無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

重粘土(田畑)の畑化について

2013-01-12 11:07:36 | コメントの公開
本日、
最高気温3℃、最低気温-8℃。とずいぶん冷え込んだ日が続いております。

久々の投稿で申し訳ございません。

改めまして、明けましてお出とうございます。

友人の一斉メールでご存じの方も多いかと思いますが、去年年末に男の子を授かり、
正月は初めての、育メンをやっており、事務的な仕事が滞ってしまったのでご迷惑おかけして申し訳ございませんでした。
これから、今年の菜園教室の案内、申込み事務手続きを復活させて、順次行っていこうと思います。

本年もよろしくお願いいたします。


去年の8月に出版させていただいた拙著『これならできる!自然菜園』(農文協)を手にとっていただけた方が予想以上に多く、
出版社共々、感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。

自然菜園を執筆させていただいたことで、今までまとまっているようで、まとまっていなかった事柄が整理整頓され、
今年は今までと異なったアプローチでより分かりやすく、菜園教室ができるように思えます。
内容一新したリニューアル菜園教室2013楽しみにしていてください

菜園教室のご案内は、
@自給自足Lifeホームページに掲載されます。


先日、以下のようなご質問をコメント欄にいただきました。
コメント欄に返すには重要な内容だったので、ブログでご返信とさせていただきます。

※このブログのコメント欄では、菜園に関するご質問が無料でできます。
自給自足の生活のため個人的なご質問はお仕事の依頼以外、現在すべてお断りさせていただいております。
詳細なご質問は、菜園教室にご参加いただきその際、お願いたします。

*****************************

ところで、この場を借りて、たけさんに質問です。
畑の土に苦戦しています。

水はけが極端に悪く、日照りの日はカチカチに固まり、雨が続くと海苔のような苔が生えてきてしまう
いわゆる重粘土質です。


昨年、自然農にチャレンジしましたが、②作物の成長はすこぶる悪く、麦と大豆だけ辛うじて育ったような状態でした

畑の現状を整理すると、以下のような状態です。
・重粘土質
10年程前から耕すのみで作付けはしていない
・それ以前は、農薬除草剤化学肥料をバリバリ使用

④春に向けて少しでも土を良くしたいと考えていますが、
今からできることはありますでしょうか。

以前のたけさんの記事を参考に、④一部の畑で麦類とレンゲとクローバーをばらまいています

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1)そうですね。①のような重粘土質では、畑が難しい一方、元々は田んぼであればお米は野菜に比べ無農薬栽培で育てやすいので、
無理をせず、畑に向いた場所以外では無農薬栽培での稲作にするのも一つの手です。

また、水抜きができる暗渠(あんきょ)付きの畑であれば、稲作→大豆→麦の輪作体系を組んで村全体で有機農業に転換に成功した埼玉県小川町のように、稲と穀物、そこに野菜を組み込んで行う方法も考えられます。

粘土土といっても専門的には種類があり、特性がありますので、それを知っておくのも大切です。
土壌情報閲覧システムから全国の土質が調べることができます。

2)②作物の生長が悪い理由は、いくつか考えられますが、
③からも無農薬で野菜そのものが育つ環境が調っていない可能性が高いですね。
まずは、養分があるか、塩基バランスがどうか、PHはいくつか、EC値は?が一目でわかる簡易土壌分析などを行って、
目で観ることができない、化学成分を調べてみることをお奨めします。
いわば、人間でいえば健康診断で、血圧、尿酸値など現在の健康状態を数値で確認する作業です。

簡易土壌分析は、1サンプル500~5,000円位で、ホームセンター(カインズホームなど)、農協さんなどいろいろなところで行っており、レーダーチャートで一目でわかるグラフで出してくれます。
※畑の深さ10cmのところの土を5か所とり、5つを混ぜたものが1サンプルにするのが一般的です。

3)②からも粘土でも割と育てやすい野菜を選んで栽培するのも手です。
粘土土でも肥えていれば、よく育つ順に書くと、レンコン、マコモ、クワイ、稲、サトイモ、ショウガ、ダイズ、エダマメ、タマネギ、ニンニク、ラッキョウ、アサツキ、ネギといった感じです。

