2月14日(日)
【おさびし十数首選 かばん2月号】
ボタンかけちがえていても 木星と土星のならぶ今宵ばかりは (佐藤弓生)
『 』が本を抜け出して行くならばたとえば港町 (土井礼一郎)
声だけに頼つてはだめ遺伝子で通話するのが糸電話なの (飯島章友)
かごの中の割引シールがついている鉄火巻きややくすんで見える (戸田響子)
あらかじめ予約してある炊飯が帰りの道をやや広くする (石狩良平)
自販機は自動販売機が本名 自我も自由も売ってませんよ (小野とし也)
寒き夜果物ナイフで産み出した林檎兎に名前をつけよ (小野とし也)
金色の毛をそよがせて人の居ぬ暗がりに自分だけで終わらす (とみいえひろこ)
人間といるの楽しい悲しいの緑に光る暗がりに居て (とみいえひろこ)
長持ちする牛乳を脇に動かして机代わりのピアノをひらく (大嶋航)
海の街に海の風ふき粉雪の流されながらだんだんつもる (東直子)
わからないと言うことためらわぬ人の小さな靴のやさしい古さ (東直子)
【おさびし十数首選 かばん2月号】
ボタンかけちがえていても 木星と土星のならぶ今宵ばかりは (佐藤弓生)
『 』が本を抜け出して行くならばたとえば港町 (土井礼一郎)
声だけに頼つてはだめ遺伝子で通話するのが糸電話なの (飯島章友)
かごの中の割引シールがついている鉄火巻きややくすんで見える (戸田響子)
あらかじめ予約してある炊飯が帰りの道をやや広くする (石狩良平)
自販機は自動販売機が本名 自我も自由も売ってませんよ (小野とし也)
寒き夜果物ナイフで産み出した林檎兎に名前をつけよ (小野とし也)
金色の毛をそよがせて人の居ぬ暗がりに自分だけで終わらす (とみいえひろこ)
人間といるの楽しい悲しいの緑に光る暗がりに居て (とみいえひろこ)
長持ちする牛乳を脇に動かして机代わりのピアノをひらく (大嶋航)
海の街に海の風ふき粉雪の流されながらだんだんつもる (東直子)
わからないと言うことためらわぬ人の小さな靴のやさしい古さ (東直子)