チーム駿河湾

静岡県水産技術研究所の職員が公私を問わず入手した静岡の海、漁業、海の生き物の旬な情報を発信します。

不漁から回復 新鮮カツオの水揚げ続く

2014年07月04日 | 日記

 県内主要5港の6月のカツオ水揚量がまとまりました。

 御前崎を中心とした近海・沿岸竿釣りカツオ(=生カツオ)の6月の水揚量は194トンで、前年(209トン)及び平年(過去5年平均203トン)並みとなりました(図1)。

 春先から「生カツオの不漁」が話題になりましたが、前回ブログ(6/12)で紹介したとおり、上りガツオのシーズンがやや遅れて到来したことが、数字で表れたことになります。ただ、1~6月の累計は平年の約6割にとどまっており、不漁の分を取り戻すまでには至りません。

 体長組成は図2のとおりです。尾叉長43cmモード、銘柄でいうと極小(1.4~1.6kg)や小小(1.7~1.9kg)が主体で、漁場が伊豆諸島周辺のため水揚げ前日に漁獲された新口(しんくち)と呼ばれる新鮮なカツオがほとんどです。

 この時期らしい若いカツオで、仲買の市場取引も活発です。お店などで見かけたら、ぜひご賞味ください。

  

  

 

 


チリモン教室の開催

2014年07月02日 | 日記

8月21日の「県民の日」に関連するイベントとして、水産技術研究所では県民の皆様に魚介類に関する知識や水産業に対する理解を深めていただけるよう、主に子供たちを対象とした体験学習講座「チリモン教室」を開催します。

内容はしらす干し(チリメンジャコ)に混ざっている他の魚介類の稚魚や幼生(チリメンモンスター:略称「チリモン」)をルーペやピンセットを使って探し出し、図鑑で名前を調べます。また、探し出したチリモンをカードは貼り付けて、お持ち帰りいただけます。 ぜひ、ご家族やお友達と一緒にご参加ください 。

ご参加いただくには、事前に申し込みが必要です。詳しい申込み方法は、水産技術研究所ウェブサイトで紹介していますので、以下のリンクでご確認ください。

 チリモン教室申し込み方法の紹介ページ

1回50分間程度の講座です。10時から16時までに5回行いますので、ご希望の時間帯でお申し込み下さい。 当所では今年で4回目の開催となりますが、チリモンのおもしろい形が子供たちの興味を引き、毎回盛況です。

 チリモン教室の様子

 チリモンの一例(他にも様々な仲間がいます)

(参考)「チリメンモンスター」とは

シラス干しやチリメンジャコには、変わった形の様々な海の生き物の稚魚や幼生が混入しており、これらを「チリメンモンスター」と呼んでいます。この名称は、大阪のきしわだ自然博物館が2004年の夏休みイベントで用いたそうで、その後、子供たちの間でチリモン探しがブームとなりました。

 


深海からの「おつかい」?

2014年07月01日 | 日記
小川魚市場でサバ類の調査を行っていたところ、一風変わった魚が水揚されていました。サバと一緒に棒受網で漁獲されたそうで、一見するとリュウグウノツカイに似ているようですが、少し形が寸胴です。


 研究所で調べてみると、リュウグウノツカイと同じアカマンボウ目に属する「ユキフリソデウオ」の様で、体長は87cmあり、これまでの記録から成魚と思われます。
残念ながら、魚類検索図鑑に記載されていたこの魚の特徴である頭部の軟条は擦れてなくなっていましたが、もう一つの特徴である尾部のギザギザ状の側線は残っていました。


 このユキフリソデウオが今回漁獲された場所は水深50m程度しかない三宅島周辺であり、水面に浮上したサバに混獲されました。普段この付近で見ることの無い魚が、何故今回漁獲されたのか?原因は分かりませんが、まだまだ海の中には不思議なことがたくさんあります。