映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

テッド・バンディ

2021年02月22日 | 映画(た行)

そら恐ろしい

* * * * * * * * * * * *

1969年、ワシントン州シアトル。
シングルマザーのリズ(リリー・コリンズ)は、
バーで出会ったテッド・バンディ(ザック・エフロン)と恋に落ち、
一緒に暮らし始めます。
子煩悩なテッドはまだ幼い娘の扱いもうまく、幸せな家庭生活が続きます。

あるとき、信号無視で警官に止められたテッドは、
車の後部座席にあった疑わしい道具袋の存在から、
誘拐未遂事件の容疑者として逮捕されてしまいます。
また、その前年に起きた女性誘拐事件の目撃証言による似顔絵が、
テッドによく似ていました。
さらには、他州の殺人事件の容疑もいくつも受けることになりながら、
本人は無実を主張し続けますが・・・。

1974年~78年にかけて、7つの州で30人の女性を惨殺した
実在のシリアルキラー、テッド・バンディその人の物語です。

テッドは陽気で、口が達者。
人の気持ちを引きつける不思議な魅力があったようなのです。
だからこそ30人もの女性が彼にホイホイとついて行って毒牙にかかってしまったのでしょうけれど。
すごく白々しいけれども彼が「自分は無実」と言い続けるのを聞いたら、
もしかしたら、そうなのかも・・・という気もしてくる。
そんな困惑を最も味わったのが、リズなんですね。
テッドはリズに暴力を振るったこともないし、娘には良いパパだった。


不思議です。
どうしてよそで何十人もの女性を惨殺しておきながら、
ごく普通の人物を演じ、リズや娘には何も手出しをしなかったのか・・・。

彼の心のバランスはどこにあるのか・・・。
でもリズを深く愛しているといいながら、拘留中にモトカノと結婚してしまうといういい加減さは、
やはり信用に足る男ではないですよね。

テッド・バンディの実際に残された映像がエンディングに使われていますが、
それを見ると作中のテッドのセリフ等が、
その実際の映像から取られていることがわかります。
世間に向けて、明るく「自分は無罪」と言ってのけ、
大勢のファンまで付いてしまうという・・・

人の言葉と、真実のギャップ。
シリアルキラーの底知れない人格。
空恐ろしい物語なのでした・・・。

DNA鑑定のある今なら、もっと明白な証拠が提示できたのかも・・・。

 

<WOWOW視聴にて>

「テッド・バンディ」

2019年/アメリカ/109分

監督:ジョー・バーリンジャー

出演:ザック・エフロン、リリー・コリンズ、カヤ・スコデラーリオ、ジェフリー・ドノバン

 

人格破綻度★★★★★

満足度★★★★☆

 



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