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青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。写真はおおめ、文章はこいめ、コメントはすくなめ。

溺愛するほどデキ愛す

2015年01月31日 12時22分56秒 | 秩父鉄道

(車齢は経ても麗しく…@秩父鉄道デキ105型)

またまた秩父にデキ貨物を見に行ってきました。何度かこのブログでも紹介しておりますので詳細は省きますけども、アタクシはこの秩父鉄道におけるデキ貨物ってのが好きなんですよねえ。JRの電気機関車みたいな華やかさはないけども、ちょっとやぼったいスカイブルーの色に塗られたいかにも私鉄らしいD級電機が、地味な鉱石貨車を連ねて黙々と秩父路を走る姿に魅了されます。この日のファーストショットは武川の駅の構内で始動の時を待つデキ105。いかつい台車が特徴の秩父デキシリーズの初期型で、昭和31年製。


武川駅遠望。ここ武川から太平洋セメント熊谷工場のある三ヶ尻駅を通り、熊谷貨物ターミナルへ向かう三ヶ尻線の分岐駅。秩父鉄道は埼玉を東西に走る地方私鉄にしちゃ長い路線ではあるけど、常時貨物が走ってるのは熊タ~武川~武州原谷~影森(三輪鉱山)の約45kmと全体の半分くらい。それにしても普通に訪れただけでこんだけ構内に電気機関車がゴロゴロしている駅と言うのも私鉄ではないだろうなあ。何気ない風景ですけど、めっちゃ贅沢だと思うんよ。


ホキ10000の石炭列車が武川の駅に入って来ました。三ヶ尻の工場でセメントの焼成をするための燃料として川崎は扇町の港から石炭を運んで来ます。JRの機関車が前の晩に熊タまで持って来た20両の貨車を、翌日の午前中に2回に分けて工場へ送り込む仕業です。三ヶ尻の工場へは武川側からしか入れない配線になっているため、熊タ→(三ヶ尻)→武川(機関車付け替え)→三ヶ尻と半往復するのですが、いつものヲキ車と比べて石炭を積んだ大柄なホキ10000の車体は迫力があります。
 

遠くで電機のホイッスルが何回か聞こえた後、付け替え作業が終了した石炭列車が再び三ヶ尻へ向けて出発。牽引するのは秩父デキ軍団の中でも最新鋭のデキ507(昭和55年製)。秩父の電気機関車と言うのはいつでも整備が行き届いていてキレイにされているのがとても好感が持てるんですけど、特に今回のデキ507のピカピカぶりはこのままお召しでも牽くんですかくらいのきれいさで、順光の朝の光の中でひときわ輝いて見えました。まったくカッコよすぎるぜ!

 

三ヶ尻線を行くデキ貨物。武川駅手前の大カーブにて。すっかり葉を散らしたニレの大木と、ちょっと乾いた埃っぽい風の中を走る貨物列車。大地の色のなさと、澄み切った青空と言うのは北関東らしい絵なのかなあと。埼玉は北関東じゃねえぞと言う人もいそうですが、個人的な認識としては熊谷より向こうは北関東です(笑)。

 

武川駅から明戸駅まで歩き、乗り込んだのは元都営三田線の6000型。三田線の6000は国内ではここ秩父と、熊本電気鉄道に譲渡された実績がありますが、一部はインドネシアにも輸出されて第二の人生を送っております。自分の生活圏内で三田線を使う事があまりなかったんで、どちらかと言えば秩父に来てからのほうがこの車両に乗っているような気がするなあ。ちなみに熊電では新車導入で余剰化する銀座線の01系を貰う話が決まったようですね…


乗った寄居行きは小前田で鉱石列車と交換するようなので、1つ手前の永田で下車して貨物を待ちます。デデデデン!デデデデン!と車長の短いヲキ車特有のジョイント音を立てて永田駅の構内を通過する積載の鉱石列車(7104レ)。「場内進行!」という機関士さんの声が聞こえて来そうなアングルでパチリ。

