(TxT)<戯れ言ですよ

とみーのにっき&おえかきちょう

ガールズ&パンツァー 第9話「絶体絶命です!」

2012年12月16日 | 視聴済アニメごった煮
ええっ!?11話も!?

 そんな今回のお話は…
 プラウダ高校に包囲され、廃墟の中に追いつめられた大洗女子学園。
 メンバーの一部に「ここまで頑張ったのだから……」という空気が流れた時、生徒会長・角谷がこの大会で絶対に負けられない理由を明かす。
 衝撃の事実に寒さと飢えが加わり、士気のあがらないメンバー。その時、みほがとったのは思わぬ行動だった!
 期限の時間がきてプラウダ高校から降伏か否かを確認する伝令がくる。その伝令に対してみほは「最後まで戦います!」と宣言する。
 以上公式のあらすじ。

 冒頭のことは最後に語るとして今回ですが、前回言っていた選択云々の話は、そりゃぁまぁ見出した「自分の(自分達の)戦車道しながら勝つ」に決まってるじゃないですかぁ。
 前回そう書くと私が熱く書けない(感情移入して書けない)んで、敢えて気付かないフリして書いてみました。どーでもいいい?うん、だよねー。
 さて、今回も看板通りにAパートで少女たち、Bパートで戦車と正に看板に偽り無しをいっております。
 Aパートでは廃校のことを知って意気消沈する大洗女子チームが、戦闘開始までにどう盛り上がるかを見せていて、予算が無かった学校は良い戦車は売ってしまい今ある戦車は売れ残りで、それでも優勝する以外の廃校阻止の方法が思いつかなかった。また、泣いて一年過ごすより希望を持っていたかった。との生徒会の皆さんの言葉に、みほは戦う決意し言う。「来年もこの学校で戦車道をしたいから。みんなと」。
 だが自分の見出した道を彼女は忘れてはいない。最後まで戦い抜くと言いながら「ただし、みんながケガしないよう冷静に判断しながら」を付け加える。廃校阻止の為に何がなんでもではなく、みほはこの大洗女子学園へ来てやっと見出した、いや、作り出したと言ってもいい自分の道は、もうすでに揺るぎないものになっているのが窺える。多少の犠牲を顧みず大勝を掴む西住流ではない、みほが友達たちと一緒に作り上げたものに対して全くよどみを感じさせないのだ。
 そんなみほに士気のあがる大洗女子は、降伏時間のタイムリミットまでに戦車の修理と偵察を出す。前回ピンチ感を演出した戦車の故障だが、ここへ来てあっさり直ってしまうのはちょっとあっけないが、始めっから戦力差のある状況ですのでそれは致し方ない所か。
 ともかく、一度は士気が上がったものの、餓えと寒さに加え、廃校の事実に士気は瞬く間に下がっていってしまう。外ではプラウダはたき火で暖をとりボルシチを食し、コサックダンスまで踊っている余裕っぷり。一気に下がってしまった士気をあげるため、みほがとった行動とは、あの「あんこう踊り」であった。
 河嶋さんに「隊長だろ、なんとかしろ!」と言われ、自らもこのままではと思ってやったのがこれだ。まぁ劇中でも河嶋さんがいっていましたが逆効果、というか、かなり脈絡が無く何にもなっておらず、士気のあげ方としては正直なっていない。だがこれはとてもおもしろい所ではあって、みほは下がった士気をあげる、ということではなく、「楽しい戦車道」をするために、みんなに楽しくなってもらいたかったのではなかろうか。どうしたらみんなを楽しくさせられるか。恥ずかしがり屋でちょっと引っ込み思案な彼女にすべらない話をする話術などあろうはずもなければ鉄板のギャグを持ち合わせているはずもない。そこで思いついたのが「あんこう踊り」なのだ。
 踊っている最中にみほが「みんな歌ってください!私が踊りますから!」との言葉から分かるように、みほは自分がピエロになって笑われることでその場を盛り上げようとしたのである。先述しましたが、この状況でそんな事してもなーんもおもしろくはない、むしろ寒い。だが、その場を盛り上げようと笑い者になろうとするみほを見て、グロリアーナ戦でもそうだったように、あんこうチームの皆はみほひとりにそのようなことをさせられないと踊りに加わり、最終的には全員で楽しく歌って踊ることとなる。みほが思っていたようにはならなかったが、結果として全員が一体であることを確認できたことだろう。みほひとりではなく、大洗の全員で作った一体感なのだ。
 ここから考えるに、みほの能力はここまで素人同然だった大洗女子を準決勝まで引っぱってきたのだから相当のものではある。だが指揮官としてその性格は向いていない。そう、みほは凡人たちを引っぱっていくスーパーヒロインではないのだ。
 この一連のシーンは、みほの足りない部分を敢えて見せ、他の娘たちとなんら変わりがないことを示し、そしてその無い部分をこれまで彼女たちが培ってきた友達という線で繋がる友情で埋める所を見せているのではなかろうか。けっこうあっけにとられるし都合も良く見えるシーンではあるが、こう考えると割と自然、とはいかないとしても、彼女たちの友情を見せ低るのだと考えれば納得できる。
 こうして踊っている所でタイムリミットがきて降伏せず最後まで戦うことを宣言し、包囲網を突破する「ところてん作戦」を決行する所でBパートへ入る。

