チーム駿河湾

静岡県水産技術研究所の職員が公私を問わず入手した静岡の海、漁業、海の生き物の旬な情報を発信します。

珪藻の大発生

2012年04月18日 | 日記
4月10、11日に行った地先定線観測で、駿河湾内から遠州灘にかけての広い海域で、植物プランクトンが大量に発生しているのが観察されました。プランクトンネットによる採集では、250mlの標本瓶1本に入りきらないため、数本に分けて持ち帰りました。
 これは珪藻の1種でThalassiosira diporocyclus(タラシオシラ・ディポロサイクルス)と思われ、昨年度もこの時期に観察されていましたが、今年は昨年よりも広い範囲で観察されています。
 黒潮に近い北緯34度の観測点の表面水温は19℃で、ここでは観察されなかったことから、この珪藻の発生は黒潮内側の沿岸域で起こっていると考えられます。現在、黒潮の蛇行が伊豆諸島の東に移動しつつあり、今後、黒潮が接岸して沿岸に暖水が入ってくれば解消されると思われます。



プランクトンネットによる採集物。通常は右端であるが、今回は左側の観測点が多かった。


顕微鏡で丸い珪藻が大量に観察されました。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