 

再び電車に乗り込み、次は樋口駅へ。近年投入された元東急の8090系。先ほど乗って来た都営6000と交換です。今でこそ東急は目黒線を介して都営三田線に乗り入れてますけど、都営6000は乗り入れ前に三田線から引退してしまったんで東急線を走る事はなかったんよね。そんな都営6000が、東横の本線筋で活躍していた8090系と秩父で邂逅をしているというのも大げさに言えば運命的な話。樋口駅のホームは、駅ホームに改札口が乗っかっているコンパクトな外観が特徴。


駅から歩いて5分程度の荒川に架かる白鳥橋の上から返空の7005レを。波久礼~樋口にかけては、大きく荒川が蛇行する狭隘な谷に沿って国道140号と秩父鉄道が走っており、車窓風景のよい区間でもあります。色をなくした渓谷に、デキのレトロなスカイブルーが冬枯れの林の中からチラリ、キラリ。

 

樋口駅からはこれも東急から導入された7800系に乗って波久礼へ。近年秩父鉄道の普通列車は3両ユニットが基本形でしたが、減少する末端区間の乗客や日中のオフピーク時間向けに導入された2両編成のグループ。東急8090系の中間車をサルベージし、田奈の工場でトンテンカンと運転台をくっつけた車両なので、若干前面のデザインにやっつけ感があるのが難ですね(笑)。しかも2両編成の1両電動車にしたら登坂力が下がっちゃって(従来は3両編成の2両電動車)、慌てて粘着力強化のための砂撒き装置を取り付けたりしたらしい。


秩父鉄道を訪れるたびに、何故か立ち寄ってしまう波久礼の駅。羽生から関東平野を延々と走って来た秩父鉄道が、いよいよ秩父盆地を囲む山懐に入って行くあたり。この路線には木造の品の良い駅舎がまだ数多く残っていますけど、その中でもこの波久礼の駅を包む里山の風景と、ほのぼのとした味わいは旅心をかきたてるものがあります。

それと「はぐれ」って語感がなんかいいよね。
都会にはぐれ、人にはぐれ、愛にはぐれ…何だかとっても演歌的。
♪ああ~ 夢はぐれ恋はぐれ~ ってのは堀内孝雄の「恋歌綴り」だったっけか。
とりとめもなく、次回へ続く。
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謹賀新年

2015年01月02日 23時10分51秒 | 秩父鉄道

(平成27年の初日の…出?@目久尻川橋梁)

皆様あけましておめでとうございます。ってもう1月2日の夜ですけどね。年を経るごとに結構年末年始っていうものにも感慨はあまりなくなっているのでありますが、とりあえずの節目です。そして最近は一応初日の出を拝みにどこかへ出掛けているのも元旦のルーチンワークとなっているのでございますが、今年も真っ暗な中家族を残して初日の出の見れそうなところまで出かけて行った…ものの、神奈川県からは初日の出方向に大きな雲がかかっていて空が白み始めた頃には無理ゲーっぽいフンイキがプンプン。寒い中待っててもしょうがないのでそそくさと家に帰る事にし、初日の出?のようなものは家の近所でテキトーに拝む事になってしまいました。撮影に関しては早くも1敗目と言う事でw

 

結婚し家庭を持ってからと言うもの、正月休みだからと言ってどこかへ出掛けたりと言う事はほぼなくなり、親族間の交流を温めあう(?)極めてフツーの正月を過ごすことが多くなりました。ってな訳で家で簡単に新年の挨拶の膳を戴いた後は川崎の実家へ帰る事になったのだが、昼からにわかに掻き曇り平成27年は南関東でも小雪のチラ付くお正月に…こんな調子ではやはりこの冬も大雪の一発二発来ることはほぼ確定って感じもする。宴席を抜け、タバコを買いに行ったついでに生田3号で何枚か。8000のブラックマスクも新春早々ほんのり雪化粧。


