薄甘いカレー

５月３１日（金）

Ｙクリニックの日。長い待ち時間に備えて、
春日武彦の『ロマンティックな狂気は存在するか』と
『私たちはなぜ狂わずにいるのか』を携えて行く。が、
なぜか今日はすごくすいていて、読書の時間は無かった。
そして、
これまでの薬に、食前に飲む漢方薬が加わった。長い名前の漢方薬を、
更に４種類ブレンドした、おそるべき土色の顆粒。
お湯に溶かして飲むのが正しい服用法らしい。しかし、私は漢方薬が
ものすごく苦手。ハーブティーの類すら駄目ですから。
帰ってさっそく試したけれど、もう、お湯に溶いてる時点で涙目に
なってくる。ドクダミの匂いを感知したときの状態に似ている。
ううう　良薬は口にお焼香。ああ　お焼香の匂い。ううううううううう
おそるおそる舐めると、薄甘いカレーのような......

こんな思いをして飲むのだから、どうか、どうか効いてくれ。
冷めたら少しマシかもしれないので、次回の分を溶かしておく。
が、
夕方飲んでみたけど「うぇ～感」に変わりなし。
涙目で服用後、晩ご飯の支度にかかる。
今日も夏のおかず、ゴーヤーチャンプル。それから、
サラダホウレンソウ（生で食べるやつ。ふにゃふにゃ。こんなもんに栄養
あるんかなあって感じ）とキュウリとトマト。
アオサの酢の物。
食後には、いつもの薬。
気温が上がると血圧が下がる。
あー　もー　いや。

おそうじさん

５月３０日（木）

どんみり、梅雨空、しかし清々しく掃除する。
掃除というのは、すると、部屋が、洗面台が、トイレが、
玄関が、床が、窓が、壁が、きれいになるのであった。
今まで棲んでた容れ物っていったい何だったんだ。
まさか自分が、こんな、お掃除さんになるとは。
まったく、人生とは何が起こるかわからんものである。
ね、ピカ王。

「ピカ王」は、すごい。
銀行だか郵便局だかでもらったおそうじスポンジで、
何気なく使い始めたのだけど、洗面台などの水回りも
シンクもぴかぴかになるし、急須や湯飲みの茶渋も
取れる。レンジ横に置きっぱなしで油でべとべとの
ミキサーも、つるつるになった。もう、もう、何でも
ピカ王で磨きたくなるのよね、ピカ王。

掃除ついでに、玉ねぎを大量に薄切りにし、甘酢を
調合し（お酒少々、生姜、黒胡椒、青・赤唐辛子）、
茄子と鱈の切り身を揚げて、浸しておく。
食べるときに青じその千切りを山盛りに。
茄子マリネ。お魚マリネ。
ああ夏のおかずだ。

天候のせいか、家事のし過ぎか、夕刻より
調子悪く、しばし臥せる。不甲斐なし。

モンクさん

５月２７日（月）

午前中、手紙、はがきなど４通したためて、投函に行く。

午後、仕事。

その後、読書、
宇野浩二『苦の世界』（岩波文庫）。

AXNミステリーでまた「名探偵モンク」が始まって
この上なく嬉しいのだけど、放送時間のサイクルが
変わって、８時半、4時半、夜中の２時になってしまった。
すごくタイミング悪い。さすがに朝８時半からテレビの前に
座るのは、ちょっと。４時半だと、うちは晩ご飯が早いので
料理を始めなければならず、最後まで観ていられない。夜は
11時半には寝ている。
なので、朝は掃除などしながら９時頃からちらちら眺め、
夕方は５時ぐらいまでしか見られず、すすすすすごく
フラストレーションたまる。最初から最後まで、次回予告まで
全部、パーフェクトに見たいのに。ううう。

春日先生

５月２６日（日）

神戸の日赤病院へ、叔父の見舞いに行く。
ベッドは窓際で、海が見えた。

昨日の吟行、今日の遠出とコーフンが続いたせいか、
夕方からふらふらが酷い。やれやれ、と途方に暮れつつ
テーブルにつかまって座っていた。考えてみたら、
長く薬を飲んでいるけれど、すっきり快復するわけでもなく、
いったい、何が、どうなっているのだか。