 Bパートからは戦車戦。今回も強豪相手に手に汗に握る展開が上手い。
 まずは立て篭っている建物から出て、敢えて手薄にしてある包囲網の部分ではなく包囲の厚い部分へ向かい、一陣を走り抜けて突破し二陣は38tが突撃し攪乱している間に他の車両は窪地を抜けるため転回する。
 難攻不落の城に一ヶ所弱点があると、そこに敵が集まって一網打尽にできるので、プラウダ隊長のカチューシャの戦略は間違ってはいない。だが、みほたちはそれを読んで敢えて包囲の厚い部分に向って攪乱し逃げ道を作ったのだが、ポイントは一両突撃した38tである。
 Aパート終わりでみほが「本当にいいんですか?」とヒドく不安そうな表情で生徒会の皆さんに聞いていたのはこのことがあるからだ。敵の注意を引きつけるために囮役を買って出たのだろう。しかもただの囮ではなく、それ以降のためになるだけ敵戦力をそがなくてはならない危険な役目だ。集中砲火を浴びることとなるこの役目を負ってみほは生徒会の皆さんがケガをすることを恐れている。
 しかし劇中「上手くいったら合流する」といっていたように、生徒会の皆さんは覚悟の上でこの役を志願したのであろう。またみほに心配させないよう無事に包囲を抜けてくることを一応は示唆している。
 だが人の気持ちに敏なみほとしては、その辺の生徒会の皆さんの覚悟を分かってはいたであろうことは、突撃を敢行する38tを見送る彼女の表情から見ても窺い知れる。生徒会の皆さんは他を生かすためはなっから犠牲になる覚悟であったわけだ。これはみほとしてはあまりやりたくはない戦術ではあったろうが、一番廃校なることを憂いており阻止のために動いた彼女たちであることと同時に、みほの気持ちも重々承知な彼女らだからこそ、この役目を任したのであろう。
 それにしても、あんまり役に立たない河嶋さんに変わって生徒会長が砲手をやって、圧倒的に戦力の勝る戦車4両に囲まれながらも2両撃破したんだから、撤退しようとした所を狙われて撃破されてしまったが、生徒会長の面目躍如だろう。河嶋さんも言っていたが「お見事です!」。
 生徒会ことカメさんチームから報告を受けたみほは、「頼んだぞ!」「お願いね!」の言葉を受けて少し間を取った後に「この窪地を脱出します!」と力強く言う。生徒会の皆さんのためにも負けられないと強く思ったことがその間から窺い知ることができる。敢えて危険な役目を買って出て自分に想いを託した生徒会の皆さんを思うこの間から出た、これまであまり無かったみほの力強い言葉が印象的だ。
 窪地を脱出した直後、攻撃力のあるIV号、III突は脇にそれ暗闇に乗じてやり過ごし、残っている敵フラッグ車の捜索と撃破に向う。ここからが今回のクライマックスだ。追われている自軍フラッグ車が落ちるのが先か、敵フラッグ車を見つけ撃破するのが先かの勝負である。
 ここでポイントなのが敵プラウダ校の油断である。Aパートでタイムリミットを待つ間に随分と余裕かまし、フラッグ車も敵来襲にも慌てる様子も無く、IV号・III突に追われて初めて慌てる始末。それも追う側にスターリンが到着し、あと少しあれば先にフラッグ車を撃破できるとし、町中を逃げ回れば良しとしてしまうあたりも油断だろう。IV号から優花里を偵察に出し高い所から見下ろしているとは思ってもいないのだ。スターリンに撃破されたM3はフラッグ車をお願いします!とルノーに守りを託し、そんなルノーも撃破されると八九式に健闘を祈る!とエールを送る。とこのように、生徒会の皆さんを囮にとしてまで廃校阻止のために必ず次につなげたい大洗女子と戦意と一体感が全く違うのである。
 ついに単機となったアヒルさんチームこと八九式が敵の砲撃を受けながらも激走を見せるのだが、これがまたいいのだ。何がいいってどう見ても撃破されちゃいそうなのである。
 八九式のすぐ側を何度も砲弾が着弾し、何度も車両が傾きながらも必死の逃走を演じるのだ。この「されちゃいそう」感と自らを奮い立たせる元バレー部員たち、そして別の場所でフラッグ車を追うみほたちが差し込まれ、サンダース戦のような「ハラハラ感」を見事に演出している。見ていて「踏ん張って逃げろー!」と思うし「早くフラッグ車と叩けー!」と思わせてくれるのだ。
 敵フラッグ車がぐるぐる回っているだけなのに気付いたみほは、カバさんチームことIII突に砲撃を停止させる。もうこの時点でIII突得意の待ち伏せ作戦なのはピンときて、見ていて「キター!」と思ったのはきっと私だけではあるまい。そして上記したプラウダの油断がここで活きる。追ってくるのがIV号だけになったと気付きなからも、III突は「エンコしたんじゃね?」などと気に留めないのだ。
 スターリンが八九式をついにとらえたのと同時に、雪に潜って待ち構えていたIII突がフラッグ車を打ち抜く!どちらが先か?!……という所で引っぱった。わけだが、まぁ言わずもがな。油断のあったプラウダと見事な一体感を見せた大洗女子。推して知るべしである。
 なににしても、常に戦力の劣るみほたちが強豪相手に薄氷を踏むようなハラハラ感を、「分かってはいる」中でもそう感じさせるのだから、上手いこと作ってあると言わざるを得ない見事な作りだ。次週も楽しみです。

