図書館の書庫からガストンレビュファの「星と嵐」を出してもらって読んでいる。1955年にでた訳本であるがアルプスの6つの北壁を登った記録である。書店は売るために「六つの北壁」というタイトルにしたかったそうだがレビュファが単なる記録の物語にしたくなかったで「星と嵐」というタイトルに決めたそうだ。1955年といえば自分の幼少期。そのときに出た本の漢字がやや昔の漢字で読みづらい。長野まゆみのように美的感覚で用いているのではなくごく当たり前というか日常でさらっと用いられているのだが書けといわれたら書けない。複雑な漢字。かろうじてまだ読めるのだがこれが不思議と想像力を駆り立てる。1955年だから明治ほど厳しくはないけど確実に僕は文字を失っている。それとともに情感も哲学も。レビュファが感じたことを100%吸い上げられない。当時の若者が100%吸い上げたことを僕にはできないのだろう。と思いながら読んでいる。僕は登ったとか制服したとかの達成感は問題ではなくレビュファがビバークしながら考えたことや感じたこと。岩にぶら下がりながら見上げた空や突然感じた風を共有したいからもちろん想像だけどその言葉の言外の意味を理解しなければ何の価値も見出せないのだ。とブツブツ。「望ましからざるコンディションと」と表現されるのと「調子がイマイチで」と訳される間にはアカデミックの大きな差があるでしょう。それが言葉のというか日本語の価値なんだよね。何でもかんでもデジタル化して簡単にすればいいというもんじゃないと「星と嵐」は教えてくれる。冒険家のバイブルと言われていた本だから当時の冒険家は言外の意味を感じていたんだろうな。
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