しょんぼり、読書。
春日武彦・内田樹『健全な肉体に狂気は宿る』。
対談集。もう何回も何回も読んで展開はわかってるのだけど、
他の春日先生のもみんな二度、三度読んでるし。かすがせんせい
あたらしいほんをかいてください。

吟行そして外壁

５月２５日（土）

北摂歌会に行く。今月は、吟行。
ふらふらにも慣れた、というか、悪くても30分ぐらい横たわって
いれば死ぬことはない、とわかったので、えいっ、と、参加する。
茨木市駅から商店街を通って茨木神社を抜け、川端通りを歩いて
川端康成文学館、というコース。
最初から緊張していた。吟行って初めてで。つつつ作れるのだろうか、
時間内に、２首。
皆さんと談笑しつつも話あんまり聞いてませんでした。すみません。
会場に戻って、お弁当つつきながら、焦りながら、もそもそ書いたり
消したりして、なんとか、間に合った。
吟行というのは、なにかこう、ゆるやかなスリルがあって、
その後の歌会も、たのしかった。
　（余韻）

帰宅すると、玄関の外壁が３分の１ぐらい出来ていた。
若干趣味悪い。ま、中にいれば見えないからいいけどさ。
昨日から外装工事が始まって（１ヶ月遅れ）、家まるごと
網みたいなシートが張られて、姫路城状になっている。
更地の隣に、吹きっさらし。

足場が組まれているので、今暫く、洗濯物は部屋干しである。
隣の空き地にロープ張ってひらひら干そか。と言ったら母が
そんな恥ずかしいことできませんっと怒った。
冗談ですよ、お母さん。

ちょっとインドの匂い

５月２２日（水）

昨日ついに、東側が更地になった。すこーん、と。
歩くと、土埃の匂いがして、インドみたい。
テント張って寝たい感じ。月明かりも清らかだし。

「工事の間に、歌の題材たくさんたまったやろ」と
家の者に言われているが、私は特殊な状況を詠むのは
苦手なので、一首も作れていない。
猫に小判、グミコに歌題。


外の清々しさとは裏腹に、相変わらず体調はぱっとせず、
毎日、もそもそと、うちにこもって仕事ばかり。
明日こそ元気、だろうか。
月が、きれい。高田食品さんの白子豆腐のようなお月さま。

都の余裕

５月１８日（土）

京都へ、歌会に行く。
体調、次第に悪くなり（昂ぶり過ぎか...）、終わったら
歩くのも地下鉄に乗るのも「うー」という状態だったので、
休憩のためお茶グループに混ぜてもらった。

激しい短歌論などになって、ついていけなかったらどうしよう、
と思ったけど、そのようなことはなく、しかし最近のテレビドラマ
の話は全然わからないので、ついていけないことには変わりなく、
それはそれで落ちこぼれ感に苛まされるのであった。

それにしても、
会場となった喫茶店は、所謂ツッコミどころ満載。
まず、広い。天井も高い。高すぎる。ゴージャスなシャンデリア。
でも食品サンプルはなんか色褪せてる。ビロード（薄くなってる）張りの
椅子（重い）。特注っぽい照明器具。
メニューは写真とコメント付きで、それぞれにこだわりがあるようである。
カプチーノには「本場では“カプッチョ“と注文します」と書いてあった。でも、
ルイボスゼリーとかコーヒー葛切りとか、開拓精神もある。
胡麻ソムリエなるものが居て、トルコ産の胡麻を杵で搗き、カフェラテに
トッピングしてくれるらしい。
使い捨て紙おしぼりじゃなく、温かいタオルおしぼりが出てくるところが
嬉しい。そして、
お運びのおねえちゃんもおばちゃんも、どことなくうどん屋的で、
ヨーロッパ寄り無国籍な店の雰囲気と一線を画しているところが凄い。
何が凄いんだ。何かこう、
京都の大らかさ、
みたいなものか。
そういえば、京都の人は、信号が赤だと車が来なくても渡らない。
大阪では、渡ります。

