青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

港の裏でひっそりと行われている白い粉末の受け渡しをこっそり激写してみる

2017年02月27日 17時00分00秒 | 関西本線

(港の風景@四日市港専用線)

5271レの後は、次のお目当てとの間に少しインターバルがあるので四日市港へのセメント便を見学しに行きました。四日市港周辺の専用線では、まず全国唯一の鉄道用跳開橋である末広橋梁の名前が挙がるところなんですが、なんとこの日は末広橋梁南側の運河に浚渫用の台船が無慈悲にドカンと鎮座してしまっていてアングルもクソもない。まあ橋は前に撮った事があるからいいんだけど、この橋の風景を見たくて来たであろう旅風情の大学生のあんちゃんはガックリしとったで…それならってんで橋の撮影はヤメにして四日市港の奥部を歩いてみるのだが、何とも味わいのある古びた倉庫街になっていて、この辺り「あぶない刑事」の映画ロケとかにも使われたんだとか。そう言えば、あぶ刑事の本編でもエンドロールで在りし日の高島貨物駅が使われてますね。刑事モノと港湾部の倉庫の親和性の高さよ。

  

埋め立て地の一番先にある、太平洋セメントの四日市港の施設。三岐の東藤原からタキで持って来たセメントは、ここに集められて船便で全国に発送されております。入替用のスイッチャーが止まってるね。正式名称は「太平洋セメント藤原工場四日市出荷センター」と言うらしい。太平洋セメントと言えば秩父、岩手開発、三岐鉄道と鉄道貨物マニアは足を向けて寝られないセメント貨物の最重要荷主様でございますので、貴社の末永き発展を祈念しております(笑)。

 

港にけたたましいサイレンの音が鳴り響いたら入替開始の合図。遠くから末広橋梁を渡るセメント貨物のジョイント音が聞こえて来ます。セメント貨物受け渡しのY線に入って来たのはDD51825@5363レ、愛知機関区の中ではこのカマだけナンバーのとこまで赤で塗られているので目立ちますね。アタマまで真っ赤に塗られていてタコ坊主のような雰囲気も愛らしいカマですが、私が四日市来るとだいたいセメント担当に入るのってコイツなんだよね。相性ってあるんだね。

  

ここからの入替風景は極めてルーティーン的にサクサクと。DD到着→DD解放→機回し→DD橋側に逃げる→スイッチャー返空タキを持って登場→返空タキにDD連結→DD発車→スイッチャー機回し→スイッチャー積載タキに連結→港のサイロへという一連の流れがものの10分弱の間に行われる。まあ多い日は一日に5回もやらなきゃいけないセットなのでそう騒ぐことでもないのかもしれませんが、毎回このよどみない流れには感心してしまうのであります。


セメント専用貨車タキ1900。総勢1700両余りが製造されたセメント輸送用のスタンダードナンバーですが、もはや全国で使用しているのはここだけ。残存両数も100両を切ったらしい。今後もセメント輸送を鉄道貨物で行うのであればそろそろ後継の貨車が開発されても良さそうなもんだけど、今のところそんな話は聞こえて来ませんねえ…。言い方悪いけど、三岐のカマ(DD45)とどっちがくたばるのが先かって事なのだろうか。くたばったらそこで試合終了なので、故障もあるだろうけど大事に使って欲しいもんだ。

あ、この一連の光景にはタイトルのようなやましさは特にありません(笑)。
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