チーム駿河湾

静岡県水産技術研究所の職員が公私を問わず入手した静岡の海、漁業、海の生き物の旬な情報を発信します。

生カツオの初水揚げ

2015年01月26日 | 日記
1月23日、御前崎魚市場で今年初めて近海竿釣り船の水揚げがありました。
地元、南駿河湾漁協所属の「第11福栄丸」が中南海域(北緯22°付近)で漁獲した生カツオ約20トンです。
漁場が遠いため、3~4日目の漁獲物ですが、特大(7~9kg)や大(5~7kg)が主体で、身質のしっかりしたカツオでした。
今年初の近海船水揚げとあって、夜明け前から大勢の市場関係者やマスコミ取材が集まり、午前7時の競り前には南駿河湾漁協や仲買人組合の代表から年頭の挨拶がありました。
昨年は11月中旬で近海カツオが終漁し、生カツオを扱うのは約2ヶ月ぶりとなるため、市場の競り声も活発でした。
船頭の話では「去年に比べて魚群は多く見える」とのことで、「昨年は不漁だっただけに、良い年にしたい」と期待しているようです。
前日には千葉県勝浦でも生カツオの水揚げがあったようで、この週末は各地の鮮魚売り場で今年初の生カツオが見られそうです。


  図1 岸壁から市場へ水揚げする第11福栄丸


  図2 競り前のあいさつ


  図3 トロ箱に並んだカツオ 


  図4 体長測定の様子


紋所は黒い半円!

2015年01月22日 | 日記

 昨晩、食べた釜揚げしらすは、しらすとしては大型であったので1尾1尾食べる前に、しらすの種類を確認してみました。 お馴染みの、かたくちいわし、まいわし、うるめいわしのいわし類しらす御三家の中に、別の“しらす”が数尾混っていました。 体長は35mm、いわし類のしらすと同様に白色の仔魚なのですが、腹に半円状の黒色素斑が6個並んでいます。これはエソ科オキエソの特徴です。黒色素斑を7個持つのがチョウチョウエソ、8個持つのがホシノエソで、これらも同じ浅海域に生息するエソ科の仔魚です(東海大学出版会、日本産稚魚図鑑、沖山宗雄編)。  こうしてちびちび飲みながら、静岡県沿岸の生態系の豊かさを垣間見ることができて、何か得した気分になりました。


愛嬌ある姿のカイワリ君

2015年01月05日 | 日記
 横から見ると近縁のシマアジよりもだいぶ体高が高く、また、丸みを帯びていますが、平たく言うと平たい形の魚です。この姿形に愛嬌を覚えるのは私だけでしょうか?
 本種は太平洋側では金華山、日本海側では能登半島以南に多く、また、韓国、東海、南海に分布します。
釣り、定置網や底曳網で漁獲されるのは20cm内外の大きさで、30cmを超えるものもありますが、静岡県では一度に大量に漁獲されることのない希少種です。
旬は夏といわれ、肉は美味とされています。
 11月後半、私の近所にある興津の魚屋さんで1尾分だけ刺身になって売られているのをみつけました。珍しく思い購入し食したところ、マアジとは違った味わい深さがありました。
 カイワリ君、またの再会を!