おおうっ!キャラソンまでインサートされて優遇されたなー。
そんな今回のお話は…
れいかが、イギリスへ留学することが決定!留学は、お勉強のために外国の学校に行くこと。
みゆきたちは、れいかと離ればなれになっちゃうけど・・・夢が叶うんだもんね!スマイルで送り出してあげよう!でも、嬉しいはずのれいかも、同じように悩んでいるみたい…
「イギリスへ行ってしまったら、プリキュアはどうなるの?」イギリスへ行けば、みんながいる日本とお別れしなきゃ…。本当にそれでいいの…?
そんなれいかの前に、ジョーカーが現れた!!れいかはプリキュアに変身するけど、ジョーカーは、真っ暗闇の空間へとビューティーを連れていってしまう。
いったいビューティーは、どうなってしまうの?
以上公式のあらすじ。
お話はサブタイ通り、れいかが留学の選抜メンバーに選ばれて、一ヶ月後にイギリスへ旅立つこととなるのだが……という話ではあるのだが、まぁそんなことにはならないことなど最初っから分かっていることだ。そういう中で、どう盛り上がりを作り、何を見せるかがよく考えられてある見事なシナリオでした。やはりさすがは成田良美と言わざるを得ない。
お話としてはサブタイからして、れいかは留学してしまうんだろうか?という所で進むと思うのが普通ではあるが、もうアバンからしてそうではない所を見せていて、留学の選抜メンバーに選ばれたとの一報に「えっ!?」と驚きを隠せない彼女の表情と声から、バカが付く程の真面目なれいかがこの不測の事態に困惑している様子が窺えるではないか。
彼女としては、1年生の時に自分の可能性を試したいと応募した留学は自分の進むべき道のひとつではある。しかし伝説の戦士プリキュアとなって無二の親友みゆきたちと共にしてきた活動を途中で放り出すわけにもいかず、Aパートからの留学の決定に良かった良かったと喜ぶ周囲をよそに、彼女の表情には困惑が見える。あるいはれいかがプリキュアになっていなかったとすれば、それは悩むべくも無いのだろうが、応募した1年生時と今では状況が全く違ってしまっていて、当時予測することなどできようはずも無い非現実なプリキュア活動が、現実に影響を及ぼしたのであるから、プリキュアとはいえ14歳の女の子が困惑するのも無理も無い話だ。
帰り道、みゆきたちも行くべきと応援する中で、れいかは「でも、プリキュアが……」と逡巡する様子を見せると、みゆきは「なんとかなるよ!」と明るい笑顔で返す。
この割となんでもないふうなやりとりであるが、れいかが周囲の期待とは裏腹に悩んでいる様子はよく見て取れるが、ここでのポイントはみゆきたちなのである。後にも明かされるが、普通に接しているように見える彼女たちではあるが、その言葉の端々に無理が垣間見えるのだ。
きっと本来ならば、「お別れしたくないし居なくなってほしくないけど、れいかの夢のひとつなんだから応援する、行ってこい」。と言いたいはずであろう、がしかし、別れたくないずっと一緒にいたいなどと言ってしまえばれいかの夢をフイにしてしまうかもしれない、またはれいかにつらい思いをさせてしまうかもしれないと、敢えて「れいかの夢のひとつなんだから応援する、行ってこい」の部分しか彼女たちは言わない。そのためこのシーンではみゆきたちの言うことが実に空々しく聞こえるのだ。お前たち本当はそんなことだけを思っていないだろ?と思える。しかしみゆきたちのことを思えば、そんな彼女たちだからこそ、れいかを良かった良かったと笑って送り出したいと思う気持ちが、毎週欠かさず熱心にこのアニメを見ている身としては分かろうというものだ。
このなんとなく空々しい彼女たちの会話が、見ていて実にもやっとした気持ちにさせてくれるという見事な導入である。
その後家に帰って家族に報告するれいかは、母や兄、祖父にも喜ばれるが、祖父はれいかがそのことに何かしら悩んでいることをすぐに見抜く。と言っても、ここはれいかの中の人「西村ちなみ」さんの演技が見事で、「みんな喜んでくれて、とても光栄です」と言うれいかの言葉はどこか歯切れが悪く、自らの言葉通りの気持ちとは到底思えない。みゆきたち以上に当の本人であるれいかも困惑しているのだなぁと思わせてくれる。そんな視聴者を代表するが如く、祖父は見事なアドバイスをするのだが、16話でもそうだったように答えを指し示すことはしないのだ。
