天使幼稚園

カトリックの精神に基づいて未来を生きる子どもたちを育てます

<園長だより「風」4月号>自ら伸びる力を育む

2024年04月08日 08時00分00秒 | 園長だより
 コロナによる制約がなくなって初めて迎える新年度のスタート。テレビのニュースでは、新入社員が一堂に会した入社式や、大勢が集まって会食をするお花見の様子が伝えられていました。天使幼稚園でも、年間行事や諸活動の計画をコロナの心配をせずに立てることができるようになりました。ただ、コロナ対策が必要な期間中、今まで通りにできないことが増えたことは不自由であったものの、それぞれの行事や活動のねらいを振り返り、何のためにしているのか、そのねらいを達成するためにはどうするかを考える良いきっかけともなりました。

 コロナの感染者が多かった一昨年度は、子どもの内面に目を向け「発見する喜び・成長する喜び」という目標を掲げ、5類に移行されることが決まった昨年度は、それまで十分にできなかった子どもたちの交わりを深めるために「援け合い・学び合い」という目標を立てて園生活に取り組んできました。新年度を迎えるにあたり、その成果を確認するため、職員でこれまでのあゆみの振り返ってみました。

 クラスで一緒に野菜や花を育て、水やりをしたりその成長を見守ったりする中、自然に目を向ける子どもたちが増えてきました。その子どもたちの興味関心をさらに高めることができるよう、園内の樹木や花に名前を記すことにも取り組んでいます。野菜が苦手な子どもが自分で育てたミニトマトをかじってみる姿も見られました。カマキリを飼ったクラスでは、カマキリが生きていくために、小さな生きている虫が食べられて死んでしまい、カマキリの体の一部になることを通して、食の意味や生命の尊さなどを学んでいました。また、砂遊びのルールを見直し、砂を運び出したり水を使ったりすることができるようにした結果、泥だんごを作って遊んだり、砂や草花を使ってお店屋さんごっこをしたりと、遊びの範囲が広がり、さらに水道から水を運ぶ人、砂を掘る人など、役割を分担しながら援け合う姿も多く見られるようになりました。

 年長さんを中心に、話し合いの場も多く設けました。5月のこいのぼりの共同制作の頃は、まだまだ先生のリードが必要だったものの、3学期のお店屋さんごっこの商品作りの話し合いでは、一緒に作る年少さんのことを考え「これならできる」「これは難しい?」と小さい人への配慮もできるようになっていきました。初めのころ自分の意見を押し通しがちだった子が、周りの意見を聞いてまとめ役ができるようになるといった成長もみられました。

 さらに音楽教室や絵の具遊び、ハロウィンパーティーを取り入れたり、モンテッソーリのおしごとの提供を増やしたりと、子どもたちが多様な活動の中で、それぞれの持っている力を伸ばすことができるようにしてきました。

 こうして子どもたちの主体性を育んできた2年間のあゆみをベースに、今年は「自ら伸びる力を育む」ことを目標に掲げました。

 モンテッソーリ教育の基本は「子どもには自己教育力がある」という考え方です。子どもたちは、周りの環境に刺激を受け、いろいろなことができるようになっていきます。言葉にしても日々生活をする中で「どこでその言葉を覚えたの?」と周りの大人がびっくりするということもよく体験するものです。ただ、子どもが自由気ままに過ごしていても、自ら伸びることにつながるということではありません。そのために必要なことが、周りの環境を整えることです。子どもたちが、変化が激しい未来を生きるために必要な力は何か、そしてその力を養うためにどのような環境で過ごすことが好ましいのか、それを見極め準備するのが周りにいる大人に与えられた課題なのです。

 この1年間、子どもたちに必要な力を伸ばすための環境作りを工夫して行事や活動に取り組み、一人ひとりの伸びる力を養っていきたいと思います。そのためには、保護者の皆様方のご協力も欠かすことができません。保護者の皆様と幼稚園とが一緒になって子どもたちの成長を育むことができるよう、今年度もどうぞよろしくお願いしたします。
          (園長 鬼木 昌之)
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