天使幼稚園

カトリックの精神に基づいて未来を生きる子どもたちを育てます

<園長だより「風」冬休み号>「てぶくろ」と「おおきなかぶ」

2023年12月19日 08時00分00秒 | 園長だより
 2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻しました。また、今年の10月7日にはハマスがイスラエルを襲撃し、その後イスラエルがガザ地区への攻撃を仕掛けました。今、東欧や中東で起きている戦争によって、大勢の方が犠牲になり、住んでいる人々は日々の生活にも窮する状況になっています。イエスさまがお生まれになった地ベツレヘムがある中東の教会では、今年はクリスマスの祝賀を取りやめ、平和を願う祈りの式のみを行うところがあるそうです。

 天使幼稚園の今年のクリスマス会。年中・年少の音楽劇は、ウクライナの民話「てぶくろ」と、ロシアの民話「おおきなかぶ」でした。この二つの音楽劇の選考。初めから意図したものではなく、それぞれの担当の先生が選んで提案したところ、偶然、戦争をしている二つの国のお話になっていました。何か神さまからのメッセージが込められているような気がします。

 おじいさんが落とした片方の手袋。それを見つけたくいしんぼうねずみが、その中で暮らし始めました。そこへ、ぴょんぴょんがえるや、はやあしうさぎ、おしゃれぎつね、はいいろおおかみ、きばもちいのしし達がやってきて仲間に入り。最後はのっそりくまがやってきて「ぼくも入れて」。手袋は、今にもはじけそうになるけれど、♪あったかいね きもちいいね ここがすき きみがすき いっしょが だいすき♪(てぶくろ:劇中歌)譲り合い、援け合って楽しく過ごす様子が描かれています。

 大きく大きく育ったおじいさんが植えたかぶ。おじいさんが抜こうとしても抜けません。そこでおばあさんを呼んできて一緒にかぶを抜こうとしますが、かぶは抜けません。おばあさんは孫を呼び、孫は犬を呼び、犬は猫を呼んできますが、それでもかぶは抜けません。最後に猫がねずみを呼んできて「うんとこしょ、どっこいしょ。」すると、やっとかぶを抜くことができました。みんなで力を合わせて一つの目標に向かって進むことや、小さなねずみが手伝った時にかぶが抜けたことを通して、みんなと一緒に力を合わせることで大きなことを成し遂げられることを表しています。

 この二つのお話に共通した「共に生きる」という心を忘れたところに、いさかいや戦いが生まれてしまいます。

 2000年前、神さまは独り子イエスさまを、私たちに贈ってくださいました。

「わたしたちが神を愛したのではなく、神がわたしたちを愛して、わたしたちの罪を償ういけにえとして、御子をお遣わしになりました。ここに愛があります。(ヨハネの手紙一 4章10)

神さまを裏切り続けた人間だけれど、神さまは常に人間を愛してくださっているという、神さまからのメッセージが込められています。

 そのイエスさまは

「あなたがたに新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。」(ヨハネによる福音書 13:34)

と、神さまが私たちを愛し大切にしたように、わたしたちもお互いに大切にし合いなさいと教えられました。

 もうすぐクリスマス。世界の平和を願いつつ、神さまが私たちに贈りものをしてくださったように、わたしたちも身近な人や世界に住む人々に、自分に出来る贈り物をする。そんなクリスマスを送ることができると良いですね。 
             (園長 鬼木 昌之)


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