翌日。れいかが何故留学しようと思っていたかを聞いたみゆきたちは、それならばやはり行くべきだと言って背中を押すが、れいかが去ると「これでいいんだよね」と彼女たちがれいかと別れたくないと自分たちの我を通し、れいかの夢を潰えさせたくないと無理しているのが明かされる。れいかのためにも笑って送り出してやるべきだと。しかし彼女たちの中にはもうひとつの気持ちがあって、それは子供が故にピュアなキャンディが語ってくれる。本当にそれでいいのか?と。
その頃、三幹部らがことごとく失敗に終わったため、ジョーカーがプリキュアたちの要であるビューティーに的を絞って策を仕掛けようとする所、れいかが留学することを聞きつけ彼女の前に現れバッドエンド空間へと取り込む。
策を弄する事無く留学していなくなるれいかを歓迎するジョーカーは、もうプリキュアをやめるのでしょう?と問いかけ精神の揺さぶりを計る。プリキュアをやめないとするれいかにジョーカーはさらに追い討ちをかけ、留学をしないのであらば、留学を自分のことのように喜んでいる家族や友人は随分と落胆することだろう、なんて素晴らしい!と。そんなお前はこっち(バッドエンド)よりではないかと。
自ら望み努力して得た青木れいかの留学の道。誰かが誰かに悪事を働くことを許さないとするプリキュアの道。常に進むべき道を模索し正しいと思った道を進んできたれいか。だがここへ来て進むべき道が分からなくなってしまった。留学すれば周囲の期待に応え自らを高めるが、悪事を止めることができない。留学を取りやめれば悪事を止めることができるが、周囲の期待を裏切ってしまう。どちらも二律背反しれいかには選ぶことができないのだ。常に自らの道を模索し歩むその心こそ、れいかがプリキュアとなる力の原動力である。進むべき道を見失った時、その力は消失し、変身が解けてしまう。
変身が解けたことに何故っ?!と困惑するれいかにジョーカーはそれが答えだとする。任期満了、円満卒業、お前はもうプリキュアではないのだと。留学してジョーカーの思い通りになることが正しい選択なのかと、れいかはついに膝を折ってしまう。
プリキュアの力は前述した通り人の心であり、ジョーカーの言うことは当たらないのだが、人の心を解さない彼にそのことが分かろうはずも無く、プリキュアでなくなったれいかと共に葬り去ろうとみゆきたちもバッドエンド空間に取り込んだのが彼の誤算であり、またここからが今回のクライマックスである。
ハイパーアカンベェにいい様にやられるプリキュアたちを、柵で囲まれてしまい、また変身できないれいかはただ見ていることしかできない。そんな彼女らを嘲笑うかのようにジョーカーは、友達ならば留学を選択したれいかを笑って送り出してやりましょうなどとなじる。
するとみゆきたちは、そんなことは当たり前で、れいかが行きたいのなら応援するし友達だから笑って送り出す、と言いながらも「ゴメン……やっぱり無理」とぽろぽろと涙を流し「友達がいなくなるのに、笑えるわけないじゃない!」と、これまで我慢を重ねて押さえてきた気持ちが溢れ出す。なにか自分の気持ちを説明するかのような言葉はなく、れいかがいなくなるのは「イヤだ!」とただ泣き叫ぶ。れいかのためとか、応援するとかそういうことではなく、友達と離ればなれになるのはイヤだというみゆきたちの心の叫びなのだ。
そんな彼女らにれいかは駆け寄り「わたしも行きたくない!もっとみんなと一緒にいたい!みんなと離ればなれになるなんてイヤだ!」と泣き叫ぶ。いつものですます調ではない彼女の言葉から、それこそが青木れいかの心の底から思う本心なのだ。そう思っているからこそ、この選択がこんなにもつらいのだ。彼女らはわんわんと泣いてへたり込んでしまう。
そんな彼女らを見てジョーカーは「なんて情けない姿!」と嘲笑う。友が友を思い涙する彼女らの姿のどこが情けないというのだろうか。だが人の心を解さない彼にはそれが分からないのだ。