私の場合、マコモ、サトイモ、ショウガ、黒豆などは、田んぼの畦(あぜ)など粘土で水はけが悪いことを利用して育てています。

来年からは、田んぼを半分に分け、半分稲、半分畑にし、その間で、サトイモ、ショウガなど育てようと思っております。

4)④ですが、その後順調に緑肥作物が育っていますか?
緑肥作物を栽培することで、土を肥やしたり、水はけを改善したりする方法はとても有効です。
しかし、適当に行ってもなかなか緑肥作物そのものが育たなく、その効果が半減してしまっているケースが多いものです。


水はけが悪いのであれば、水はけに強い緑肥作物を選び、
痩せているのであれば、痩せ地に向いてもの、もしくは堆肥などを入れて土壌改良してから、
適期に、種を充分必要量播いてから耕し、土を覆土する必要があります。

幸い、以前に書いたブログにその要点を紹介させていただいておりますので、ご参照ください。
ブログ「緑肥作物で元田んぼの粘土土質を改良」シリーズ

5)④の春からの対策ですが、
雪が降り地面が凍っている現在は特に畑でする野良仕事はありませんが、
現在使っている畑のすべてで簡易土壌診断をする、結果が1カ月位先になりますので、前もってサンプルを採ってすぐに提出する

また、土壌分析の結果を受けて抜本的に土壌改良する菜園計画を立てて、1~3年は、主に土づくりを軸に栽培計画した方がいいかと思います。

最初の1、2年はしっかり土づくりした方がいいと思います。
水はけ・肥持ちを良くするために、堆肥や緑肥作物の投入、明渠の設置、高畝対策など、
まずは耕し有機農業ではじめ、団粒構造も発達し、腐植もできてきたら(畑になってきたら)、順次自然農に切り替えていく方が無難だと思います。

自然農の創立者川口由一さんも、戦前まで伝統農法=有機農業でやっていた田畑で、伝統的な農法で栽培しており、
その後数年農薬・化学肥料を使い中毒したの結果、自然農に3年かかって転化していった経緯があります。

まずは、野菜が育つ畑にし、地域風土を活かした栽培歴、栽培法を学びながら、移行していくことが無難ですよ。

日本中、元水田を畑として使いたい要望は多くなってくると思います。
稲を栽培するのが最適ですが、畑にしたい場合、恵まれている場合を除きある程度覚悟して取り組む必要があると思います。

粘土の強い土は、最初は「水はけが極端に悪く、日照りの日はカチカチに固まり、雨が続くと海苔のような苔が生えてきてしまう」大変な土かもしれませんが、
上手に畑化すると「水持ちが良く、肥料も流失しにくく、美味しい野菜が育つ土」になってくれます。

また何かご質問があれば、コメント欄からご質問ください。
もし、菜園コンサルが必要な場合は、別にご相談ください。

今年も実り多い年になりますように~


2013年度の自然菜園講座の一つ「あずみの自然農塾2013(第7期)」の募集が始まりました!(12/25~2月末)

2012年12月の講座での集合写真
「あずみの自然農塾2013(第7期)」の募集が始まりました!(12/25~2月末)
先着24名。耕さず、草と虫を敵としない川口由一さんのはじめた自然農に特化したシャロムヒュッテに1泊2日しながら、全10回の体験型ワークショップです。

耕さない田んぼに、畑で実際に、自然の理を学び、実践できます。
しかも、自分の小さな菜園区画が付いているので、3~12月の間自然農で野菜を育てることができます。

半農半Xの暮らし、自然農にご興味がある方にお奨めの講座です。

只今準備中ですが、
自然農法で自給自足の農園が学べる「Azumino自給農スクール2013」
穂高養生園で、日帰りも食事、宿泊もできる自然菜園入門講座も間もなく募集がはじまります。
お好みでお選びください。

【お迷いの方へ】
・耕さない自然農を学びたいなら→「あずみの自然農塾2013(第7期)」
・無農薬栽培の基本から応用を学び、我が家の自給率をアップしたいなら→「Azumino自給農スクール2013」


1月23日(水)は長野、9日(水)松本で、
無農薬ずくなし家庭菜園教室の菜園プランと土づくりをテーマに、「春準備号」がはじまります。

長野メルパルク教室
長野城山公民館教室
松本教室

【拙著のご紹介】

『これならできる!自然菜園』


『コンパニオンプランツで失敗しらずのコンテナ菜園』

好評発売中~
コメント (22)
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