明けて本日2日は初詣、それにしても寒いお正月であります。駅伝を見ていたら出そびれてしまったので、今年の初詣はお手軽に片瀬の龍口寺へ。メジャーどころは江の島神社なんでしょうが、山門前には江ノ電の大カーブがある魅力的なロケーションのこのお寺には個人的にも馴染みがある。特に参拝に並ぶようなこともないし、寺の本堂からは江ノ電も見れるしね。

 

正月でほとんどの店が休みに入ってしまったいつもの腰越電車通りは閑散と。商店街の閉じたシャッターに正月のお飾り、その横を鎌倉帰りの初詣客を乗せたパープルの嵐電号が通り過ぎる。交換設備に限りがあるため客が多かろうと12分間隔以上の増発は出来ませんが、各列車停車時間をとにかく短く短くしながら精一杯の定時運行ってところでしょうか。昨日欲しかったすっきりと抜けた青空の下、神戸橋を渡って腰越駅に滑り込む20型。

  

二人の子供も元気良く、江ノ島の駅から腰越・鎌倉高校前・七里ヶ浜まで歩いてくれました。今年も家族一緒の鉄活動、正直制約も多いと思うのですが頑張らなくてはいけません(笑)。冬らしいスカッと抜けた青空を映して、湘南のお正月を江ノ電が走ります。ホワイトにラッピングされた1201編成は台湾観光協会×神奈川県のラッピングトレイン。


もう十分古参の部類に入ってしまった1000型は就役35周年記念ヘッドマークを付けて参戦中。新製当時の黄緑ベースの塗装が懐かしい。ここでヨメから「そう言えば…今日は江ノ電の一番古い車両が走ってないわよね?あの木の床の電車…」と言う指摘が(笑)。そうです、どうもこの日は305+355の編成はお休みだった模様。非ヲタにもあの車両はやっぱり江ノ電らしさを感じるフラッグシップ的な車両であると言う認識は浸透しているのだなあ。


特に何も言う事のない七里ヶ浜と江の島、そして湘南の海。いつもの風景です。
キラキラと光る相模湾の向こうに見はるかす伊豆半島、伊豆大島、そして三浦半島。
今年も皆様にとりまして良い年でありますように。
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秩父春告煙舞

2013年03月22日 23時21分28秒 | 秩父鉄道

(おかえりC58363@三峰口)

3月の中盤から平日と言うと毎日帰宅が23時越えで疲労困憊なのですが皆様いかがお過ごしでしょうか。季節は巡り早くも南関東では桜が満開で気ばかり焦る今日この頃、一昨日は久々にケムリが見たくなってまた秩父まで行ってしまった。昨夏に広瀬川原の車庫で脱線して車軸が傾いたC58が、無事に修理を終えて2013シーズンの運行開始。秩父路がSLのブラスト復活に湧いた春分の日。三峰口は待ち侘びたファンで黒山の人だかりでした。

子供が起きてからのんびり出て来たので、走行シーンの往路は間に合わず復路のみ。沿線のポイントと言うポイントはだいたい三脚で抑えられてしまっているので、ライバルの少ない駅撮りに切り替えて浦山口の駅に来てみる。ここならホームにベンチもあるし子供も安全。ホームからだから足回りは抜けないけど、この駅自体がいいインカーブの撮影地だからね。
駅の周囲を見回せば、2月の時に登った駅裏のお稲荷さんの山にも三脚のヒナ段が出てある意味壮観。遠くからSLの汽笛が風に乗って聞こえて来ると、車の中では調子良く「ちちぶSLみる~♪」とかほざいてた息子の顔がみるみる引きつり、「SL~おと~!こわい~!こわい~!」と泣き叫んでしまった(笑)。困ったねえ。あなたのために安くないガソリン使ってわざわざ来たんですから、ホレ!しっかり見なさい!