 そういえば、今回気になった部分があって、カメさんチームこと38tってフラッグ車じゃなかったっけ?とか思って8話見直したらちゃんと八九式がフラッグ車である所を見せてました。サンダース戦では38tだったから勘違いしてたよ。
 38tは他の車両と比べてかなりちっさいし、2話の優花里の話からすればかなり走るみたいだし、今回の生徒会の皆さんの戦いぶりから見てもフラッグ車に向いているような気がするけどなー。替えたってことはやっぱ八九式の戦力って無いも同然なんかなー。

 さて、そんな見事なこの「ガールズ&パンツァー」であるが、冒頭にちょろっと書きましたが、11話の放送予定分が10.5話「紹介します!2」に差し変わることが公式でアナウンスされました。な、なんだってー!!
 一回くらいなら分からんでもないが(まぁそれもどうかとは思ってはいるが)、二回ともなるとなんか意図的なものを感じてしまうのだがどうだろう。おそらく11・12で黒森峰戦であろうから、11話で放送終わってしまうのはどうか?という判断なのではないのか?などと邪推してしまうのもさることながら、個人的にプロフェッショナルの仕事としてどうか?という点でも思うことがあるな。
 クオリティの高いものを作るのもプロの仕事ではあるが、期日に間に合わせることもプロの条件のひとつである。と私は思っているので、アニメ作るのが今も昔も大変なのは重々承知なのだが、アニメーション制作のプロフェッショナルであるからには、枠内にきっちり収めることはしてほしいなぁ。スケジュール管理や制作工程の管理もプロの仕事のひとつでしょ?
 11・12話が3月放送予定ということなので、もしかしたら人気の延命策かも知れませんがねー。ってそれは邪推のしすぎかな(笑)。


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2 コメント

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Unknown (とおりすがり)
2012-12-24 16:27:55
いつも楽しく拝見しております。

確かに11話まで延期は驚きましたね。
ただ、個人的には11話のラストで(おそらく)「これから
どうなるの?」という展開になったあと3ヶ月経って
しまうと視聴者のハラハラドキドキが冷めてしまう
ので(おそらく)2回連続で放送するのではないかと思っています。

管理人さんの「プロとしてどうなの?」はもっともだと
思うのですが、その昔「あのね」という台詞で終わって
続きはDVDでという作品があったのに比べると
ずいぶん良心的かと(笑)。

まあ、だからといって待たされるのが良いことだとは
ぜんぜん思えませんけどね。
返信する
コメントありがとうございました (とみー)
2012-12-29 19:02:51
コメントありがとうございました。
お返事遅くなりましてすみません。

 私も「これからどうなる?」の前に終わると思っていたんですけどねー。
 10話で見事に「これからどうなる?」で終わってしまったからビックリですよ。
 まぁこれまでの流れからいって、黒森峰戦の決着の部分は12話の最初であろうから、おっしゃられている通り、黒森峰戦を続けて見てもらいたい、ということなんでしょうね。

 そう言えば、「あのね」ってあったねー!いやぁ懐かしい(笑)。
 随分と賛否両論、というか叩かれていた記憶がありますが、まぁあれはどっちかと言うと「商魂逞しい」という感じがします。
 内情を詳しくは知りませんが、売り上げ上げるために良かれと思ってやったんだろうとは思いますが、「続き見たけりゃ金出せ」はやっぱり反感買う。
 おそらくは、それを踏まえた上での「絶対にご覧のチャンネルで放送しますから」なのだろうから、おっしゃる通り「良心的」ではありますな。

 とは言え、やはり楽しみに見ていて待たされるということもさることながら、社会人としては、これでどれだけの人と金が余分に動いたかを考えると、決められた仕事をきっちりこなすってのは大事だし、やらなければいけない事なのだなぁと思います。
 今も昔もアニメを作るのは大変なんだなぁとは思うのですがね。
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