バイという貝をご存知でしょうか。焼津周辺では「海つぼ」の名で知られており、居酒屋などで目にすることが多く、煮物が定番メニューです。
茶褐色の綺麗な斑紋がバイの特徴ですが、焼津の漁業者から、「形がバイにそっくりだが、斑紋がない貝がバイと一緒に採れるので調べて欲しい」と依頼がありました。
サンプルをいただいて調べたところ、確かに形では見分けがつきません。貝殻をよく見ると、綺麗に斑紋が出ている貝と全く斑紋が無い貝だけでなく、斑紋が一部にある貝や斑紋が薄く出ている貝など、中間形の貝も見つかりました(写真1)。
写真1:今回調べた貝の一部。一番左はよく目にするバイの模様。左から右になるにつれ斑紋が少なくなり、一番右の貝では斑紋が見当たらない。
ためしに斑紋が無い貝の肉を取り除いてみました。貝殻の内側を見てみると、斑紋らしき模様が見えたため、貝殻の内側から光を照射してみたところ、バイ特有の斑紋が浮かび上がりました。(写真2~4、全て同じ個体)
写真2:貝殻に斑紋がない貝
写真3:貝殻の内側に模様
写真4:内側から光を照射すると斑紋が浮かび上がる。
これらのことから、斑紋の無い貝も同じバイだろうと判断しました。文献を調べると、日本海側ではこのような斑紋なしのバイが見られるそうです。ネットで検索してみたところ、太平洋側の他地域でも斑紋なしの事例がありました。静岡では斑紋ありのバイがほとんどですが、何らかの条件によっては斑紋が隠れてしまうようです。その条件が何であるかについては、残念ながら解明することができませんでした。
茶褐色の綺麗な斑紋がバイの特徴ですが、焼津の漁業者から、「形がバイにそっくりだが、斑紋がない貝がバイと一緒に採れるので調べて欲しい」と依頼がありました。
サンプルをいただいて調べたところ、確かに形では見分けがつきません。貝殻をよく見ると、綺麗に斑紋が出ている貝と全く斑紋が無い貝だけでなく、斑紋が一部にある貝や斑紋が薄く出ている貝など、中間形の貝も見つかりました(写真1)。
写真1:今回調べた貝の一部。一番左はよく目にするバイの模様。左から右になるにつれ斑紋が少なくなり、一番右の貝では斑紋が見当たらない。
ためしに斑紋が無い貝の肉を取り除いてみました。貝殻の内側を見てみると、斑紋らしき模様が見えたため、貝殻の内側から光を照射してみたところ、バイ特有の斑紋が浮かび上がりました。(写真2~4、全て同じ個体)
写真2:貝殻に斑紋がない貝
写真3:貝殻の内側に模様
写真4:内側から光を照射すると斑紋が浮かび上がる。
これらのことから、斑紋の無い貝も同じバイだろうと判断しました。文献を調べると、日本海側ではこのような斑紋なしのバイが見られるそうです。ネットで検索してみたところ、太平洋側の他地域でも斑紋なしの事例がありました。静岡では斑紋ありのバイがほとんどですが、何らかの条件によっては斑紋が隠れてしまうようです。その条件が何であるかについては、残念ながら解明することができませんでした。
コメントありがとうございます。回答が遅くなり申し訳ありません。
ご指摘いただいたように、ウスイロバイは沖縄~台湾にかけて分布しているようです。
また、今回いただいたサンプルの最大殻高は最大で77mm(平均65mm)あり、ウスイロバイのサイズ(50mm程度)より、かなり大きいように見受けられたことからも、バイだろうと判断しています。
殻高でそれだけの有意な差があると、ウスイロバイの可能性は薄そうですね。
貝類は船舶のバラストに幼生が「密航」するのが問題になっていますが、地域亜種レベルの遺伝子コンタミがあるのかもしれませんね。
このまま斑紋の見えない個体群が定着するのか、経過を見守りたいですね。