泣き叫びながらSLに向かって手を振る子供の横を、いい煙で通過するC58。
「2013.3.20 FIRST RUN」のヘッドマークに、日章旗までついてます。
基本復路は下り坂が多くて煙を出さないパレオですが、浦山川の橋梁上では盛大にドレーン切ってたし、こんなに煙を出して走るのも初物相場って事なんでしょうかねえ(笑)。まあこの駅を通過すると次の影森までが復路一番の見せ場であるSカーブの登り(通称「影森上り」)になるので、その前に充分焚いておこうと言う機関士さんの戦術なのかもしれませんが。

空は黄砂で見る影もない霞みぶりですが、いかにも秩父鉄道らしい木造上屋の浦山口の駅と合わせて…
こことか武州中川は桜の駅なんで、咲いたらまた来てみようかな。
今度は泣くなよ!我が息子。
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いつもそこにある風景

2013年01月22日 19時36分58秒 | 秩父鉄道

(秩父そばの天ぷらそば350円@御花畑駅)

秩父地方は旧荒川村を中心にしたそばの里であり、そして小鹿野町・吉田町にかけては「おっきりこみ」と言われる埼玉北部から群馬へかけての煮込みうどん文化が根付くうどんの里でもある。そんな旧荒川と小鹿野・吉田を取り持つ秩父市内を車で走っていると、そば・うどん関係の製麺所が結構目につくのだが、そんな麺モノの街・秩父市の中心街にある御花畑駅改札右側には、立ち食いそばの名店「秩父そば」があります。ちょっとあっさりめながらダシしっかりめの上品なツユに具だくさんの大きなかき揚げ、たっぷりワカメが入って350円と言う極めてコスパの高い立ち食いそばです。


おばちゃん一人が切り盛りする「秩父そば」は屋外のカウンターのみ。まあ名店だと自分で言ってるだけなので世間的評価はどうだか分かりませんが(笑)、電車に乗る前・降りた後、確実に誰かが店ののれんをくぐり意外にも客は引きも切らない。冬の秩父の寒風に、ツユをすすれば染み渡る暖かさ。おばちゃんがコップ酒の空き瓶に入れてくれるお冷やとともに、秩父鉄道の名物と言えるのじゃーなかろーか。ちなみに御花畑の駅前には個人経営の立ち食いそば屋がもう1軒あり、この直営店の「秩父そば」と張り合っている。ネットで見る限りこちらの立ちそばの評価も上々で、何気に御花畑駅前は立ちそば激戦区なのかもしれない。


さて、荒川の河原での撮影を終了し、上長瀞の駅に戻って参りました。今度は浦山口方面に向かいますが、今度の三峰口行きは元都営三田線6000系こと5000系。立派な古レールを使った上長瀞のホーム上屋と絡めて一枚。リバイバルカラーでもてはやされる1000系(旧国鉄101系)に比べるとその立ち位置が実に空気な車両でありますなあ…まあ国鉄101系の存在を懐かしがる人はいても、三田線の6000系を懐かしがるのは高島平団地の住民か大東文化の学生くらいなのかもしれません(笑)。これでもデビュー当時はローレル賞貰ってそれなりの評価を受けたんだぜ。つーか三田線ユーザーって希少価値高いよな。自分も知り合いに一人もいないもん。


都営三田線に乗って、浦山口駅までやって来ました。
浦山口ってのは影森を過ぎ、いよいよ秩父の山塊が車窓に迫る頃合いの場所にある駅です。浦山ダムから流れる浦山川の鉄橋のほとり、集落を見下ろす築堤の上にあります。春は駅の周辺に植えられた桜が咲き誇り、この駅を通過するパレオエクスプレスの姿は秩父鉄道の名シーンの一つでもあります。今日はそんな浦山口の駅を高台から見下ろすお稲荷さんから俯瞰してみましょう。山の中腹に築かれたお稲荷さん、二匹のキツネが駅を見守っておりますが、まあこのお稲荷さんまで来る階段のしんどかった事!雪が積もってて滑るし、階段は急だし、死ぬかと思ったよw