正に悪であるジョーカーが全員まとめて葬り去ろうとするとれいかが立ちふさがり、私はプリキュアをやめるだなんて一言も言っていない!と光の柱を立ち上げキュアビューティーへと変身し、「私の名前は青木れいか、またの名をキュアビューティー!」と高らかに宣言する。
みゆきたちの心の叫びに呼応するかのように、考えるでもなく出た自分の本心こそが答えなのだと気付いたのだ。どちらかを選択するのではなく、今、自分が最も大切に思い大事だと思うことをすることが進むべき道なのだと。また自ら名乗った通りに青木れいかはキュアビューティーであり、それぞれ違う道があるのではなく、同一の存在として同じ道を歩むのだということを悟ったのだ。
改めて決意し新たに見出した自らが歩むべき道を揺るぎないものとしたビューティーは、ジョーカーを圧倒し退けるのであった。
と、ここまで熱く語って参りましたが、ここいらでちょっと冷静になってみて、改めて見事なシナリオであると言わざるを得ない。
プリキュアの皆さんの二律背反する気持ちに苦悩する様子はよく見て取れ、熱心にこのシリーズを見てきた者としては彼女たちに感情移入せずにおれないし、本心が出るシーンでの泣き所は、これまで苦悩している彼女らを見てきただけにぐっとくるし、れいかが再度ビューティーに変身し、インサートしてくるキャラクターソング「あなたの鏡」は毎度CDを購入している身としては、ビューティーのパワーアップと共に盛り上がらざるを得ない。
なにより「れいかがいなくなるわけがない」と結末が分かりきっている話の中で、上記した二律背反する少女達の気持ちや本心の吐露、人生の選択時に何に重きをおくかの訓話まで入っていて、表層のれいかがいなくならなくて良かったというだけの話ではなくなっているのだから、やはりさすがの成田良美と言わざるを得ない。
またそのシナリオをしっかり理解し、見事に演出している点も特筆すべき点だろう。序盤からの暗澹たる感じから泣き所、そしてパワーアップしてからの高揚感、そして久々のアクションシーンでの回るカメラワークなど、実に見事に演出しており視聴後とても気持ちよかった。
まぁただそれだけに、ここの所のキャラクターの掘り下げは、やっぱり中盤あたりに差し込むべきだったような気がしますけどねぇ。
あとちょっと気になった部分があって、スマイルプリキュアのリーダーって特に決まっていないわけなんだけど、やっぱりビューティーだよね?どー考えても。
今回ジョーカーもプリキュアの頭脳であり要としてビューティーをあげているし、これまでのお話でも「困ったらビューティー」だったしな。ということを考えると……ハッピーことみゆきってやっぱり主役としてどうなんだと思わざるを得ない。
特にリーダーシップを発揮するわけでもないし、何かのきっかけとかになるわけでもないし、誰かを引っぱるわけでも押し上げるわけでもないしなぁ。そう考えると彼女は集団の中でけっこう「目立たない娘」なのではないのだろうか。
まぁ映画で小さい頃は人見知りの恥ずかしがり屋だったということが語られているし、次回もその辺のことが語られそうなので、なるほどそうか!というようなことがあって、目立たない中にも光る部分が見つけられる話であることを期待したい。
今週のまたみてねとぴかりんじゃんけん
今週のまたみてねは「キュアビューティーとウルトラキュアビューティー(?)」でした。「またみてね」ではなく、縦書きで「またみてください」になってましたね。
さて、ぴかりんじゃんけんの方ですが、まぁ当然変身バンクがあるはずもなく、戦績は変わらず34戦17勝12分5敗(1反則勝ち)。
予想も変わらずですが、まぁ次回も対戦ないんでしょうねぇ。
そんな今回のお話は…
れいかが、イギリスへ留学することが決定!留学は、お勉強のために外国の学校に行くこと。
みゆきたちは、れいかと離ればなれになっちゃうけど・・・夢が叶うんだもんね!スマイルで送り出してあげよう!でも、嬉しいはずのれいかも、同じように悩んでいるみたい…
「イギリスへ行ってしまったら、プリキュアはどうなるの?」イギリスへ行けば、みんながいる日本とお別れしなきゃ…。本当にそれでいいの…?
