青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

いつだって 別れ話は 突然に。

2022年01月12日 17時00分00秒 | 東武鉄道

(何気ない風景の中で@新高徳駅)

東武6050系。言わずと知れた、現代における私鉄急行型の代表的な車両で、浅草口からの日光・会津方面への快速用車両として長年活躍して来ました。特急リバティの運行開始により会津快速から撤退して以降は、南栗橋以遠の急行や野岩線方面のローカル運用が主戦場とはなったものの、まだまだ元気に活躍をしてくれるものと信じておりました。2ドアの間に並んだ端正な窓配置、折り畳みテーブルの付いたボックスシートに、くずかごとトイレ付きの車両は居住性も良く、個人的に凄く好きなクルマ。それだけに、折に触れ撮ったり乗ったりもして愛でては来たんですが、ここに来て日比谷線乗り入れの20000系を改造した20400系が大量に投入されたことで、活躍の場を大きく減らしています。僅かに残った優等運用のうち、朝6時に新藤原を出る区間急行(150レ)を新高徳の駅で。冷え込んだ冬の朝、赤幕を光らせながら部活に出掛ける高校生の待つホームに滑り込みます。

去年の夏以降、急激に淘汰が進む6050系。車体こそ新造されてはいますが、半数が旧6000系から部品を流用したという足回りの古さがネック。もう半数は増備のために完全に新造されたグループではあるんですが、ひっくるめてデビューから35年以上経過し、色々と老朽化しているというのは確かなんでしょう。館林で改造された20400系が1本また1本と運用を開始する都度、ジリジリと数を減らす6050系の先行きを案じてはいたのですが・・・12月某日、東武鉄道より「2022年3月以降は南栗橋以北の列車をワンマン化し、日光鬼怒川地区の運転体系を大幅に見直す」との発表。同時に野岩鉄道からも、17往復/日の運行をなんと10往復まで削るという衝撃の大減便の報。そしてトドメは、会津鉄道から同日のダイヤ改正プレスの中に「東武鉄道のワンマン運転の開始に伴う、会津田島~会津高原尾瀬口間の6050系電車運転取り止め」のお知らせがありましてね。これ、6050系、ヤバくね?ってなったんですよ。

上記の情報を総合すると、

1.6050系はワンマン運転に対応出来る装備がない(改造工事をしている雰囲気もない)
2.よって、3月以降の南栗橋以北の列車は、20400系その他へ変更となりそう
3.野岩鉄道線17往復/日→10往復/日へ。但し、リバティ4往復は維持
4.3より、減便されるのはおそらく朝晩の普通列車運用
5.会津鉄道からの撤退。田島~尾瀬口間はDC対応。AIZUマウントエクプレス2往復→1往復へ

という事で、どうやら2022年3月以降、6050系の働き口はほぼなくなってしまう、という事になります。可能性として残るのは、野岩線内のリバティとAMEを除いた5往復の普通列車運用(1往復は鬼怒川温泉乗り入れ)ですが、この3月のダイヤ見直しで、少なくとも東武鉄道と会津鉄道からは6050系の撤退がほぼ決定的な事案となってしまいました。

うあー、早い。いつかこんな日が来るかと思ってたけど、予想以上に早い別れが目の前に突き付けられた。東武の上層部で計画はあったんだろうけど、コロナによってそれが加速度的に進んでしまったという事なのか。僅かに線内運用のために野岩鉄道持ちの3編成(61101~61103Fの3本)は残るかもしれないが、あと2ヶ月かよ・・・という事で、今回は6050系の事実上の引退を絡めて会津行きを決めたというのもある。「引退が決まってから慌てて動く葬式鉄は、冬のカットしか残せない」というのはけだし名言ではありますが、それでも「自分の好きなもの」をワンカットでも残したいってのは人情でございます。南無三宝の思いで、赤幕の区間急行を見送る夜明け前の新高徳なのです。


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