に出たらしい。
「その服装じゃ、降りるのは札幌駅かなと思って」
「なるほど、そうでしたか」

その服装とは。
ミロンガに出るために着た、紫のドレス。
競馬場で、ワンカップ片手に競馬新聞を睨んでいそうな人なのに
なかなか観察力が優れていらっしゃる。
いや、むしろ、そういう人だから観察力が優れているのかも。

よく覚えていないけれど、何故かそこから、ほんの少しの間
最近の、町外れの駅の様子について語ってしまいました。
昔はさびれていたけど、いまはすっかり開けたねーとか。
札幌駅に到着すると、まるで私たちは前からの知り合いのように
「それじゃ！」
と、言って、別れました。

なんだか面白いね。

札幌駅で電車を降りてから、アロマオイルの専門店に行って
色んなアロマオイルを選んだり匂ったりすること十数分。
いまいち、しっくりくる香りに出会えなかった。
いい匂いだと思う香りはあるんだけれど
「コレだ！」と、思えるものがないのです。
ま、そういうときもあるわね。
専門書を手に、一生懸命付き合ってくれた店員さん、ごめんなさい。
その後、うっかりアクセサリーショップに立ち寄ってしまい
さらにうっかり、こんなものを…。


すごいね、指輪はともかく、こんな可愛くないカエルのピアス。
それを衝動買いする私も私なんだけど。

その後、ミロンガで踊ったり笑ったり喋ったりして
あっという間に時間が過ぎて、ミロンガが終了しました。

楽しかった。
けど、お腹が空いた。
踊ったり笑ったり喋ったりするって、お腹が空くのよ。
と、言う訳で、クリリン店長のお店へ吸い込まれる私。
でも、今日は、おむすびなのよ。
あんまり周りの人に「そば塩おむすび」を勧めてしまい
どんなおむすびかを、かなり具体的に説明してしまったために
おのれの身体が、そば塩おむすびを欲してしまったのです。
アホだわ、自分。
いや、でもお蕎麦も食べたいし。
長芋の天ぷら（味噌添え）も捨て難い。
しかし、いくらいっぱい身体を動かしてきたとしても
そば塩おむすびと、長芋の天ぷらと、お蕎麦を一気に食べちゃダメでしょう。
うーん、うーんと悩む私が気になったらしい、クリリン店長が
「決まりましたか？」
と、声を掛けてくださいました。
「あのね」
他のお客様の手前、私は出来るだけ声を小さくして尋ねました。
「お蕎麦屋さんで、お蕎麦を食べない客ってダメかな」
クリリン店長さんは、ほんの一瞬の「え？」という表情をしましたが
「いや、大丈夫ですよ」
と、言ってくださいました。
「じゃあ、そば塩おむすびと長芋の天ぷら
　本当は、お蕎麦も食べたいけど、最近太ったから今日は我慢するわ」

そもそも、太ったんなら夜食を我慢しろって話なんですけどね。
それも、天ぷら。
だけど、長芋の天ぷらに、そば味噌ですよ？
食べたくもなるでしょう。

暫くして、黒服の店員さんが、お料理を運んできました。
「店長が、もっと太るようにって、少し多めになっています」
はい、どーん！

気のせいか、おむすびもやや大きい気が…。
完食しましたよ、もちろん。
食べ切れる自分がイヤだわ。
しかし、このそば塩おむすびは罪だわ。