そんなれいかの前に、ジョーカーが現れた!!れいかはプリキュアに変身するけど、ジョーカーは、真っ暗闇の空間へとビューティーを連れていってしまう。
いったいビューティーは、どうなってしまうの?
以上公式のあらすじ。
お話はサブタイ通り、れいかが留学の選抜メンバーに選ばれて、一ヶ月後にイギリスへ旅立つこととなるのだが……という話ではあるのだが、まぁそんなことにはならないことなど最初っから分かっていることだ。そういう中で、どう盛り上がりを作り、何を見せるかがよく考えられてある見事なシナリオでした。やはりさすがは成田良美と言わざるを得ない。
お話としてはサブタイからして、れいかは留学してしまうんだろうか?という所で進むと思うのが普通ではあるが、もうアバンからしてそうではない所を見せていて、留学の選抜メンバーに選ばれたとの一報に「えっ!?」と驚きを隠せない彼女の表情と声から、バカが付く程の真面目なれいかがこの不測の事態に困惑している様子が窺えるではないか。
彼女としては、1年生の時に自分の可能性を試したいと応募した留学は自分の進むべき道のひとつではある。しかし伝説の戦士プリキュアとなって無二の親友みゆきたちと共にしてきた活動を途中で放り出すわけにもいかず、Aパートからの留学の決定に良かった良かったと喜ぶ周囲をよそに、彼女の表情には困惑が見える。あるいはれいかがプリキュアになっていなかったとすれば、それは悩むべくも無いのだろうが、応募した1年生時と今では状況が全く違ってしまっていて、当時予測することなどできようはずも無い非現実なプリキュア活動が、現実に影響を及ぼしたのであるから、プリキュアとはいえ14歳の女の子が困惑するのも無理も無い話だ。
帰り道、みゆきたちも行くべきと応援する中で、れいかは「でも、プリキュアが……」と逡巡する様子を見せると、みゆきは「なんとかなるよ!」と明るい笑顔で返す。
この割となんでもないふうなやりとりであるが、れいかが周囲の期待とは裏腹に悩んでいる様子はよく見て取れるが、ここでのポイントはみゆきたちなのである。後にも明かされるが、普通に接しているように見える彼女たちではあるが、その言葉の端々に無理が垣間見えるのだ。
きっと本来ならば、「お別れしたくないし居なくなってほしくないけど、れいかの夢のひとつなんだから応援する、行ってこい」。と言いたいはずであろう、がしかし、別れたくないずっと一緒にいたいなどと言ってしまえばれいかの夢をフイにしてしまうかもしれない、またはれいかにつらい思いをさせてしまうかもしれないと、敢えて「れいかの夢のひとつなんだから応援する、行ってこい」の部分しか彼女たちは言わない。そのためこのシーンではみゆきたちの言うことが実に空々しく聞こえるのだ。お前たち本当はそんなことだけを思っていないだろ?と思える。しかしみゆきたちのことを思えば、そんな彼女たちだからこそ、れいかを良かった良かったと笑って送り出したいと思う気持ちが、毎週欠かさず熱心にこのアニメを見ている身としては分かろうというものだ。
このなんとなく空々しい彼女たちの会話が、見ていて実にもやっとした気持ちにさせてくれるという見事な導入である。
その後家に帰って家族に報告するれいかは、母や兄、祖父にも喜ばれるが、祖父はれいかがそのことに何かしら悩んでいることをすぐに見抜く。と言っても、ここはれいかの中の人「西村ちなみ」さんの演技が見事で、「みんな喜んでくれて、とても光栄です」と言うれいかの言葉はどこか歯切れが悪く、自らの言葉通りの気持ちとは到底思えない。みゆきたち以上に当の本人であるれいかも困惑しているのだなぁと思わせてくれる。そんな視聴者を代表するが如く、祖父は見事なアドバイスをするのだが、16話でもそうだったように答えを指し示すことはしないのだ。
