前回はソウダガツオ類の1種であるヒラソウダについて紹介しましたが、今回はもう1種であるマルソウダについて紹介します。
マルソウダは体型と体側の模様がヒラソウダと非常に似ています。区別するには鰓蓋上部の黒色斑が背中の黒色域と連続しているのがマルソウダ、離れているのがヒラソウダになります。さらに胸甲部(胸鰭付近の鱗がある硬い部分)がマルソウダはヒラソウダより側線上でより後方まで幅広く伸びています。
ヒラソウダの身は血合肉以外が比較的白っぽい色をしていますが、マルソウダは濃い赤色をしています。マルソウダは宗田節(ソウダブシ)として加工され、濃い味が出るので、そばのダシなどに利用されています。一般に刺身で食べる機会はほとんどないですが、マルソウダはヒラソウダに比べて身に脂がのらず味は劣ると言われています。
マルソウダ
カツオとヒラソウダ
マルソウダの鰓蓋上部の黒色斑(背中の黒色域と連続している)
ヒラソウダの鰓蓋上部の黒色斑(背中の黒色域と離れている)
胸甲部(胸鰭付近の鱗がある硬い部分)の違い(資料:静岡水試伊東分場「いとう」第50号より)