青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

一日一回の逢瀬

2019年02月23日 17時00分00秒 | 弘南鉄道

(朝一番の交換駅@石川駅)

大鰐駅近くのコンビニでサンドイッチを買い、暖かい缶コーヒーとともに喉に流し込みながら、ぼちぼちと大鰐線のロケハン。石川の駅にやって参りました。空は相変わらず鉛色の雪雲が覆う津軽地方ですが、それでもゆっくりと夜が明けて、薄明りの中で大鰐線の一日が始まって行きます。並走するJRの奥羽本線にも石川駅がありますけど、大鰐線の石川駅とはだいぶ離れていて、単純にJRと乗り換えようとするなら隣の義塾高校前の駅の方が全然近い。以前は「新石川」と名乗っていたようですが、なんでわざわざ乗り換え駅と混同しやすいような改称を行ったのかは謎。

  

駅の北側の踏切から石川駅の全景を。駅はリンゴ畑と住宅がほど良くミックスされた半農半住といった感じの場所にあり、島式ホーム1面2線の交換駅。外側に1本保線用の側線があって、バラスト散布用のホキが1両留置されています。始発電車の前ということもあって、レールはすっぽりと雪の下。一晩でだいぶ積もりましたねえ…。かつては有人駅だったのかな、という雰囲気の駅の待合室。近所に保育園や児童館があるためか、子供たち向けの注意書きが目立ちます。駅の構内通路に掲示されている大鰐線名物の死にます看板、何も間違ったことは言っちゃいないのだが、インパクトは抜群。


時刻は6時半。ほどなく踏切が鳴って、大鰐行きの下り始発列車がレールに積もった雪をかき分けながら、ゆっくりと入線して来ました。やはり積もりたての雪はブレーキングに影響するのか、慎重な運転だなあと感じます。よく見ると踏切の脇にレピーター(だよね?)が立ってますけど、後方の2両目がポイントを通過する前に上り線の進行現示を出しちゃうのさすがに早くないですか?(笑)。昨日から弘南鉄道の交換がやったら高速なのは気が付いてたけどさ…どこもこんなもんなの?


一般的に鉄道はクルマと同じく左側通行ですが、石川の駅は右側通行になっています。鉄道車両の運転台は基本左側に付いているので、島式ホームの交換駅では通票(単線区間の通行手形みたいなもんです)の交換の利便性を考慮し、運転台がホーム側に来るようにあえて列車を右側通行にしている駅も地方私鉄では見ない事もない。「通票の交換なんかもうやってないんだから、素直に左側通行に直したらええやないの」と思わなくもないのだけど、ワンマン運転の大鰐線ではドア扱いの際の運転士の確認作業が右側通行の方が楽だし、そもそもスプリングポイントの定位(通常時の進行方向)を変えるのも面倒くさいのかもしれない。


石川駅の交換は、大鰐行きが先に右側の線路に進入して弘前行きを待つ形でしたが、前述の通りせっかちな交換を行う弘南鉄道ではゆっくりと並びのシーンを抑える事は至難の業と言えます。失敗しちゃったなあ…と思ってもリベンジの機会がなかなかないのが辛いところ。なぜなら、現行の大鰐線のダイヤでは石川駅での交換は朝の上下の始発電車が行き交うこのAM6:29の一回こっきりなのだ。↑の待合室の写真の時刻表を見よ。


ってか石川の交換が一日一回しかないの、こっち来る前に手書きで弘南鉄道のスジ引いてて気付いたんだけどね。時間なんかスマホがあればカンタンに分かる時代ではありますけど、割とそーいうところはマメ。ちなみに大鰐線の交換駅は、列車間隔の違いによって以下の5パターンとなっているようです。

1.始発列車は石川
2.2番列車は千年
3.朝ラッシュは(30分間隔)千年、鯖石
4.中央弘前発9:30・大鰐9:50発は鯖石
5.以降は終電まで(40~60分間隔)津軽大沢

ご参考までに。
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