青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

常陸路の鮮色彩

2019年11月04日 17時00分00秒 | 水郡線

(常陸路秋景色@後台~下菅谷間)

水郡線は、名前の通りに水戸~郡山を結ぶ(正確には郡山の手前の安積永盛まで)本線と、上菅谷から常陸太田までの10km程度の支線を合わせた総計150kmの路線です。茨城県と福島県、北関東と南東北、久慈川水系と阿武隈川水系を結ぶ長大なローカル線ですが、水戸近郊の区間は運転本数も多く、通勤通学客の姿も目立ちます。那珂インターを降りてから向かった線路をまたぐ高架橋から眺めてみると、残り柿とススキの向こうに後台の駅が見えました。

水郡線の主力気動車であるキハE130系。JR東日本の中では新世代の気動車って感じがする。国鉄時代はキハ28・58やキハ40系列がゴロゴロしていた水郡線ですが、当時は上野から急行奥久慈なんて列車も走っていましたねえ。水戸までは急行ときわに併結されていたので、奥久慈併結の急行ときわは交直流電車の457系ではなくキハ28・58で運転されていたのを思い出します。日中の柏とか松戸あたりを古ぼけた気動車急行が爆走していたのが懐かしいな。急行奥久慈が廃止された後は、そのまま奥久慈編成はつくば万博の「エキスポライナー」に投入されていましたね。取手の先で直流と交流が切り替わる常磐線の特性もあって、デュアル走行の出来る交直流電車が万博輸送には極端に不足していたのですが、気動車だったら関係ないからね。

水郡線はJR化以降一時期キハ110系列で置き換えられていた記憶があるのですが、早々にこのE130系列が投入され、キハ110系列は東北の他の路線へ転出して行きました。水戸~常陸太田間は朝夕それなりのラッシュがあるので、2ドア車では客を捌きにくいというのがあったのかもしれません。かつての八高線や相模線のような首都圏の非電化路線に使われていたキハ30・35系は、通勤型気動車と言われて通勤通学需要に応えていましたが、JRになってからはこのジャンルのニーズにフィットした気動車というものの新造はありませんでしたのでね。キハE130系列はまさしくキハ30・35系列のような3ドアロングシートの通勤型DCの系譜を継ぐ存在ですが、こちらは通勤輸送も観光輸送もこなせるようセミクロスシートの車両も用意されています。

何といってもキハ130系列の特徴は、JR東日本にしては珍しい(?)このド派手な塗り分けでしょうか。ブラックフェイスに配した前面の黄色のラインは、視認性を高める警戒色なのかな。側面もグリーンの太いラインにドアは黄色、そして戸袋にブルーのフィルムを配した側面のカラーリングは、どっちかと言えばJR九州の車両なんじゃねーかと錯覚しそうになる。水郡線には側面がグリーンの車両とレッドの車両があるのですけど、それぞれが奥久慈の新緑と紅葉を表しているのだそうだ。朝の光を浴びて秋の常陸路を駆けるキハE130系。真面目に撮影するのは初めてですが、ちなみに子供が地上から、オトーサンが高架橋の上から撮影しています(笑)。


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