今年開かれる予定の東京2020オリンピック・パラリンピックの招致アンバサダーを勤めた小谷実可子さん。小学生の時「シンクロナイズドスイミング(現在のアーティスティックスイミング)をしませんか」と誘われ「わたしは、何かに集中した時、長く息を止めるくせがある、一人で遊ぶ時マンホールのふたの周りをぐるぐる回って目が回ったところで寝転んでぐるぐる回る空を見るのが好き。なぜか逆立ちをするのが好き。歌手にあこがれていたから歌が好き。これってシンクロに向いているなあ。」と思ってシンクロを始めたそうです。その後、厳しい練習を重ね、1988年に開かれたソウルオリンピックのシンクロのソロとデュエットで、2個の銅メダルを獲得しました。
将棋界で活躍している高校2年生の藤井聡太さんは、14歳2か月で四段に昇進してプロ入りを決め、デビューから29連勝して話題を集めました。藤井さんは5歳の時、おばあさんと一緒に将棋を始め、やがておじいさんにも勝てるようになり、どんどん楽しくなって将棋教室に通い始めたそうです。その後、小学校6年生で出場したプロ棋士も参加する「詰将棋解答選手権チャンピオン戦」で全問正解して優勝するなど活躍しました。藤井さんは、幼稚園時代モンテッソーリ園で過ごし、積み木を自分で組み立ててボールを転がすおもちゃを何時間も繰り返ししていたそうです。このような作業を通して先を見通す力が養われ、将棋の快進撃にもつながっていったのではないでしょうか。
世の中には多くの分野で活躍している人がいます。でも、みんながみんなオリンピックの選手になったり、将棋のチャンピオンになったりできるわけではありません。世界中の人々は、それぞれの場所で自分の力を活かし、様々な仕事を受け持って支えあっています。そして、このお二人のように、子どもの頃興味を持ったことや好きなこと、得意なことが、未来に活かさるケースが多く見られます。
新幹線や電車の種類をたくさん覚えている人、恐竜や怪獣が大好きな人、お絵かきがとっても上手な人、粘土を使っていろいろなものを作るのが得意な人、走るのが大好きでいつも園庭を駆け回っている人、本をたくさん読んでいる人、いろいろな機械の仕組みに興味を持っている人、歌や踊りが大好きで上手な人、小さなお友だちのお世話が得意な人、お友だちがいっぱいいる人………。ちょっと思い出すだけでも、天使幼稚園の中にもいろいろなお友だちがいるものです。一人ひとり顔が異なっているように、みなさんが興味を持っていることや好きなこと、得意なことは人それぞれです。そして、それがみなさんの「ぼくらしさ、わたしらしさ」につながっています。
私が両手をひろげても、お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、地面を速く走れない。
私がからだをゆすっても、きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように、たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがって、みんないい。
(金子みすゞ)
「わたしはわたし、ぼくはぼく!」
神さまから一人ひとりに与えられたそれぞれの力を活かし、大きくなって活躍してくださいね。
「みんなちがってみんないい!」
みなさん、卒園おめでとうございます。