映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

日日是好日

2018年10月26日 | 映画(な行)

良い一日一日を重ねて行けば・・・

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エッセイストの森下典子さんが、25年に渡り通った茶道教室での日々を綴った
エッセイ「日々是好日 『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」を映画化したものです。

本当にやりたいことが見つけられずにいた20歳大学生の典子(黒木華)。
母に勧められた茶道ですが、あまり乗り気ではなかったところ、
いとこの美智子(多部未華子)が乗り気で、共に通うことになります。
決まりごとだらけのお茶の世界。
一見おっとりの武田先生(樹木希林)ですが、
さすがにお茶の稽古では凛として厳しさも垣間見せます。
週に一度のお稽古が続き、季節が移り行き年月も移り変わって・・・。
就職や失恋、大切な人の死。
常に典子の人生とともにお茶はある。



いつの間にか考えずとも手が動き、水の音とお湯の音の違いを感じるようにもなっている。
そしてまた、何がやりたいのかもわからなかった典子は、
出版社のアルバイトからフリーのライターへ。
それで生活が安定したわけではないけれど、
自分の進むべき道が見えて、足取りもしっかりしています。
とにかく日々続けること。
毎日毎日が同じように見えたとしてもその良い日を重ねていけばきっと答えが見えてくる
・・・そんなことを言いたいのかもしれません。

樹木希林さんの最後の出演作ですね。
彼女こそは「日々是好日」をモットーに生きてこられたように思えます。
体調の悪さなど感じさせないお茶の先生としての佇まい。
もちろん何の役をやってもピカイチの樹木希林さんですが、
このような役で幕を閉じることができたのは幸いなことだと思いました。



<シネマフロンティアにて>
「日日是好日」
2018年/日本/100分
監督・脚本:大森立嗣
原作;森下典子
出演;黒木華、樹木希林、多部未華子、原田麻由、鶴見辰吾
お茶の世界の奥深さ★★★★☆
樹木希林さんを偲ぶ★★★★★
満足度★★★★☆



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