さっき乗って来た都営三田線が返して来ました。
桜の時期ともなれば、この駅の周辺にも撮影者が集まって賑わうのでしょうが、今日は極めて静かなものです。この駅の右側、ちょうど線路が影森に向けての森を抜ける橋のたもとには「不動清水」と言う水場があって、武甲山の石灰岩に濾過された清水がこんこんと湧いております。


冬の陽は西に傾き、ちょうど浦山川橋梁を抜けた場所で東急8090がキラリ。
お稲荷さんと絡めて、こんなイメージの写真を撮ろうと思ってたので概ね意図通りでしょうかね。
陽が落ちると一気に風が冷たくなる秩父の山里。三脚を畳んで帰るとしましょうか。


最後の最後に武州原谷駅に立ち寄ると、夕暮れに二丁パンタをシルエットにしてデキが待機中…
この三ヶ尻行きが出て行った後、影森まで2本の返空便が走るんですが、ホント朝から晩までコンスタントに貨物列車が走ってるんですねえ。とはいえ、セメントの輸送は平成18年に廃止されてしまい、貨物扱い自体も全盛期には比べるべくもない輸送量になってしまったのだと言う。それでも、昨夏に訪問した三岐鉄道同様、鉄道による貨物輸送を私鉄でここまで大規模に展開している例はない訳で、秩父に来れば元気にデキが走り回っている姿を見る事が出来るのであります。
ただ、いつもそこにある風景が突然消えてしまうのもこの趣味の常となれば、この光景がいつまでも続く事を願ってやまないのであります。

しかしマニアとしては太平洋セメントグループに足を向けて寝られませんなw
次の目標は岩手開発鉄道か?
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冬の光と戯れて

2013年01月19日 15時55分45秒 | 秩父鉄道

(只今改札中@御花畑駅)

影森の三輪線界隈で充分に満足してしまったのだが、せっかくフリーきっぷを買っている事だし、こっからは秩父鉄道に乗りながら撮り歩いてみる事に致しましょう。西武線との乗り換え駅である御花畑の駅、いつの間にか改札係が若いお姉ちゃんに変わっていた。鉄道ってのはオトコの職場、特に地方のローカル鉄道に行くと若い男性社員ですら少なく基本は年配者ばっかりなんですけど、秩父には最近運転士も含め女性が働く機会が増えているみたいです。リアル鉄道むすめが「次は長瀞・熊谷・羽生方面普通列車改札で~す」なんて待合室に声をかけて回る姿、鉄道に萌えの要素はあんまり要らないと思うけど、まあ無愛想なクソオヤジに邪険にされるよりはいいって事ですかね(笑)。


さて、ちょっと前までは国鉄101系のお下がりを主力としていた秩父鉄道にも、最近は東急の魔の手(笑)が伸びて参りました。12編成もあった1000系(国鉄101)もさすがに50年選手となって、相当ガタが来ているらしく順次廃車が進行して現在はその勢力を3編成まで減らしてしまいました。その代替車として導入されたのが大井町線から放出された東急8090系。先日見た長津田の工場で3連に改造され、現在7編成が秩父時を走っております。ライムグリーンのグラデーションを身に纏ったその姿、特に愛称はないんですがアタシはパッと見で三井住友銀行色だなと(笑)。


大野原駅を通過するデキ503の返空列車。秩父盆地の中を走るこの辺りには編成を抜けるような直線がなかなかないので、駅撮りが無難でしょうか。貨物同士が交換出来るよう、貨物が走る武川~影森までは大抵の駅が有効長の長い交換設備と貨物用の副本線を持っているのが秩父鉄道の特徴でもあります。


長瀞で三ヶ尻行き鉱石列車を追い越し、樋口駅で普通列車と交換。
こちらでは7500系を名乗っておりますが、やっぱり東急8090系と言った方が馴染みがいいね。

 

