チーム駿河湾

静岡県水産技術研究所の職員が公私を問わず入手した静岡の海、漁業、海の生き物の旬な情報を発信します。

小笠原諸島周辺のカツオと伊豆諸島周辺のクロマグロ

2012年02月24日 | 日記
 御前崎港に小笠原諸島周辺で漁獲されたカツオ13.7トンの水揚げがあり調査に行ってきました。体長範囲は37~83cmと幅広く3モード群(41cm、56cm、68cm)がみられました。また、伊豆諸島周辺で漁獲されたクロマグロが水揚げされていました。体長範囲は51~59cmで56cmモード群でした。


                  水揚げされたカツオ                                                 カツオの体長組成


                 水揚げされたクロマグロ                                               クロマグロの体長組成

マサバ漁始まる

2012年02月20日 | 日記
 本年も1月29日夜に「ひょうたん瀬」*でマサバ漁場が形成され、小川港(焼津市)では、その後も順調にマサバの水揚が続いています(写真)。漁場形成が前年より10日ほど早いこと、サバ船の船頭からの「ひょうたん瀬の(魚探)反応は多い」との情報もあることから、本年のマサバ漁は好調あった前年をさらに上回る可能性が高いと予想されます。
 現在の漁獲サイズは図のとおりで、3歳魚が主体となっていると思われます。マサバ漁は、この3歳魚を主体に5~6月頃まで続く見込みです。
  *「ひょうたん瀬」→新島の西にある海山で、有数のサバ漁場です。


写真 水揚されたマサバ(2月20日 小川港)


図 平成24年2月上中旬のマサバ体長組成

2月の駿河湾

2012年02月16日 | 日記
 1月下旬に駿河湾内への強烈な黒潮系暖水流入が発生しました。暖水の流入は急潮を引き起こし定置網などに被害をもたらすことがあるので、水技研では急潮に関する情報を発行して関係所に連絡しています。

 ここでは2月に入ってからの状況をお知らせします。1月下旬の暖水波及のあと、湾内の水温は徐々に下がってきました(下図:内浦の水温)。しかし、2月7日と14日に駿河湾口東部に位置する妻良沖と波勝崎沖の観測ブイで昇温が観測されました(下図)。7日の昇温は妻良沖だけでしたが、14日は妻良沖と波勝崎沖で観測されました。7日の暖水波及は駿河湾口だけにとどまりましたが、14日のほうは規模が大きく、湾奥まで暖水が流入する可能性があります。



伊豆・小笠原諸島周辺のカツオ

2012年02月15日 | 日記
 2月14日に小笠原諸島周辺で竿釣り船により漁獲されたカツオ17.4トンの水揚げが御前崎港であり調査に行ってきました。体長範囲は63~77cmで67cmモード群が主体でした。
また、2月としては珍しく曳縄で漁獲されたカツオも水揚げされていました。黒潮が伊豆諸島付近で沿岸に接近しているため、カツオも近くに寄っていると思われます。


竿釣り船で漁獲されたカツオ(体長70cm前後)


カツオの体長組成


曳縄で漁獲されたカツオ(体長40cm台後半)

平成23年度シラス漁況を振り返る

2012年02月08日 | 日記
 平成23年度シラス漁は平成24年1月14日をもって終漁となりました。平成23年度の主要6港(静岡、吉田、御前崎、遠州、舞阪、新居)における総水揚量は8,022トンで、前年(6,403トン)の125%、平年(6,890トン)の116%と、前年、平年を上回りました。
 今漁期の特徴は、以下の点でした。
1 主要6港漁期累計水揚量が8千トンを超えました。これは平成11年以来の高水準です。
2 解禁当初はマシラス主体でしたが、4月下旬以降の黒潮系暖水の波及や黒潮内側反流の発達とともにカタクチシラスが主体となりました。
3 5月末までの漁況経過から今漁期は初夏不調パターンと予測されました。その予測どおり、6月には落ち込み、 7月以降は回復して11月まで8月を除き好漁となりました。

年間漁獲パターンは、前年と同様、夏秋漁が中心となりました。今後、マイワシ資源が増加してくると春漁はマシラス、夏秋漁はカタクチシラスで構成されると考えられます。