というわけで、カプチーノ（本場ではカプッチョ）で復活し、
ゆるゆると、美しい夕方を四条まで歩けたのでした。
誘ってくださってありがとうございました。

帰ったら、東側の家はぺろんとなくなって、あとはブロック塀と
何故かお風呂場を残すのみとなっていた。
がらーん　と、夜風が、吹き抜ける。
がらーん。
遠くのほうの家まで見える。
すごく不思議。

半分が、

５月１５日（水）

延び延びになっていた取り壊しが始まった。
８時きっかりに解体屋さんがやって来て、ぐわんぐわんと。

図書館の開く時間に合わせて仕事をしに行き、夕方まで
過ごす。
資料を探していてふと目についたのが、
『世界のキノコ切手』（飯沢耕太郎、プチグラパブリッシング）。
ここここれは！　見つけたのが本屋だったらたぶん買ってたと
思う。なんという妖しさ。キノコ切手。

帰宅したら、家が、（工事中）を醸していた。
今日はこっち側との境を切り離されたり、庭の木が抜かれたり、
何か足場のようなものを組み立てられたり、プロローグ的な。
もう、半分は「うち」じゃなくなるのだなあ。と、ようやく
実感がわいてきた。

果てて

５月１４日（火）

暑さに、カラダがついていけない。情けない。
郵便局へ行くごときに日傘が要り、はぁはぁである。
次の冬は、ミャンマーかコヴァーラムへ焼きに行こう、と
思っているのだけど、今日ぐらいの日差しで参ってるようでは、
やっぱりもうワタシ旅人には戻れないのかも。哀しい。

さて。
長らくここで愚痴愚痴文句を垂れることをしていないけれど、それは
別に心が広くなったわけでも人間がまるくなったわけでもなく、
世間の腹立たしいことにいちいち反応していると心身がもたないから、
なるべく触れないようにしているだけで、ホントは毎日何やかや
怒っている。たとえば醜い日本語の使い方とか。
そういえば、いちばん近いところで「～づらい」をやめよ、と吠えた
けれど、その流れで、「～かな、と思います」をやめろ、と言いたい。
「かな」をやめろ「かな」を。なんで「～と思います」って言わんのだ。
「～と思います」ならまだしも、今はほとんど「～とは思います」って
言う。「とは」をやめろ。そこは「と」だ。
「がんんばろうかな、とは思います」
ああああ　そういう言い方やめて。きもちわるい。
「は」を入れると「とは思います（が、××ません）」と、あとに否定的
ニュアンスが来ることを知らないのか。わからないのか。なんで、いつから
そんなヘンな使い方するようになったんだ。
気持ち悪い。

世の中のきもちわるさに疲れ果てると、いつも、
『華氏451』のブックピープルになりたいと思う。

玉子焼きでした。

５月１０日（金）

高槻へ、「塔」の初校に行く。
帰りに商店街で、玉子焼きを買う。
これ、以前ここで「玉子焼きの天ぷらか？」と問題提起した品。
やはり私の見間違いで、天ぷらじゃなくタダの玉子焼きでした、はい。
でも煉瓦のようにでかい。コロッケ屋の玉子焼き。４２０円。
先月の初校の日に買って帰って、ちちははに喜ばれたので本日もお土産に。
S地さんもM浦さんも買っていた。T下さんも買ってみるわーて言うてはった。
みんなで「いろは」の玉子焼きを買いましょう。

で、
玉子焼き提げて、さらにＹクリニックにも寄る。今日、薬もらう日なので。
症状が安定しないので、原因になりそうなことをひとつひとつ避けていく
しかない、と言われる。低血圧、低血糖、人混み、不愉快な視界、音。
紫外線も要注意と言われた。日に当たるなら、朝日か、せいぜい午前中。
朝日はキモチの鎮静効果があるけど、夕日は昂ぶらせるんだって。
へえええ　そうなのかああああ　晴れた日の夕方、大好きなのに。
美しい夕方だー　って、コーフンしてたわけですな。

帰宅したらもう７時前で、晩ご飯は調っていた。有り難し。
車麩と水菜の煮物、蒸し茄子の胡麻和え、ひじきとにんじんの炒め煮など。
件の玉子焼きも分厚く切って並べる。
せっかくの美しい和食だったけど、最後にバスマティご飯にサンバルをかけて
南インド味でシメてしまった。ごめんなさい。

