チーム駿河湾

静岡県水産技術研究所の職員が公私を問わず入手した静岡の海、漁業、海の生き物の旬な情報を発信します。

早春の生鮮カツオ、マグロの水揚げ

2011年02月25日 | 日記
 2月25日に御前崎港へカツオ、マグロの魚体測定調査に行ってきました。近海一本釣り船が小笠原諸島周辺で漁獲したカツオ、ビンナガ、ダルマ(メバチ小型魚)、曳縄船が伊豆諸島周辺で漁獲したマメジ(クロマグロ幼魚)を水揚げしていました。
 カツオは体重4kg以上の大型個体が多く、漁業者の間では特特大と言われる9kg以上の個体も含まれていました。身に脂は乗っていませんが、赤身が強く見た目にきれいで、さっぱりした味わいのカツオです。


 マメジは10日ほど前から漁獲され始めた模様です。これは同時期に黒潮からの暖水が伊豆諸島周辺を覆い、水温が上昇したことが影響していると考えられます。

シラス漁場は今・・・0216-17駿河丸調査航海記4

2011年02月24日 | 日記
 2月16日午前中には、駿河湾内のシラス漁場でシラスの分布を調べました。

 昨日(23日)、サンプルからのシラスの抜き出し作業が終わりました。シラスにはカタクチシラス(カタクチイワシの仔魚)、マシラス(マイワシの仔魚)、ウルメシラス(ウルメイワシの仔魚)の3種があります。現在禁漁となっている沿岸部には、平均全長30mmと19mmのウルメシラスと平均全長12mmのマシラスが主に分布していました。過去2年間はカタクチシラスがかなりの割合で分布していましたが、今年はほとんど採集されませんでした。シラスの世界にも大きな変化が起こっているようです。

左から30mmのウルメシラス、19mmのウルメシラス、12mmのマシラス

 なお、シラス3種の見分け方は水技研HPを見てください。
(http://fish-exp.pref.shizuoka.jp/04library/4-1-7.html)


マシラス・・・0216-17駿河丸調査航海記3

2011年02月23日 | 日記
 2月16日から17日に、駿河丸は伊豆諸島海域から駿河湾沖にかけて調査航海を行いました。本来の調査目的であるシラスの採集結果です。

 駿河湾内から駿河湾沖にかけて6ヶ所でシラスを採集することを目的にネットを曳きました。水産技術研究所に持ち帰った採集物の中からシラスを抜き出し、その種を同定し、数を数え、大きさを測ります。

採集物

 採取されたシラスはそのほとんどがマシラス(マイワシのシラス)でした。マシラスは駿河湾内では採集されず、沖合いで採集されました。

ヒレナガユメタチ・・・0216-17駿河丸調査航海記2

2011年02月22日 | 日記
 2月16日から17日に、駿河丸は伊豆諸島海域から駿河湾沖にかけて調査航海を行いました。2回目のトピックスはヒレナガユメタチです。

 遠洋水産研究所調査船俊鷹丸が計量魚探で発見した魚群エコーを確認する釣獲試験は17日朝にも金洲(御前崎南に位置する礁)で行いました。そこで写真のようなヒレナガユメタチEvoxymetopon poeyiが釣獲されました。全長120㎝、体重1.5㎏でタチウオのような銀箔色の細長い体ですが、タチウオとの大きな違いは背びれの第1棘が大きく伸びていること、サンマのような尾びれがついていること(タチウオの尾びれは糸状です)です。
 熱帯性の深海魚とされており、ネット上の情報を参照すると静岡県近海での採捕は珍しいと考えられます。ネット上では試食の結果は「決しておいしくなく、二度と食べたくない」などと載ってますが、塩焼で食べたところ、それなりのおいしさでもう一度食べてもいいかなという感じでした。

頭部と尾びれ


ひょうたん瀬のサバ漁場・・・0216-17駿河丸調査航海記1

2011年02月21日 | 日記
 2月16日から17日に、駿河丸は伊豆諸島海域から駿河湾沖にかけて調査航海を行いました。そこでのトピックスを順次紹介します。

 遠洋水産研究所調査船俊鷹丸が計量魚探で発見した魚群エコーを確認する釣獲試験を16日にひょうたん瀬で行いました。ひょうたん瀬は伊豆半島と新島や神津島といった伊豆諸島の間にあるひょうたん型をした漁場です。写真は16日16時30分の駿河丸のレーダー画像です。赤い線がひょうたん瀬で、青い尾(航跡)をひいた赤い印が船を表しています。真ん中の船が釣獲試験をしている駿河丸です。ひょうたん瀬の南側に漁船が続々と集まってきています。
 このあと、日が落ちるとともに“たもすくい”の操業が行われ、マサバ(平さば)が漁獲され、焼津小川港などに水揚されました。この時期の平さばは産卵を控え脂がのっており、大変おいしい魚です。