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青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。写真はおおめ、文章はこいめ、コメントはすくなめ。

睦月/秦野 如月/西台

2021年12月25日 17時00分00秒 | カレンダー

(今年はどんな年でした?@小田急ロマンスカーミュージアム)

11月に訪問した四国の話をつらつらと書き連ねていたら、あっという間に年末になってしまった。年末と言えば恒例のカレンダー企画、去年のこの企画で「来年は今年以上にさらに行動の範囲は狭まる可能性が考えられるので、そもそもこうやって12ヶ月の歳時記を綴る事が出来るのだろうか」なんて言っていたのだけど、何とかかんとかこの一年コロナにも罹らず、ワクチンも打ちという事でそこそこの活動は出来たのかなあと言う気がする。しかしながら、コロナ禍に陥って早や2年、度重なる緊急事態宣言と生活様式の変化によって、公共交通機関と観光サービス業の打撃がいよいよのっぴきならない様相を呈して来ました。行動制限→需要減退→利用者減→巨額損失→減便ダイヤ→設備投資抑制という分かりやすいシュリンク。今後感染状況が改善されたところで、需要って戻るんですか?という「そもそも論」によって将来の見通しが開けない状況に陥った公共交通の明日はどっちだ。

(睦月・秦野夕照@小田急電鉄 渋沢~秦野間)

先日、デビューから僅か18年、2022年3月での定期運用終了が発表された小田急ロマンスカーVSE。年末に鉄道ファンへ大きな衝撃を与えたニュースでした。1編成35億円を費やした平成小田急のフラッグシップも、ダブルスキン構造のボディの老朽化、連接台車とアクティブサスペンションという特殊な構造に保守費用が掛かり過ぎる事により廃車という事で、ようは「経費節減」という大義名分あっての緊縮財政的な側面が否めない引退理由。加えて来年の3月改正では需要減退によるロマンスカーの大規模減便が予想されており、VSEが余剰になるのでしょうね。今後平日の日中などは、ほとんどMとEの6連・4連で動く特急ばかりになるのでは?と想定されるのですが・・・1月に秦野の富士山バックで撮った時は、こんな事になるとはさすがに思わなかったVSE。引退まで狂騒曲が続きそうですねえ。一応地元路線という事でそれなりのカットを残してはいるんだけど、Vに代替車両の構想もナシと来ては暫くは展望車がGの2編成だけ。減便と併せ、いずれにしろロマンスカー冬の時代突入という事になりそうです。

(如月・闇に輝く鉄仮面@都営三田線 志村検車場)

今年の冬の感染拡大期は、趣味として鉄道を楽しむ事なんかとんでもないみたいな時期でしたが、とにかく「人と会わねば感染(うつ)るまい」というのを徹底していたような。真夜中に家を出て、誰もいない早朝4時の都営志村車庫なんぞを撮影しに行った事もある。缶コーヒーで手を温めながらクソ寒い中を撮影し、街が起き出す前にそそくさと家に帰った。全く人と接しない撮り鉄、今思えばそこまでしてなぜ・・・という被写体でもあったのだけど、何だか妙に思い出に残るカットになりました。

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師走/七里ヶ浜・腰越

2020年12月28日 17時00分00秒 | カレンダー

(師走・七里ヶ浜の払暁@江ノ島電鉄・七里ヶ浜)

また再び、おいそれと出掛けられない時期がやって来ました。北半球が冬を迎え、再び世界的な蔓延が加速して行く新型コロナウイルス。結局今年はこの未曽有の世界的なパンデミックに翻弄されながら、ある時はビクビクとある時は大胆に、それこそ見えないウイルスの影に怯えながら暮らした一年でした。おそらくもう世界からこのウイルスが消えることはなく、このウイルスが治療薬やワクチンの開発によってインフルエンザやただの風邪とそう変わらないレベルに収斂して行くまで・・・そこまでに人間の英知が勝つか、負けるかと言うところでもありましょうか。師走の朝、少し早く起きて七里ヶ浜の高台から眺めた相模湾の払暁。足元を江ノ電がゆっくりと走って行きました。

朝の電車通り。まだ人通りも少ない静かな腰越の町を、LEDにクリスマスのリースを付けた江ノ電が通り過ぎて行きます。電車通りのシンボルとして、長年江ノ電を見て来た星野寫眞館本店。昭和初期の看板建築を今に残すそのレトロな佇まいは、実にフォトジェニックに電車通りの風景を彩っています。

今年は色々あったけど、今思えばコロナ禍前に高知~岡山と回れたのはまあ良かったのかなあ、と。その他、遠征と言えるのは夏の三岐と秋の富山くらい?それも一泊も出来ない日帰りのとんぼ返りで中途半端な感は否めませんでしたね。正直なところ、来年は今年以上にさらに行動の範囲は狭まる可能性が考えられるので、そもそもこうやって12ヶ月の歳時記を綴る事が出来るのだろうか。憎むべきはコロナ、という事なのだけど、ことウイルスに対する考え方は、個々人でその認識に差異があるのもまた面倒な事だなあと思う。旅行、ライブ、エンタメ、グルメ、レジャー、それぞれに今まではみんな楽しんでいたはずなのに、自分にとって興味ないジャンルに対しては、「なんでこんな時期にそんな場所行くの?自覚がないんじゃないの?」みたいな強い言葉で自粛を求めるコロナ禍の人間たちの身勝手。自分の不要不急が他人の必要至急になっている事に気が付かないという無神経さは、さらに人の心を病むように思います。結局人の行動など政府のふわっとした言い方では縛れないのだよね。まあまずは自分と身内が罹らないように、適切に感染対策を取りながら過ごして行くしかないのでしょうが。