翌日。れいかが何故留学しようと思っていたかを聞いたみゆきたちは、それならばやはり行くべきだと言って背中を押すが、れいかが去ると「これでいいんだよね」と彼女たちがれいかと別れたくないと自分たちの我を通し、れいかの夢を潰えさせたくないと無理しているのが明かされる。れいかのためにも笑って送り出してやるべきだと。しかし彼女たちの中にはもうひとつの気持ちがあって、それは子供が故にピュアなキャンディが語ってくれる。本当にそれでいいのか?と。
その頃、三幹部らがことごとく失敗に終わったため、ジョーカーがプリキュアたちの要であるビューティーに的を絞って策を仕掛けようとする所、れいかが留学することを聞きつけ彼女の前に現れバッドエンド空間へと取り込む。
策を弄する事無く留学していなくなるれいかを歓迎するジョーカーは、もうプリキュアをやめるのでしょう?と問いかけ精神の揺さぶりを計る。プリキュアをやめないとするれいかにジョーカーはさらに追い討ちをかけ、留学をしないのであらば、留学を自分のことのように喜んでいる家族や友人は随分と落胆することだろう、なんて素晴らしい!と。そんなお前はこっち(バッドエンド)よりではないかと。
自ら望み努力して得た青木れいかの留学の道。誰かが誰かに悪事を働くことを許さないとするプリキュアの道。常に進むべき道を模索し正しいと思った道を進んできたれいか。だがここへ来て進むべき道が分からなくなってしまった。留学すれば周囲の期待に応え自らを高めるが、悪事を止めることができない。留学を取りやめれば悪事を止めることができるが、周囲の期待を裏切ってしまう。どちらも二律背反しれいかには選ぶことができないのだ。常に自らの道を模索し歩むその心こそ、れいかがプリキュアとなる力の原動力である。進むべき道を見失った時、その力は消失し、変身が解けてしまう。
変身が解けたことに何故っ?!と困惑するれいかにジョーカーはそれが答えだとする。任期満了、円満卒業、お前はもうプリキュアではないのだと。留学してジョーカーの思い通りになることが正しい選択なのかと、れいかはついに膝を折ってしまう。
プリキュアの力は前述した通り人の心であり、ジョーカーの言うことは当たらないのだが、人の心を解さない彼にそのことが分かろうはずも無く、プリキュアでなくなったれいかと共に葬り去ろうとみゆきたちもバッドエンド空間に取り込んだのが彼の誤算であり、またここからが今回のクライマックスである。
ハイパーアカンベェにいい様にやられるプリキュアたちを、柵で囲まれてしまい、また変身できないれいかはただ見ていることしかできない。そんな彼女らを嘲笑うかのようにジョーカーは、友達ならば留学を選択したれいかを笑って送り出してやりましょうなどとなじる。
するとみゆきたちは、そんなことは当たり前で、れいかが行きたいのなら応援するし友達だから笑って送り出す、と言いながらも「ゴメン……やっぱり無理」とぽろぽろと涙を流し「友達がいなくなるのに、笑えるわけないじゃない!」と、これまで我慢を重ねて押さえてきた気持ちが溢れ出す。なにか自分の気持ちを説明するかのような言葉はなく、れいかがいなくなるのは「イヤだ!」とただ泣き叫ぶ。れいかのためとか、応援するとかそういうことではなく、友達と離ればなれになるのはイヤだというみゆきたちの心の叫びなのだ。
そんな彼女らにれいかは駆け寄り「わたしも行きたくない!もっとみんなと一緒にいたい!みんなと離ればなれになるなんてイヤだ!」と泣き叫ぶ。いつものですます調ではない彼女の言葉から、それこそが青木れいかの心の底から思う本心なのだ。そう思っているからこそ、この選択がこんなにもつらいのだ。彼女らはわんわんと泣いてへたり込んでしまう。
そんな彼女らを見てジョーカーは「なんて情けない姿!」と嘲笑う。友が友を思い涙する彼女らの姿のどこが情けないというのだろうか。だが人の心を解さない彼にはそれが分からないのだ。
