青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

晩夏を漕ぐ 夏の越前・私鉄旅その9

2014年09月20日 00時55分12秒 | えちぜん鉄道

(終着駅の一つ前@比島駅)

勝山駅でレンタサイクルを借りたアタクシ。勝山駅の裏手からえち鉄に沿って一本の小道が続いておりましたので、とりあえず線路に沿ってチンタラと里山風景の中をサイクリング。事前の天気予報では曇り時々雨くらいの話だったのだが、打って変って好天に恵まれたなあ。おかげで暑い暑い!普段は何の運動もしていない身にはたかだか10分ほどのサイクリングでもすでに汗だく。辿り着いたのは勝山駅から一つ手前の比島駅。

 

比島駅は、まるで併用軌道のような集落の小道に沿って佇む静かな駅。森の向こうから緩くカーブして続いているレールと、夏の日差しに揺れる集落の木立に包まれた小駅は極めていい雰囲気で、映画のワンシーンに出て来てもおかしくないようなロケーションがあります。例えばこの駅で女学生が一人立って電車を待っているだけで、なんか凄く物語性が出るような…そんな気がする駅です。そして、私がひそかに提唱する「ローカル私鉄の終点の一つ前の駅はいい駅」の法則をしっかり守ってくれているねw


夏色の比島の集落を出る6112編成。って編成って言っても単行なんですけどね。稲穂の色もほのかに色づき、暑いながらもアキアカネが稲田を渡る風景に季節の移ろいを感じます。バックの農家は比島駅前にある立派な農家なんですけど、北陸の農家は立派なおうちが多いですね。

 

比島駅から続く道はやがて森の中に吸い込まれ、いよいよ線路と同化するレベルに細くなって行きます。行き止まりなのかな…?と思ったのだが、やがて細道は線路をまたいで反対側に出ます。そして、こんな細道にも立派な遮断機付きの踏切がありまして、一時停止の白線なんぞも引かれている。このレベルの道の踏切なら第四種で済ませるもんだが…木立の中で一時の涼を求めて休んでいると、律儀に警報機が鳴り福井行きの電車が通過して行った。ちなみにこの踏切の名前は「草刈場踏切」と言うらしい。昼間はいいけど夜はちと怖いw


森を抜けてえち鉄の電車がやって来る。こんな人跡稀な踏切でカメラを構えていると運転士の方もさぞかしビックリされるのではなかろうか。2連のMC7000型7010編成、タネ車は先日までJR東海の飯田線で走っていた119系だそうなのだが、えち鉄入りに際して前面の改造を施されており昔日の面影はありません。ってか制御方式も抵抗制御からVVVFに換装しているのでバリバリの新車みたいなもんだよね。前照灯も輝度が高い。


発坂~保田間。蔵のある風景を行く。こんなのどかな風景ではありますが、前述のように2回目の列車の正面衝突事故が起こったのがこの区間でもあります。手前の発坂駅で交換待ちをしなきゃいけなかった運転士の信号見落としによる冒進が事故の原因だったそうですが。


小舟渡~越前竹原間。道はえち鉄に沿って続いております。サイクリングしながら電車の時間が近づいたらアングルを決める体で撮り続けて行ったら勝山駅から4つ目の小舟渡(こぶなと)駅まで来た。この辺りがえち鉄が一番九頭竜川に近づく区間でもありますが、引きが取れずなかなか絡めて撮るのは難しい…


「おとり鮎」の幟を立てた古い木造の川べりの商店と絡めて。またえち鉄の日中の電車って単行多いからそこらへんも難しさに拍車を掛けているような気がするなあ(笑)。構図の中での車両の置き場所がちょっと慣れない感じ。この辺りの九頭竜川は下流に発電所の堰があるせいか、やや流れは穏やかなように思えますね。


小舟渡駅前の九頭竜川に架かる小舟渡橋。上記の2枚のカットはここから。旧道の橋らしい武骨なトラスがいい感じです。勝山をチャリンコで出てから約2時間、そろそろ腹も減ってきたし引き返すとするか。

次回へ続く。
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