(TxT)<戯れ言ですよ

とみーのにっき&おえかきちょう

輪るピングドラム 23 運命の至る場所

2012年04月20日 | 視聴済アニメごった煮
わかったようなわからないような。

 そんな今回のお話は…
 冠葉と別れてから意識を失った陽毬は、東鴎病院に搬送されていた。
 報せを聞いて病院に駆けつけた晶馬は、鷲塚医師から、陽毬が搬送中にうわごとで冠葉の名前を呼んでいたと聞かされる。
 一方、冠葉は、眞悧のキセキのような力を目にしていた。これなら陽毬の命を救えると確信した冠葉は、眞悧の求めに応じることに。
 だが、鷲塚医師の診断では、陽毬に残された時間はあとわずかしかなかった。
 以上公式のあらすじ。

 まぁ当然のことながらラス前という事もあって随分と核心に迫った感のあるお話ではあるものの、今見ても冒頭に書いたように分かったような分からないような話である。
 起こっている出来事は当然分かることなのだが、眞悧が劇中自身を呪いのメタファーといったように、彼は人物でありながら正確に言うならば人物でなく、それでありながら出来事には人物として関わってくるので、まるで抽象世界のようになってしまっていて、劇中の現実世界との境目がない感じだ。
 でもそこはむしろ狙っている感はあり、眞悧の言うことはいちいち抽象的で、なにを言わんとしどうしたいかがおぼろげにしか見えてこない。でもそれは彼が「呪い」という概念的存在であるならばなんとなく納得できる。
 彼が概念ならば、その呪いに囚われているキガの会の人達や冠葉が都合の良く解釈して、眞悧がやろうとしていること、地下鉄テロを実行させることに邁進してしまうのも得心できる話ではないだろうか。
 とまぁ眞悧に関しては、私個人的にはそういう解釈であるわけです。概念で実体をもたないので、直接現実世界を動かせないのだ。だから今回燃えてしまった桃果の日記を自分では燃やせないと言った。これなら辻褄が合う。
 そんな眞悧に対抗しているのが桃果であるわけですが、16年前眞悧がまだ生きていた頃、あの地下鉄テロの被害を半分にしたのが桃果であった。実際の被害はもっと大きかったという事だ。
 運命の乗り換えによって眞悧を追放しようとした桃果は、眞悧の呪いによって半分しか呪文を唱えられず、ペンギン帽子ふたつに分かれてしまう。また眞悧も桃果の呪文で黒ウサギ2匹に分かれてしまう。まぁそんなカットがあったのだが、眞悧はともかくとしても、桃果=ペンギン帽子って事になりますよねー。という事は、プリンセス オブ ザ クリスタルは桃果である。かと言うとどうもそれは違うような感じである。
 それだったなら苹果があのイリュージョンに入った時に、何らかのアクションがあっても良さそうだものなぁ。そもそもそのペンギン帽子は陽毬とマリオが所持したわけですが、このふたりは正直桃果となんら関連がない。となるとあの桃果がペンギン帽子ふたつに分かれてしまったカットは一体なんだったのか。でも、今回晶馬はペンギン帽子から桃果の声を聞くしねぇ。全く関係無いとは言い切れず、帽子が桃果自体であるとも言い切れないのだ。
 で、それが次回のラストになって回答を得たのかと言えば、答えはノーだしなぁ。はふぅ(溜息)。

 ま、そんな分からないことを考えるのは性に合わないのでもう放っておくとして、個人的に気になった点ですが、この物語はおおざっぱにふたつの線があって、ひとつは高倉兄妹の線、もうひとつは眞悧と桃果の戦いの線だ。私としては眞悧と桃果の方が興味深い。
 というのも、最初から眞悧と桃果がお互いのすることをそうはさせじ争っていたって事になるからだ。要は16年前で着なかったことをまたやろうとする眞悧に、そうはさせまいと一手先に送り込んだのがペンギン帽子、という考えだ。
 となるとこの物語の本線は、どっちかって言うと眞悧と桃果の方になる。その本線に高倉兄妹の線が絡まってごっちゃになっている、というのがこの物語の印象で、ひとつひとつのお話は、どっちかの線をクローズアップしているもしくは、こんがらがった部分を映している。様に見える。現時点では絡まり合ってふたつの線がひとつのようになってしまっている、といった感じでしょうかね。

 そう考えると、本来ふたつの線だったものをひとつに見せかけてここまで見せてきたとも言え、まぁ分かる分からないはともかく、物語の構成力には感心せざるを得ないなぁと思うのでありました。


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