チーム駿河湾

静岡県水産技術研究所の職員が公私を問わず入手した静岡の海、漁業、海の生き物の旬な情報を発信します。

イワシを測ってます

2011年06月30日 | 日記
 静岡県内で獲れるイワシには3種類あります。写真の上から、マイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシと並んでいます。これは沼津の内浦湾で旋網が漁獲したカタクチイワシの中に混じっていたものです。この時期、イワシ資源担当者は頻繁にイワシを測定しています。

 独立行政法人水産総合研究センターが6月上旬にマイワシ2010年生まれは卓越(数が他の年と比べて格段に多い)であると発表しました。これが本県の漁業にどのように影響するのか、マイワシがどのように増えてくるのか、カタクチイワシが減ってしまうのかに注目しています。

梅雨時の苦労

2011年06月21日 | 日記
 このところ続く梅雨空が、当研究所の情報サービス「関東・東海海況速報」の担当者を悩ませています。
 この海況速報、平成20年4月から運用となった水温分布図で、漁業や海洋レジャーに関わる利用者から好評を得ていますが、発行に当たっては、沿岸測点や船舶からの実測水温、気象庁解析水温、2種類の人工衛星による水温データを基に、PCによる合成処理を経て、関係都県の職員が一定期間の交代制で作図を担当しています。
 今週から静岡県の作図当番になりましたが、ここ数日、梅雨前線の影響で東海沿岸の上空は雨雲に覆われ、人工衛星NOAAからの水温情報がほとんど無いに等しい状況です。もう一つの人工衛星AQUAは雲があっても情報は得られますが、沿岸近くの情報が不足します。頼りになるのは、各地の実測水温のほか、関係都県の海況担当者からのローカル情報や推測案など。最終的にはこれらを総合的に勘案して黒潮の流路を判断し、担当職員が手書きで仕上げます。
 以前のシステム(一都三県漁海況速報、衛星情報はNOAAのみ)に比べ、天候に左右される要素は少なくなったものの、今年6月に入ってから静岡の日照時間は平均2.6時間/日、梅雨空が長く続くとさすがに苦労するようです。
 梅雨の晴れ間を期待するとともに、この時期の海況速報を利用する際に、担当者の苦労を想い浮かべていただけば幸いです。

NOAA衛星のAVHRR水温情報(雨雲に遮られて海面情報が得られないため真っ黒)


悩みながら作図作業する担当者

海況図はこちら
http://fish-exp.pref.shizuoka.jp/01ocean/kouseido.html

5月までのシラス漁況と6月以降の予測

2011年06月15日 | 日記
 3月21日に解禁したシラス漁の5月末までの状況をお知らせします。主要6港(用宗、吉田、御前崎、福田、舞阪、新居:この6港で県内漁獲量の8~9割以上を占める)の3月~5月までの漁獲量は2,325トンで平年(2,100トン)を上回りました。旬別にみると、4月下旬の暖水波及にあわせて漁況が好転し、その後も平年並みから上回って経過しました。 6月になり、駿河湾、6月中旬になり遠州灘で漁況が低調になっています。
 5月末までの獲れ方から、今年の漁獲パターンは初夏不調パターンに分類されます。このパターンは初夏(6月前後)の不調の後、夏以降漁況が回復するもので、5月下旬累積漁獲量と漁期漁獲量の関係から今期の漁獲量は8,100トン(6月以降の漁獲量は5,800トン)と平年の7,000トンを上回ると予想されます。

6月14日の用宗港、この日はシラス漁は休みでした。

小型のアイゴが漁獲されました。

2011年06月15日 | 日記
相良の定置網でアイゴの小型個体が採捕されました(平成23年6月15日)。地頭方の定置網でも確認されているそうです。沼津方面のダイビング情報では昨年生まれと思われる全長12cm程度の群れが目撃されています。今後も小型個体が多く出現すると思われますので、現場巡回を出来るだけ行いたいと思います。