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耳をすませば

2023年07月06日 | 映画(ま行)

アニメのその後のストーリー

* * * * * * * * * * * *

ご存じ、ジブリの人気アニメの原作である、柊あおいの名作漫画を実写映画化したもの。
アニメで描かれた中学時代の物語に加え、
主人公2人が大人になった10年後のオリジナルストーリーが語られます。

松坂桃李さん出演ということで、興味はあったのですが、
いまさら「耳をすませば」の続きの話と言われてもなあ・・・と、
余計な物を作ってしまったのでは?という疑念が浮かび、
公開時には見ないで終わっていました。

この度は、それでもまあ、見なくてはなんともいえないわけで、その検証です。

天沢聖司くんが目指していたのは、アニメではバイオリン職人だったのが、
本作ではチェロ奏者に変わっています。

中学時代のストーリーは・・・

読書好きな中学生・月島雫(安原琉那)は、
図書貸出カードでよく名前を見かけていた天沢聖司(中川翼)と出会います。
はじめの印象はよくなかったものの、彼に大きな夢があることを知り、
次第に惹かれていきます。
そして、そんな聖司に背中を押され、雫自身も夢を持つようになります。
やがて聖司は夢をかなえるためにイタリアへ旅立ちます・・・。

そして、離ればなれになったまま10年が過ぎたところから本作が始まります。
中学時代の出来事は本編の合間合間に挿入される形です。

出版社で働きながら夢を追い続ける雫(清野菜名)。
イタリアで奮闘する聖司(松坂桃李)を思うことで、自分を奮い立たせていましたが・・・。
夢である児童向けの物語はうまく書けず、そしてまた仕事もつまずいている、
自信喪失している雫。
聖司は確実にチェロ演奏家としての地位を固めているのに・・・。
そんな雫の焦りの姿を描いています。

とはいえ、小さいながらも出版社で、
自分の好きな児童文学分野の編集者となっているなんて、
願ってもないことじゃん、と私などは思うのですが。
その割に、あまり仕事熱心でなさそうなのがなんともナサケナイ。
第一彼女の児童文学観というのが、
「子供に夢を与えるもの」というのがあまりにも浅薄。
私はそんなんじゃないと思うのだけど・・・。
そんなだから、いくら書いても入賞しないはずだわ。
・・・と、なぜか私は辛口になってしまう。

遠距離恋愛10年。25歳。
あまりにも2人ともピュア過ぎないかなあ・・・と、物足りなくも思う。

そして15歳に持った夢に、そこまでこだわらなくてもいいのではないか、
と思ったりもします。
それが変形していく道だってあってもいい。
やっぱり本作は蛇足に思えてなりません。

 

ところで少年時代の天沢聖司を演じた中川翼くんは、
まさに長じたら松坂桃李さんになりそうな雰囲気で、これはよかった♡

 

「耳をすませば」

2022年/日本/114分

監督・脚本:平川雄一朗

原作:柊あおい

出演:清野菜名、松坂桃李、山田裕貴、内田理央、松本まりか、田中圭、安原琉那、中川翼

夢を追う度★★★★☆

満足度★★★☆☆

 



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