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霜月/川治湯元・波久礼

2020年12月26日 17時00分00秒 | カレンダー

(霜月・錦秋貫く@野岩鉄道 川治湯元~川治温泉)

11月、紅葉の頃合いにポコンと一日有給を取って、日光・鬼怒川・川治方面に紅葉狩りに行って来ました。事前の天気予報では一日晴れですよ~、みたいな事を言っていたんだが、結局現地行ったら晴れたのは朝の一瞬だけだったね。ずーっと明るめの曇りって感じで。まあ光線がないと紅葉の色は出なくなるけど、山影を気にしなくていい分構図には制約がなくなるからまあ痛み分けと言う感じ。こっち方面に行く際は、マイフェイバリットな東武6050系を目当てに行く事が多いんだけど、ちょうど見頃の紅葉と、コーラルオレンジのラインを巻いたボディがバッチリと似合ってましたですね。12月の寒波で野岩線沿線もだいぶ雪が降ったようで、雪の風景もそれはそれは素晴らしく、また行ってみたくなるですよね。

11月は天気も安定して、各週末ごとにちょぼちょぼと紅葉を楽しめました。まあコロナ感染第3波みたいな話もあったと言えばあったわけですが・・・いい加減に危機感も薄れてきて、マスクと他人との接触がなければいいんじゃないの、みたいなね。そういう意味では撮り鉄はお立ち台で密集でもしない限りは屋外で声も立てずただただファインダーの中を覗きながらシャッターを切っているだけなので、いわゆる「三密」とは縁遠い趣味なのかもしれませんが(言い訳?)。そんなこんなで秩父路の紅葉を愛でに。波久礼の山裾を行く古豪デキ102。この秋は松尾組のヒサシガマことデキ108の引退などもありまして、デキ100グループも残りが102・103・105の3機となってしまいましたね。今年の秩父鉄道は石炭輸送の廃止、三ヶ尻線の廃止、それに伴う熊タからの東武・メトロ系の甲種輸送受け入れ終了と去りゆくものの多い年でした。いよいよもって三輪と原谷からの鉱石が残るだけですから、正直カマも余り始めているのかもしれません。個人的には100番台が消えるまでは秩父に通おうかなとは思ってはいるのだけれど、いつまで撮らせてくれるものやら・・・

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神無月/小淵沢・三つ峠

2020年12月24日 17時00分00秒 | カレンダー

(神無月・初冠雪の大カーブ@小海線・小淵沢~甲斐小泉)

特にアテもなく、山梨方面に子供とフラリと出掛けて行った先で見たのは、甲武信ケ岳と八ヶ岳の今シーズン初冠雪。そうとなれば行き先はここしかない。多くの鉄道写真家があまたの作品を作り上げた名撮影地・小海線は小淵沢の大カーブに久々に立ってみた。7~8年ぶりくらいだろうか。以前はカーブの内側はもっとしっかり稲作をしていたのではないかと思われるのだけど、ご多分に漏れず一部が休耕田になっているようです。刈り取りを待って最後の稔りかな。黄金の田んぼが一枚だけ、風に揺れていました。

10月も末になると、秋の長雨シーズンが終わってようやく安定した晴天が続くようになりました。夜中から星空が燦々と見えていた夜、あくる朝の払暁を前に車を富士山方面へ走らせる。パノラマ台からの秀麗富士を愛でながら、帰りがけの駄賃で富士急行線方面へ。インバウンド需要が消滅したのは箱根も富士山も同じで、極端な減便とフジサン特急の運休が続く富士急。辛うじて運行されていた特急富士回廊。189系のホリデー快速富士山の後継として投入されたE353系、6連から3連への短縮は随分と収容能力に問題が出そうだなあと思ったんだけど、このご時世の乗客の少なさは、3連でも席を持て余すほどの状態でした。富士山だけが変わらず美しい、お馴染みがんじゃ踏切でのカットです。

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長月/岩峅寺・上大平台

2020年12月22日 17時00分00秒 | カレンダー

(嗚呼、愛しの60形@富山地方鉄道・岩峅寺駅)

秋と言えば富山。秋分の日を利用しての三連休、最近は富山に行くのが恒例になっています。どうせ行くなら季節を変えた方がいいんでないかい?という意見も分からなくもないのだけど、遠出するのに適した時期と言うものもあるんだよなあ。しかし、寺田の駅で、朝から三連発でやって来た東急8590系に面食らった。前の年の秋に富山を訪れた頃は、まだ10020形や14020形が元気に活躍していたのを思うと隔世の感があるな・・・なんて思いながら、最後の自社発注車である14760形を見つけてはせっせと追い掛け写し止める作業を繰り返した。車体の外観を撮ってばかりじゃ飽き足らなくなって、岩峅寺で上滝線の折り返し待ちの60形の運転台をファインダーに収める。使い古されたマスコン周りに輝く「Toyodenki」の彫り文字がカッコいい。毎年秋の富山行きは一泊してくるんだけど、今回はコロナ禍の中という事もあり、宿泊までは出来なかったのが勿体無かったな。

そして、何だかんだと細かい時間を見付けては箱根にせっせと通っていた。結局、朝から昼前くらいまで登山線の沿線で遊んで、お腹が空いた頃合いくらいで自宅に帰る。そんなある意味ルーティーンとも言える行動を繰り返しているうちに、箱根と言う場所は家庭と趣味の両立に非常に良い距離にある場所なのだと知る。もう何度歩いたか分からない荏原踏切に繋がる大平台の小道で、秋の訪れを告げる彼岸花が咲き競っていた。山をしっとりと濡らす秋雨、氷河急行色のサンモリッツを添えて。

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