チーム駿河湾

静岡県水産技術研究所の職員が公私を問わず入手した静岡の海、漁業、海の生き物の旬な情報を発信します。

伊豆諸島周辺のカツオ

2013年09月30日 | 日記
 伊豆諸島周辺で漁獲されたカツオ2.9トンの水揚げが9月20日に御前崎港でありました。体長の範囲は35~60cm(体重0.8~4.7kg)で、体長53cm(体重3.1kg)にモードがありました。16日に台風18号が通過して、漁場水温が27℃程度から25℃程度に低下しました。


水揚げされたカツオ


カツオの体長組成

マルソウダとヒラソウダ

2013年09月26日 | 日記
 前回はソウダガツオ類の1種であるヒラソウダについて紹介しましたが、今回はもう1種であるマルソウダについて紹介します。
 マルソウダは体型と体側の模様がヒラソウダと非常に似ています。区別するには鰓蓋上部の黒色斑が背中の黒色域と連続しているのがマルソウダ、離れているのがヒラソウダになります。さらに胸甲部(胸鰭付近の鱗がある硬い部分)がマルソウダはヒラソウダより側線上でより後方まで幅広く伸びています。
 ヒラソウダの身は血合肉以外が比較的白っぽい色をしていますが、マルソウダは濃い赤色をしています。マルソウダは宗田節(ソウダブシ)として加工され、濃い味が出るので、そばのダシなどに利用されています。一般に刺身で食べる機会はほとんどないですが、マルソウダはヒラソウダに比べて身に脂がのらず味は劣ると言われています。


マルソウダ


カツオとヒラソウダ


マルソウダの鰓蓋上部の黒色斑(背中の黒色域と連続している)


ヒラソウダの鰓蓋上部の黒色斑(背中の黒色域と離れている)


胸甲部(胸鰭付近の鱗がある硬い部分)の違い(資料:静岡水試伊東分場「いとう」第50号より)

オニカマス-バラクーダ

2013年09月20日 | 日記
 8月29日の新聞に、沼津の江梨の定置網に体長約1m、重さ6kgのオニカマスが入網したという記事が載りました。
 オニカマスは熱帯海域に生息し、カマスの仲間では最大になる種です。英名をバラクーダと言い、大型のものは人を襲うことがあることが知られており、シガテラ毒をもつこともあるそうです。
 記事には「幼魚は駿河湾でも確認できるが、成魚は珍しい」という水族館 伊豆三津シーパラダイスのコメントが載っています。Web上の情報も含めて、静岡県海域とその周辺海域でのオニカマスの記録を以下に取りまとめてみました。

 事例5を除いて考えると初夏、あるいは夏に稚仔が補給され、秋まで成長する過程でルアーで釣られている、夏から秋に黒潮に乗って迷い込んだ成魚が定置網に入網したり、ダイビングで観察されているという二つの構図が想定されます。

カツオとヒラソウダ

2013年09月12日 | 日記
 名前の一部にカツオと名がつく魚が何種かいます。その中に静岡県沖では夏に漁獲されるソウダガツオ類がいます。今回はソウダガツオ類の1種であるヒラソウダについて紹介します。
 カツオとヒラソウダは体型的には非常に似ていますが、大きな違いは体側の模様です。カツオは銀色のお腹に黒っぽい5本程度の直線模様がありますが、ヒラソウダは、背中に網目のような模様があります。さらに、ヒラソウダの目は、カツオに比べて相対的に小さくなっています。
 ヒラソウダは、鮮度落ちが早いためスーパーなどに流通する量は少なく、獲れた地元で刺身や焼き物で利用されます。



カツオとヒラソウダ


体側の模様


頭部