青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

塔ノ沢雨情

2020年06月21日 17時00分00秒 | 箱根登山鉄道

(雨に煙る窓@塔ノ沢駅)

待合室の窓をしとどに叩く雨。梅雨の時期、咲き始めた紫陽花の色付きが、少し曇った窓のガラス越しに淡く映ります。箱根登山電車の試運転、大平台で晴れの日を撮影した後は、塔ノ沢で雨の日をしっとりと撮影したいねえ・・・なんて思っていました。いつもとは逆に雨の日を選んで、再び小田原厚木道路を西へ。

函嶺洞門の前から青葉の坂道を登れば、山峡の小駅・塔ノ沢。塔ノ峰と大ヶ嶽の二つの隧道に前後をぴったりと挟まれた塔ノ沢の駅は、箱庭感のある素敵な雰囲気。湯本行きのホーム側には、この時期紫陽花が咲き乱れるのですけど、下の方の株はしっかりと咲き始めてますね。駅裏の小俯瞰から眺めていると、濡れたレールを軋ませて試運転のベルニナB1編成が通り過ぎて行きました。

花が咲き、頭の重くなった紫陽花が、雨に打たれて首を垂れています。この日も試運転に入っていたのはB1編成とマルハチマルキューコンビ。大平台を訪れた6月上旬はさすがに早かったので、シテンの間にしっかりと紫陽花×登山の旧型を撮っておきたかったんですよね。この時期の塔ノ沢は、夜のあじさい電車の運行に合わせ、植生だけじゃなく鉢植えの紫陽花も持って来て盛り盛りに盛るんですけど、今年は流石にあじさい電車は間に合わないでしょうね。

人っ子ひとりいない雨の塔ノ沢で試運転を待っていると、大ヶ嶽隧道からオデコの一灯ライトを光らせて109が降りて来ました。雨に濡れて艶めきを増したアマガエルが、紫陽花の駅で一休み・・・そんな情景を切り取る事が出来ました。


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