チーム駿河湾

静岡県水産技術研究所の職員が公私を問わず入手した静岡の海、漁業、海の生き物の旬な情報を発信します。

定置網でブリ大量入網

2012年04月24日 | 日記
4/16以降に駿河湾内に暖水が入り、その影響か、地頭方と相良の定置網でブリの大量網がありました。大きさはイナダ、ワラサが中心でした。写真は地頭方の仕分け作業の風景です。この海域ではこのように一度に大量に入網することがあります。この時期の身は脂が余りありませんが、鮮度のいいうちに厚めに切って食べると歯ごたえを楽しむことが出来ます。もう一度湾内に暖水が入れば、漁模様も替わるでしょう。



珪藻の大発生

2012年04月18日 | 日記
4月10、11日に行った地先定線観測で、駿河湾内から遠州灘にかけての広い海域で、植物プランクトンが大量に発生しているのが観察されました。プランクトンネットによる採集では、250mlの標本瓶1本に入りきらないため、数本に分けて持ち帰りました。
 これは珪藻の1種でThalassiosira diporocyclus(タラシオシラ・ディポロサイクルス)と思われ、昨年度もこの時期に観察されていましたが、今年は昨年よりも広い範囲で観察されています。
 黒潮に近い北緯34度の観測点の表面水温は19℃で、ここでは観察されなかったことから、この珪藻の発生は黒潮内側の沿岸域で起こっていると考えられます。現在、黒潮の蛇行が伊豆諸島の東に移動しつつあり、今後、黒潮が接岸して沿岸に暖水が入ってくれば解消されると思われます。



プランクトンネットによる採集物。通常は右端であるが、今回は左側の観測点が多かった。


顕微鏡で丸い珪藻が大量に観察されました。

黒潮流域のカツオ

2012年04月17日 | 日記
 御前崎港に黒潮流域(水温約22℃)で漁獲されたカツオ5.4トンの水揚げがありました。体長範囲は45~68cmで62cmにモードがみられ、小笠原諸島周辺のカツオの体長組成と類似していることから、北上してきた個体と考えられます。船頭の話しでは、鳥、餌生物と魚群は少ないとのことでした。


水揚げされたカツオ


カツオの体長組成

紀伊半島沖合のカツオ

2012年04月11日 | 日記
 御前崎港に紀伊半島沖合(水温19.8~20℃)で漁獲されたカツオ6.8トンの水揚げがありました。体長範囲は40~69cmで42 cm と59cmにモードがみられました。体長42cm前後の個体は今後、日本近海に北上すると思われます。この個体は3月下旬に漁獲物に見られるようになり、今回測定した水揚物内での割合は、重量で2.5%、尾数で18.2%でした。


体長42cm前後のカツオ


カツオの体長組成

黒潮の状況

2012年04月10日 | 日記
 一昨日から神津島の潮位が上昇し始めました(下図)。これは、黒潮が神津島に接近しつつあることを表しています。

 昨日の海況速報(下図)では、駿河湾沖の黒潮の小蛇行(赤矢印)の峰から暖水が広がっています。この暖水(18~19℃台)が、本県沿岸に波及する可能性があります。