前回来た時に雰囲気が良かった記憶がある波久礼駅で下車。寄居までは荒川に沿ってくねくねと走る秩父鉄道、ここでは川の流れに沿って線路が南面するので、いい光線で撮れるかなって感じがしましたのでね。長瀞の駅で追い越した鉱石列車をここで迎え撃とうと言う訳です。相変わらず駅舎内の雰囲気は昭和レトロ、とりあえず「エナーゼ」って何なんや。


駅に到着して5分と経たず、副本線に入線して来たデキ108牽引の積載鉱石列車を冬の青空とともに。
このデキ108は岩手県の松尾鉱山鉄道で硫黄鉱石の輸送に従事していた歴戦のデキなんですが、松尾鉱山ってーのも廃墟の鉱山都市としてマニアには有名な所ですわな。日本の鉱山系廃墟と言えば長崎の軍艦島みたいな石炭系が有名ですが、硫黄鉱山系も結構多いよね。昭和40年代に石油精製の副産物として硫黄が取れるようになって、硫黄を掘る意味ってなくなっちゃいましたからねえ。産業遺産マニアとしては、手近なところで万座峠(群馬)の近くの小串鉱山とか吾妻鉱山とか一回見てみたいもんです。


どうやらこの駅で交換待ちなので、正面に回ってもう1枚。
このデキ108、雪国岩手の出身らしく前面窓のヒサシが深いですね。影森で見た両機はのっぺり気味の顔をしていたので、表情としてはこのスタイルの方が好みかな。秩父の鉱石列車は足の速い電車のダイヤの間を縫って道を譲りながら走っているので、交換待ちや運転停車に当たればこのようにゆっくりと撮る事が出来ます。


駅に戻ってホームで秩父方面の電車を待っていると、今度は返空列車が。
朝の影森でオラッちを背後から急襲したデキ502(笑)が、三ヶ尻のセメント工場で荷物を降ろして戻って来たようで。ダイヤ的にはこの波久礼駅で普通電車の交換があるので、これは副本線での運転停車ですね。波久礼駅ホームの昔懐かしいような木造の上屋と絡めて一枚。


秩父山地の出口に開けた寄居の街。関東平野はここで終わり、波久礼の辺りからは秩父盆地へ向かって長瀞の渓谷に続く山懐に入って行きます。デキも冬の日差しを浴びながら進路開通までの小休止って感じですかね。隣を走る国道の車の音をも忘れる、緩やかな時の波久礼の昼下がり。


波久礼で貨物から先行する普通列車に乗って上長瀞へ。
秩父鉄道の大定番撮影地、上長瀞~親鼻間の荒川橋梁にやって来ましたよ。
夏はBBQや川遊びに興じるファミリーでごった返すこの河原も、冬の平日は人っ子ひとりいやしない。
しかも河原に降りるけもの道が雪で埋まってて往生しましたわ…降りて来るだけで靴グッチョグチョ(笑)。


ここで狙うは今や希少種となった国鉄101系スカイブルー編成。
さっき山に向かってったのを見たので、ダイヤから折り返しをここで撮ろうと思ってたんよね。
レンガ積みの大鉄橋の上を、滑るように進むスカイブルー。薄雲たなびく青空に映えますな。


波久礼で置き去りにした貨物が追いかけて来る筈なので、今度は逆光側で待つ事に。天気が良すぎて光線状態がキツく、絞りとシャッタースピードの選定に悩むが、とりあえず列車は黒潰れでもいいやって事でアホみたいに絞ってみる。岩畳に残る雪のハレーションと、冬らしい鋭い日差しのフレアの取り合わせでどうでしょう。


貨物は構図から太陽を外し、絞りを少し開いてみる。
う~ん、デキの2丁パンタと、盃のようなヲキの形をシルエットにしてみたかったんだけど、ちょっと開けすぎちゃったかな。

三脚を畳んで、荒川の鉄橋を後に。
帰りは帰りでまた靴ビチャビチャだよ…
次回へ続く。
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