チーム駿河湾

静岡県水産技術研究所の職員が公私を問わず入手した静岡の海、漁業、海の生き物の旬な情報を発信します。

ルシファー降臨

2014年11月07日 | 日記
調査船駿河丸で静岡県沿岸域のカタクチイワシ卵・仔魚の採集調査に行ってきました。
口径(長径)45㎝のプランクトンネットを水深150m層から表層まで垂直に引くのですが、目的の卵・仔魚よりも他の生物のほうが圧倒的に多く獲れます。卵の情報は静岡水技研HPの“しらす情報”に掲載するので、ここでは、他の生き物を紹介をします。
 まずは、ユメエビ(属名)の仲間です。頭が前方に細長く飛び出した特徴的な外観に惹かれます。属名Luciferは魔王や反逆天使という意味がありますが、全長1㎝内外しかも透明で華奢な身体を持つ生物に対しては少し大げさな名前かもしれません。
 左写真の種類は、体後半部の突起や尾部・生殖器の形態からケフサユメエビ(Lucifer penicillifer)の雄と査定できました。写真右は体後半部の突起がなく同種の雌と推定されます。「日本産エビ類の分類と生態Ⅰ.根鰓亜目(株式会社生物研究社)」によると、広くインド洋と西太平洋の沿岸・沖合に分布しています。
ユメエビ属は小型で多産されないので漁業対象外ですが、シラス船曵網で獲れる“ちりもん”の代表選手としても知られています。

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