チーム駿河湾

静岡県水産技術研究所の職員が公私を問わず入手した静岡の海、漁業、海の生き物の旬な情報を発信します。

食べておいしいイカたち(その4)

2014年08月08日 | 日記

 

 

 

写真は7月中旬に焼津市の小川市場に水揚されたケンサキイカ(剣先いか)です。生きている時は透明な体ですが、水揚されると外套膜(胴部)が赤くなるので、地元では“赤いか”とも呼ばれます。

ヤリイカ科ヤリイカ属に属し、形はヤリイカ(槍いか)によく似ていますが、外套膜の幅が広く、身厚です。また、2本の触腕が長くて太いのが特徴です。

 以前、アオリイカについて“甘みが強く、ねっとりした食感の刺身の味は、イカ類の中で最もおいしいと言う声が多いようです。”と書きましたが、ケンサキイカ支持者からは“それはケンサキイカのことでしょう?”と反対意見を突きつけられそうです。実際、どちらを選ぶか悩ましい選択です。

アオリイカの旬は春ですが、夏以降に大型の水揚がほとんどありません。一方、ケンサキイカは夏が旬です。このため今、生で食べることのできるおいしいイカとして、私はケンサキイカを一押しします。

 昨日、おろして食べたケンサキイカは愛媛県産で外套背長20cm程度の大きさでした。刺身のおいしさに箸がとまらず、ビールの供のつもりであったのが、飲む前に半分以上平らげてしまいました。刺身を削ぎとった残りの外套膜の身皮、げそ、エンペラ、頭周りの身を電子レンジで加熱しましたが、部位ごとに異なる食感を楽しむことができました。台風11号の影響で全国的に鮮魚の入荷があまり期待できないかもしれませんが、今日も魚屋に寄って帰るつもりです。