正に悪であるジョーカーが全員まとめて葬り去ろうとするとれいかが立ちふさがり、私はプリキュアをやめるだなんて一言も言っていない!と光の柱を立ち上げキュアビューティーへと変身し、「私の名前は青木れいか、またの名をキュアビューティー!」と高らかに宣言する。
みゆきたちの心の叫びに呼応するかのように、考えるでもなく出た自分の本心こそが答えなのだと気付いたのだ。どちらかを選択するのではなく、今、自分が最も大切に思い大事だと思うことをすることが進むべき道なのだと。また自ら名乗った通りに青木れいかはキュアビューティーであり、それぞれ違う道があるのではなく、同一の存在として同じ道を歩むのだということを悟ったのだ。
改めて決意し新たに見出した自らが歩むべき道を揺るぎないものとしたビューティーは、ジョーカーを圧倒し退けるのであった。
と、ここまで熱く語って参りましたが、ここいらでちょっと冷静になってみて、改めて見事なシナリオであると言わざるを得ない。
プリキュアの皆さんの二律背反する気持ちに苦悩する様子はよく見て取れ、熱心にこのシリーズを見てきた者としては彼女たちに感情移入せずにおれないし、本心が出るシーンでの泣き所は、これまで苦悩している彼女らを見てきただけにぐっとくるし、れいかが再度ビューティーに変身し、インサートしてくるキャラクターソング「あなたの鏡」は毎度CDを購入している身としては、ビューティーのパワーアップと共に盛り上がらざるを得ない。
なにより「れいかがいなくなるわけがない」と結末が分かりきっている話の中で、上記した二律背反する少女達の気持ちや本心の吐露、人生の選択時に何に重きをおくかの訓話まで入っていて、表層のれいかがいなくならなくて良かったというだけの話ではなくなっているのだから、やはりさすがの成田良美と言わざるを得ない。
またそのシナリオをしっかり理解し、見事に演出している点も特筆すべき点だろう。序盤からの暗澹たる感じから泣き所、そしてパワーアップしてからの高揚感、そして久々のアクションシーンでの回るカメラワークなど、実に見事に演出しており視聴後とても気持ちよかった。
まぁただそれだけに、ここの所のキャラクターの掘り下げは、やっぱり中盤あたりに差し込むべきだったような気がしますけどねぇ。
あとちょっと気になった部分があって、スマイルプリキュアのリーダーって特に決まっていないわけなんだけど、やっぱりビューティーだよね?どー考えても。
今回ジョーカーもプリキュアの頭脳であり要としてビューティーをあげているし、これまでのお話でも「困ったらビューティー」だったしな。ということを考えると……ハッピーことみゆきってやっぱり主役としてどうなんだと思わざるを得ない。
特にリーダーシップを発揮するわけでもないし、何かのきっかけとかになるわけでもないし、誰かを引っぱるわけでも押し上げるわけでもないしなぁ。そう考えると彼女は集団の中でけっこう「目立たない娘」なのではないのだろうか。
まぁ映画で小さい頃は人見知りの恥ずかしがり屋だったということが語られているし、次回もその辺のことが語られそうなので、なるほどそうか!というようなことがあって、目立たない中にも光る部分が見つけられる話であることを期待したい。
今週のまたみてねとぴかりんじゃんけん
今週のまたみてねは「キュアビューティーとウルトラキュアビューティー(?)」でした。「またみてね」ではなく、縦書きで「またみてください」になってましたね。
さて、ぴかりんじゃんけんの方ですが、まぁ当然変身バンクがあるはずもなく、戦績は変わらず34戦17勝12分5敗(1反則勝ち)。
予想も変わらずですが、まぁ次回も対戦ないんでしょうねぇ。
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