カミサマとマーキーと牛肉

５月９日（木）

仏間でのテレビなし生活に慣れたので、前ほどテレビを
つけなくなった。今のところ。佳きことである。
仏間の習慣のつづきで、FMcocoroを流している。これが、良い。
802はつまらんヘビーローテーションと鬱陶しいCMばかりになって
しまったけど、cocoroの選曲はとても素敵。夕方の、マーキーの
番組が好き。マーキーさんまだお元気でやってはる。懐かしい。

さて、今日は
石切さんへお詣りに。
体調はまあまあだし、工事もお休みだし、天気も良いし、
えいっと家族で出かけた。
新緑が美しい。

お詣りの後、ちょっとドライブしよかと、車に戻る。
発車するやいなや私は寝てしまい、目が覚めたら
猪名川町イオンモールの駐車場であった。
またえらい遠くまで来たもんである。

イオンは、
しかしなんと広いのだ。恐ろしく商品が多く、そして安い。
普段献立に口を出さない父が、ぽつりと「牛肉炒めたやつ食べたい...」
と言ったので、お肉を買って、帰る。
で、
青椒牛肉絲のようなものを作ることにして、お肉、タケノコ、ピーマンを
細切りにし、乾燥ニンニクスライスを戻し、生姜、唐辛子も炒めて、
オイスターソース、ナンプラー、お酒、お砂糖で味付け。じゃじゃーっと、
つやつや中華。なんか、久しぶりである、こういう豪快なの。
自分用には、昨日もらったRoiThaiのレッドカレーに、生姜と青唐辛子と
きのこを足して温める。ご飯はバスマティ米。至福のキンカーォ。

石切さんでもらってきた石を神棚に上げて、
めまいが治りますように。
残りの工事も早く無事に終わりますように。

インターバル

５月８日（水）

午前中、電気屋さん作業。配線とか、エアコン付け替えとか。
解体業者は忙しいとかで、取り壊しと外装工事はまた先延ばしになった。
解体屋さんってずいぶん繁盛してるのね。世の中、知らないことだらけ。

夕刻、伯父が「家、できた～？」と、ふらっとやって来た（お土産に、
RoiThaiのタイカレー。これ、すごく美味しい）。今度台湾に行くねん、
とか何やかや喋って、またふらっと帰っていった。

良い天気の日が続いてうれしい。毎日、夕方の色がとてもきれい。

空よ・・・（意味なし）

５月６日（月）

よいお天気が続いているのに、
２日前から具合悪くて寝たり起きたり。
この季節は、もう、こうなるものと諦める。
それでも、
新しくなった部屋のモップかけは楽しい。

台所が落ち着いたのでさっそくティラキタで食材を
注文し、それも届いた。
オポールの素、ガドガドの素、ナンプラー、ガピ。
マドラスカリー、チャナマサラ、サンバルマサラ。
そして、バスマティ米。
ああ　つくづく、暑い国の食べ物が、好きだ。
たくさん食べて体力つけて、また旅人にもどりたい。

お掃除さん

５月１日（水）

外回りその他、及び取り壊しは連休明けに延ばされた。
けど、内装はほぼ終わり、新しくなった居間とキッチンで
私は掃除魔である。フローリングの床、というのは初めて
なのだけど、なんか、やたらモップをかけたくなる。
洗面台も、使うたびに、ピカ王（スポンジ）で磨いている。
これまでの、ガラクタに埋もれ、シミやらカビやら埃やらが
こびりついた家と違って、「やればきれいになる」ので、
掃除の、し甲斐がある。

午前中ひとしきりモップかけて、梅田の丸善ジュンク堂へ
欲しい本を探しに行き、全部見つけて購入。
辻井喬『伝統の創造力』（岩波新書）
橋本進吉『古代国語の音韻に就いて　他二篇』（岩波文庫）
水上滝太郎『大阪の宿』（岩波文庫）

この『大阪の宿』、帰りの電車でさっそく繙き、
すごく面白くて、帰宅してからも読み続ける。
そして、夕刻、
晩ご飯の支度前にモップかけて、
春キャベツとあさりの酒蒸し、などなど作り、
食後にモップかける。
モッパーである。