チーム駿河湾

静岡県水産技術研究所の職員が公私を問わず入手した静岡の海、漁業、海の生き物の旬な情報を発信します。

シラス船曳網の操業風景

2011年10月25日 | 日記
 10月20日に漁船の位置情報収集テストでシラス漁船に乗船しました。
 シラス船曳網の操業を紹介します。
 まず、魚群探知機(魚探)でシラスの魚群を探します。下の画像で右が自船である網船の高周波の魚探画像、真中が網船の低周波の魚探画像、左が手船の高周波の魚探画像です。シラス魚群は高周波には映りますが、低周波には映りません。二つの画像を見比べながら、シラス魚群をみつけます。

 網船は、魚群が多いこれぞという場所を見つけたら、素早く網を入れます。

 網を最後まで入れ終わると、手船が近づいてきて曳綱の一方を渡します。網船と手船の2隻で網を曳きます。45分から60分程度網を曳きます。


 網を揚げるときは、運搬船と手船が網船にもやいで繋がれ、3隻が一つになります。手船は曳綱を網船に渡します。網船はドラムで網を揚げていきます。


 魚捕りまで揚げたら、運搬船に移り、シラスを籠に取り入れていきます。


この日の一倉めは籠24杯の好漁でした。

トルコの魚事情 2

2011年10月21日 | 日記
 前回に続いてトルコの魚事情について紹介します。
 トルコの料理は、やはりいろいろなケバブ(焼肉)がメインですが、魚も結構食べるようで、町には魚屋が何軒か並んだ小さな市場がところどころにあります。
 これは、イスタンブールの街角の魚市場です。前の方に見える小型の魚は黒海産のカタクチイワシです。キロ300~400円と日本よりは高値で売られていました。料理法は、フライや頭と内臓、骨を除いてレモンスライスと一緒にオーブンで焼いたり、炊き込みピラフのようにして食べることもあるようです。
 
 これは、クシャダスというエーゲ海に面した小さな都市の市場の魚屋です。アジやサバ、マイワシも並んでいて、エーゲ海を身近に感じましたが、あちらのマイワシ資源の動向については分かりませんでした。

トルコの魚事情 1

2011年10月19日 | 日記
このブログは、駿河湾の海や魚についてのあれこれを紹介していますが、チームの一員がトルコへ旅する機会がありましたので、トルコの魚事情について一、二ご紹介します。
 トルコ最大の都市イスタンブールの港は、アジアとヨーロッパを隔てるボスポラス海峡という黒海と地中海を結ぶ狭い海峡に位置していることから、複雑に潮が入り込んで、太公望達の絶好のポイントになっています。狙いは主にアジのようです。
 

 この港では、小型の船の上で「サバサンド」という油で焼いたサバ半身と野菜をパンに挟んだものを売っていて、イスタンブール市民のファーストフードとして定着しています。因みに1個200~300円です。最近トルコでもサバは少なくなったということで、ノルウェー産とのことでした。

9月下旬の高潮

2011年10月17日 | 日記
 9月下旬に宮島で異常潮位で厳島神社が冠水する被害が生じたという報道がされていました。駿河湾でもその時期に潮位がかなり高かったことをご存知でしょうか?気象庁からは高潮注意報が出ていました。
 水産技術研究所の近くの水路では写真のように、満潮時には水があふれるような状況でした。もし、台風時であれば道路上まであふれ出していたかもしれません。

 気象庁のHPからダウンロードした清水の潮位と偏差は下図のように推移していました。

偏差から見ると、台風15号の通過時(9月21~22日)には気圧の低い影響で潮位が推算潮位よりも60cm高かったことがわかります。高潮注意報がでていた9月下旬の偏差は最大で+20cmと少ないように見えますが(+20cmの原因は現時点ではわかりません)、元々秋は平均潮位が高い時期にあたること(下図)、それに加えて大潮だったことも関係し満潮時には270㎝近い高さの潮位になっていました。

駿河丸の調査から(2)

2011年10月13日 | 日記
 波勝崎沖マリンロボ(写真)では先週からキメジが付いて、それを狙って釣り船が集まっていました。キメジは小型のキハダマグロの呼び名です。

 11日の午後2時すぎに波勝崎沖マリンロボの近くを通りました。その時は遊漁船の終了時刻を過ぎていたためか、1隻も釣り船はいませんでしたが、魚探にはキメジと思われる反応が水深100~160mに現れました。右側の低周波の画像のへの字状の反応(赤丸)がそれです。